クリエイター職種図鑑 UXデザイナー


UXデザイナーの仕事内容・平均年収・必要な資格やスキルなどを解説します。また、向いている人の特徴やキャリアパス、将来性についても詳しく書いているので、これからUXデザイナーを目指す人はぜひ参考にしてください。

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目次

1. UXデザイナーの主な仕事内容

UXデザイナーの仕事はその名の通りUXをデザインすること。UXとはユーザーエクスペリエンスのことで、サービスを利用したユーザーが得られる体験(感情・満足度)のことを指します。

UXデザイナーはビジュアルのデザインだけでなく、インタビューやテスト運用(プロトタイピング)を通してUXの最適化を追及。一般的なデザイナーよりもビジネスの上流部分から携わることが多くなります。
 

UXデザイナーの仕事の流れ

UXデザインの仕事は、「UXの5段階モデル(戦略・要件・構造・骨格・表層)」に従って行われます。段階を踏んで論理的に設計を行うことで、一貫したコンセプトを保つことが可能です。また、サービスに問題が生じた際に、原因となるフェーズを見つけやすくなるメリットもあります。

「戦略」はビジネスの根幹であり、利用者のニーズやサービスの目的を設定する段階です。市場・ユーザーニーズ・サービスの代替手段・費用対効果・コンセプトなど、具体的な開発に入る前に必要な情報を設計していきます。

続く「要件」は、ユーザーに使われやすい、売れやすい要件(機能など)を考える段階です。その体験にお金を払う価値があるかどうか、しっかりと見極めて設計していきます。

次の「構造」は、前段階で定めた要件をどのように構築するか考え、サービスやプロダクトの構造を決める段階です。ユーザーの体験の流れ(Webサイトであればどのような手順を踏んで目的を達成するか)やマネタイズのタイミング、実現可能かどうかのチェックなどを行います。

「骨格」は、「構造」でできた情報設計をもとにして、より具体的な設計を行う段階です。ここで大まかなレイアウトを決めてプロトタイピングを行い、さらに修正・改良を重ねます。最後の「表層」は、実際にユーザーの目に触れるビジュアルをデザインする段階です。
 

UIデザイナーとの違い

UIデザイナーの仕事は、ユーザーインターフェース(UI)をデザインすることです。ユーザーインターフェースとは、商品やサービスの中でユーザーが直接触れる部分のことで、具体的には、電子機器の操作パネルやスマホアプリの画面などが挙げられます。

UIデザイナーとUXデザイナーの違いは、業務の範囲の広さ。UXデザイナーはサービス開発全体に関わりますが、UIデザイナーは主に「表層」の段階を担当します。会社によっては「構造」「骨格」の段階から関わることもあり、UIデザイナーとUXデザイナーの境界が曖昧なケースもあるでしょう。

UIデザイナーについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

関連記事:UIデザイナーの仕事内容から案件提案まで

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2. UXデザイナーの年収

UXデザイナーは比較的新しい職業のためか、政府が提供している公式データはありません。求人サイトの募集要項を確認してみると、想定年収は530~870万程度。デザイナーの平均年収は約426万円ですので、デザイナー職の中でも高い水準であることがわかります。

以下の金額は、サイト内の単価診断ツールにて「ブランクなし」での経験年数別の単価目安から算出した、フリーランスのUXデザイナーの年収目安です。そのため、会社員の給料、年収とは単純比較できない点にご留意ください。 

実務経験に基づく年収の目安(週5日作業の場合) 
・UXデザイナー(実務経験1年未満 )の年収:360万円(30万円/月) 
・UXデザイナー(実務経験1年~2年)の年収:432万円(36万円/月) 
・UXデザイナー(実務経験2年~3年)の年収:504万円(42万円/月) 
・UXデザイナー(実務経験3年~5年)の年収:576万円(48万円/月) 
・UXデザイナー(実務経験5年以上 )の年収:684万円(57万円/月) 
※上記の金額は目安であり、実際のお支払い額はご自身の経験/スキルなどにより変動します  

これはUIデザイナーを含めた金額になるので、UXデザインができる場合はもう少し高い年収が期待できるでしょう。UXデザイナーの年収については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。

関連記事:UI/UXデザイナーの平均年収はどのくらい?フリーランスの方が稼げる?

