CGアニメーターがどんな仕事をしているか気になっている人は多いのではないでしょうか。本記事では、CGアニメーターの仕事内容・平均年収・キャリアパスについて解説します。求人案件の例や、CGアニメーターに必要な資格・スキルについても触れているので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 1. CGアニメーターとは
- 2. CGアニメーターの主な仕事内容
- 3. CGアニメーターの求人・案件について
- 4. CGアニメーターの年収
- 5. CGアニメーターに必要なスキル
- 6. CGアニメーターの資格
- 7. CGアニメーターになるには
- 8. CGアニメーターに向いている人
- 9. CGアニメーターの需要・将来性
- 10. CGアニメーターのキャリアパス
- 11.フリーランスのCGアニメーターとして働くには
1. CGアニメーターとは
CGアニメーターは、アニメやゲームなどの世界で、でまるで実際に人が動いているかのようにリアルにキャラクターを動かしたり、あり得ない風景を現実のように表現したりするのが仕事です。
人間のキャラクターだけではなく、幻想の動物や想像上の生き物も生き生きと動かし感情表現を付けるため、作品のクオリティーを左右する重要なポジションです。近年はアニメだけでなく、ゲーム業界でも活躍の場を拡大しており、需要が増えている仕事だといえます。
2. CGアニメーターの主な仕事内容
CGアニメーターの仕事は、デジタルソフトと技術で2Dや3Dのアニメーションを制作することです。現実世界のようなリアルな映像表現にするには、いくつかの作業工程があります。
アニメーションの手法には、キーフレームアニメーションやモーションキャプチャなどさまざまな動きを追加する方法がありますが、近年はたくさんの制作方法に対応できるよう3D作成のソフトを使いこなせる技術力が求められています。
また、制作はチームで分業して行っており、以下のように担当が分かれているのが一般的です。
モデリング(モデラー)
モデリングを担当している人を「モデラー」と呼びます。アニメに登場するキャラクターや背景など、CGソフトを使って立体的に表現するのがモデリングです。イラストやイメージ画像などの2Dから、3Dのオブジェクトを作り上げます。
キャラクターや背景は、それぞれ専属の担当者がいることもあり、何人かで連携しながら作ることもあります。
テクスチャリング(テクスチャーデザイナー)
モデリングされた形に、色や質感を加えるのがテクスチャリングです。立体感を生み出すため色や質感を加えることで、よりキャラクターや背景にリアリティを持たせることができます。
モデリングされた画像は、テクスチャーを行うことにより初めて3D化され立体として見ることが可能になります。
リギング(リガー)
キャラクターを動かすためには、すぐに動き出せるわけではありません。まず「ボーン」と呼ばれる、骨に当たる部分のデーターを立体モデルに挿入します。そうすることにより関節などを動かすことができるようになります。
リギングを行うことにより、キャラクターや背景の動きが自然に見えるようになり、次への行程が可能になるのです。
エフェクト(エフェクトデザイナー)
キャラクターの動きだけではなく、アニメやゲーム内の火・煙・水・光・爆発など、自然現象や効果にCG技術を用いて演出することをいいます。
「VFXアーティスト」と呼ばれることもあり、物語の展開に合わせて「現実にはないもの」にリアリティのある効果を加え、視覚的に達成感や爽快感などの効果を与えることができます。
ライティング
光の当たる場所への、光の強さや当て方を調整するのがライティングです。現実の空間には必ず「光と影」が発生していますが、このライティングの作業をすることにより「その場にある」という自然な現実感が生まれる、大切な行程です。
レンダリング
プログラムを用いて、合成作業をした情報にさまざまな処理を行うことで、最終的な画像や映像、音声などを生成する作業です。映像作品における「カメラ撮影」と同じ作業で、3DCGでは出力に時間がかかることが一般的で、5日〜1週間以上かかることもあります。
処理する情報量が多いほど、生成する期間が長くなり、この点もカメラ撮影と同じような作業といえます。
3. CGアニメーターの求人・案件について
CGアニメーターの求人・案件は、ゲーム業界で増えている傾向にあります。CGアニメーターの求人は主に2Dと3Dに分かれおり、2Dと比べて3Dの方が、高い専門性を求められることから、総じて給与単価も高いものが多いです。
しかし、2Dと3D共に専門性の高い技術があれば、経験や能力を認められて単価が高まる可能性が高い職種でもあります。求人の条件には使用ソフトを問われることや実務経験が3年以上の即戦力を求められることも特徴です。
いずれにせよ、CGアニメーターの求人・案件は今後も安定的に増えていく傾向があるといえるでしょう。
4. CGアニメーターの年収
CGアニメーターとして独立した平均年収は、公的な数値として出ているものはあまり見当たりません。
CG映像の専門情報誌「CG WORLD」による調査では年収200〜300万円が3割ほどですが、全体的にはキャリア3年以内の若年層は平均年収もあまり高くない傾向があるようです。
一方、一般社団法人コンピュータエンターテイメント協会(CESA)が主催する「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査 2019」(PDF)によると、
ゲーム業界における3DCGデザイナーを含むゲームデザイナーの平均年収は548万円とかなり高い数値になっています。
また、厚生労働省の「「職業情報提供サイト」のCG制作」の情報では、アニメーション制作として独立した数字は出ていませんが、平均年収はおよそ460万円です。特に都心部の東京の平均年収は高く、562万円と出ています。
全体的に見えてくるのは、アニメーション業界よりゲーム業界の方が年収も高くなる傾向があり、中でも東京都での就業は他の地域と比べて平均年収も高いということです。これは、制作会社や大手企業が東京都など都心部に集中しており、求人も都心部を中心に多いことが主な理由と考えられます。
5. CGアニメーターに必要なスキル
CGアニメーターに必要なスキルは、基本的なCGソフトツールを使いこなせることが前提です。2D・3Dどちらを目指すかによってソフトは変わってきますが、
表現力
キャラクターの自然な動きやエモーショナルな感情、爽快感のあるエフェクトを演出するためには表現力は欠かせないでしょう。身の回りのものをよく観察し、理解するための観察力も必要です。
また、作業はほとんどCGソフトなどのツールを使用しますが、表現力の基本である「デッサン力」も必須です。見る人を感動させる表現を養うためにデッサン力を鍛え、日々表現力を磨くことは大切なスキルといえます。
デジタルスキル
2Dであれば、PhotoshopやIllustratorなどの2DCG制作用デジタルツールが扱えることは必須です。またLive2DやSpineなどの2D用アニメーションソフトも扱えるとよいでしょう。
3Dでは、MAYAや3dsMax、After Effectsなどの3DCG用ソフトが扱えることが必須です。これらの実務経験があると、即戦力としてかなり有利に働きます。
デジタルスキルはCGアニメーターにとってはなくてはならない能力なので、実務経験がなくてもある程度扱えることが大切です。
コミュニケーション能力
CGアニメーターは、さまざまな分業で成り立っており、メンバーとやり取りをしながら1つの作品を作り上げるので、違う立場や業種の人とコミュニケーションがスムーズに取れることは重要です。
作品を作り上げるのは、アニメーター1人の力ではできません。周囲のメンバーと円滑にコミュニケーションを取り、誤解や行違いを起こさず制作を進めるためには大切なスキルです。
英語力
CGアニメーションで使用するソフトの多くが海外製であるため、マニュアルや操作を行い、ソフトの情報・ニュースを得るためには英語力を身に付けておくと便利です。
英語力は必須ではないものの、ゲーム関連では海外からの仕事を請け負うこともあり、英語力があることで、将来的にグローバルな働き方ができる魅力もあります。日常的なコミュニケーションが取れるくらいには持っていて損はないスキルです。
6. CGアニメーターの資格
CGアニメーターになるための資格は特にありませんが、持っていると知識があることをアピールできる関連する資格はあります。
【CGアニメーターが持っているといい資格】
・CGクリエイター検定
・CGエンジニア検定
・画像処理エンジニア検定
CGクリエイター検定・CGエンジニア検定・画像処理エンジニア検定は全て、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が主催しています。
CGクリエイター検定は3次元CGと映像制作に関するもの、CGエンジニア検定はCGの技術に関するもの、画像処理エンジニア検定はソフト・ハード両面のシステム開発ができるためのもの、それぞれ専門知識の理解と能力を測り、ベーシックとエキスパートで試験を選べます。
7. CGアニメーターになるには
CGアニメーターになるのには、主にCGやアニメの専門学校や美術系大学に進学することです。デッサンの基礎やCGソフトの実践、CGアニメーションの全制作工程
や最新のソフト技術を満遍なく学ぶことができます。
その後は、CG制作会社やデザイン事務所、映像制作会社に就職し、技術や実績を積むのが一般的でしょう。
独学でCGソフトの知識や技術を学ぶことも不可能ではありません。基本的な情報は本や画像などで勉強できます。自作した作品を自身のホームページやSNSなどで公開するなどポートフォリや実績をアピールできると、仕事につながりやすいでしょう。
就職をして、実績と経験を積んだのちにフリーランスになる人も多いでしょう。技術力と実績、人脈を作ることによって、独立し仕事を得ることができます。
ただし、未経験からフリーランスでCGアニメーターの仕事を得るためには、ある程度の技術があることをアピールするポートフォリオなどの材料が必要です。
8. CGアニメーターに向いている人
CGアニメーターに向いている人は、まず「絵が好き」であり「パソコンでの制作に抵抗がない」、ということが挙げられます。
絵が好きであることは大前提ですが、中でもデッサン力や写実性が求められます。人物や物を描き込み、どのような構造なのかを想像して写実的に再現できることは、ソフトを使った制作でも役立つ能力です。
次に、2Dや3Dのアニメーションにするためには、専用ソフトを使った制作が欠かせません。デジタルスキルを日々磨いていくためには常にパソコンと向き合わなければならないので、パソコンでの制作が苦にならないことも必須です。
また、CGアニメーターは細かい作業を求められ、納得のいくものを作り上げるには「体力」と「根気強さ」が必要になります。常に座っており長時間作業するため、実は体の筋力が低下しやすく負担がかかりやすいのです。
クオリティーの高い制作を行うためには、根気強さとそれを維持する体力はかなり重要といえるでしょう。
9. CGアニメーターの需要・将来性
CGアニメーターの需要は、近年高まっているといえそうです。IT業界の拡大やゲーム業界の多様化が進み、ソーシャルゲームやアプリゲーム、VRゲームも増えています。
また、企業のサイトリニューアルによるアニメーション制作や、地方自治体の紹介画像に3DCGが使われていることもあります。
視覚聴覚を中心とした映像表現の広がりにより、キャラクターの2D化・3D化は今後ますます増えていくことが予想されます。
中でも3DCGは、高い専門性と技術力が求められるため、単価も高く設定されている傾向があり、拡大する業種でもあるため狙い目といえそうです。いずれにせよ、CGアニメーターの需要は高まっており、中でも実績や経験が求められます。
例えば、モデラーが専門でもエフェクトもできる技術があれば、プロジェクトの中で複数の段階において需要が生まれます。常に技術を磨き、できることを複数持つことで、将来も長く続けられるでしょう。
10. CGアニメーターのキャリアパス
CGアニメーターのキャリアパスは、CGディレクター職を目指すか、フリーランスとして独立するかが主な道です。
CGディレクター職を目指す
ディレクターとは、制作チームの責任者としてディレクション・マネジメントをします。CGディレクターはCGのさまざまに分業されているクリエイターメンバーをまとめ上げ、クライアントの制作意図やコンセプトを明確にしてチームに伝え、1つの作品を作り上げなければなりません。
作品制作には監督やクライアントとの折衝を行いながらプロジェクト成功させなければなりません。いわば橋渡し的な役割です。
CGディレクターは実際の制作を行うことはほとんどなくなります。企業や制作会社でさまざまな案件をこなし、技術面でもマネジメント面でもリーダーシップを経験し、CGディレクターを目指すことは、CGアニメーターのキャリアパスといえます。
フリーランスのCGアニメーターを目指す
企業や制作会社で実績を積み、人脈を広げることでフリーランスとして活躍する道もあります。実際に業界で働いているCGアニメーターのおよそ3割はフリーランスともいわれているため、想定しやすいキャリアパスです。
そのためには、まずポートフォリを充実させて、人脈を広げるなど顔を売る努力も必要です。アニメーションやゲーム、テレビ制作など幅広い案件に携わることで、フリーランスになってからの案件獲得や単価アップに差が出ます。
フリーランスとして独立を目指すならば、早いうちから意識して、準備しておくことが大切です。
11.フリーランスのCGアニメーターとして働くには
フリーランスのCGアニメーター案件は、実務経験を求められる即戦力の内容が多いです。そのため、未経験であれば小さな案件から経験と実績を積んでいくことを目指し、少しずつ希望の案件を狙っていくのもおすすめです。
もし専門学校に入学できるならば、CGアニメーションを体系的に学んだ後で、映像制作会社やCG制作会社などに勤務してから、経験と人脈などを手に入れてから独立してフリーランスになるのが、1番近道です。
フリーランスでは、自分で営業活動をし、ポートフォリオを充実させることなどが必要です。相手に自分の実力や表現の幅を提示できるので、ポートフォリオは常にアップデートしておきましょう。
フリーランスとして活動する際には、営業活動も重要ですが、あまり得意でない人もいるはずです。そのような場合は、フリーランスに特化したエージェントを利用して、案件を探すことがおすすめです。
自分のスキルや実績を考慮してくれるエージェントを選ぶことで、実績とマッチする仕事につながりやすくなるでしょう。
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