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3. UXデザイナーの求人・案件について

UXデザイナーの求人・案件数は近年増加傾向にあり単価も高いのが特徴です。他の職種と比べてもUXのスキルを持つ求職者はまだ少数であるため、チャンスのある求人・案件といえます。以下では、UXデザイナー求人・案件の特徴について説明します。

募集している職種・仕事内容

UXデザイナーの求人は、「UI/UXデザイナー」「Webディレクター」といった職種名でも掲載されています。UXデザインはかなり広い範囲の業務を指す言葉なので、求人によって細かな仕事内容が異なることも珍しくありません。

実際の職務内容や使用するツール、必要なスキルなどはよく確認しておきましょう。自分のイメージしていたUXデザインと違ったということがないよう、面接などで聞いてみるのがおすすめです。

応募資格

UXデザイナーの求人に応募するには、UI/UXデザインに関する実務経験や、各求人の業界における実務経験が必要です。また、コーディングの経験や「Figma」「Sketch」などのプロトタイピングツールを使用した経験があると、応募できる求人の幅が広がります。

比較的スキル要件が高く、未経験での転職はかなり難しいでしょう。経験がない場合は、WebデザインやWebディレクション、Webマーケティングの領域から少しずつUXに関わる経験を身につけていくのがおすすめです。

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4. UXデザイナーに必要な知識・スキル

UXデザイナーになるには、どのような知識やスキルを身につければよいのでしょうか。以下ではUXデザイナーが身につけておきたい知識やスキルについて解説します。

UXデザイナーに必要な知識

UXデザイナーに必要なのは、ブランディングの知識です。自社サービスの目的や方向性、構造などを定め、競合サービスとの差別化を図るのに役立ちます。また、コーディング(HTML・CSS・JavaScript)やUIデザインなど、制作に関する理解を深めることで、プロジェクトメンバーと連携しやすくなるでしょう。

UXデザイナーに必要なスキル

UXデザイナーには、広告やSEO(検索エンジン最適化)、Webサイトのアクセス解析など、集客を成功させるためのスキルが必要です。UXデザイナーはサービスの戦略を立てるところから関わるため、ユーザーがどのようなニーズを持っているのか、どのようなコンテンツなら手に取ってもらえるのかを分析する力が求められます。

また、UXデザインの過程ではプロトタイプによる実験・検証を行うことが多いため、「Sketch」「Figma」などのプロトタイピングツールを使用できると有利です。ユーザーインタビューやユーザビリティテストを行うスキルも求められるでしょう。

上記のようなハードスキルに加えて、ロジカルシンキングやコミュニケーション能力も重要。筋の通った戦略やコンセプトを作ったり、関係者を巻き込んでいく必要があるため、UXデザイナーにはソフトスキルも欠かせません。

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5. UXデザイナーの資格

UXデザイナーになるために必須の資格はありませんが、就活・転職の際のアピールや、知識をつけるためにとっておいた方がよいものはあります。

まず「人間中心設計(HCD)専門家資格認定制度」は、人間中心のデザインを実践できるかどうか、また後進の育成能力などが問われる資格認定制度です。「スペシャリスト」と「専門家」の2種類のレベルがあり、実際に関わったプロジェクトなどを提出することで審査が受けられます。取得するのが難しい分、高いスキルの証明になるため、挑戦してみるとよいでしょう。

特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が運営している「Webデザイン技能検定」、Webデザインに関わる幅広い知識やスキルを証明できるため、Web系の会社に就職する人は受験をおすすめします。「ユニバーサルデザインコーディネーター認定資格」は、全ての人に使いやすくデザインする力を証明できるため、ユーザー目線を大切にしているUXデザイナーには有用な資格です。

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6. UXデザイナーになるには

UXデザイナーは「デザイナー」という名前が付いていますが、デザインの専門学校や美術大学などに通う必要はありません。総合大学などを卒業した後、UXデザイナーとして就職する人も多くいます。UXデザイナーはユーザー目線で物事を考えることが大切なので、行動心理学などが学べる学科を選んでもよいでしょう。

新卒や未経験向けの求人・案件が全くないわけではありませんが、絶対数は少なめ。学生であればインターンとして募集をかけている企業もあるため、就職前に経験を積んでおくとよいでしょう。

UXデザイナーに転職をする場合は、近しい業務経験が必須。新規プロダクトの立ち上げやリニューアル、サイト解析・分析の経験、UIデザインなど、UX設計の一部を経験しておきましょう。プロジェクトマネージャーやWebデザイナー、Webマーケターなどさまざまな職種からキャリアを伸ばしていくことができます。

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7. UXデザイナーに向いている人

UXデザイナーに向いているのは、以下のような要素を含む人です。

ユーザーの心理や行動を理解できる

UXデザイナーに向いているのは、ユーザーの心理や行動を理解できる人です。UXデザインを行う際は、まず市場やユーザーのニーズを明確にします。ユーザーが何に悩み、何を求めているか、そしてどのように行動するか創造力を働かせることができる人が向いているでしょう。

流行を取り入れられる

流行をキャッチして仕事に取り入れられる人は、UXデザイナー向きです。流行には今のユーザーのニーズが強く反映されており、よりよいUXを作るヒントが隠されています。たとえば最新のアプリのデザインや機能、人気サービスの要件などを分析することで、今ユーザーが何を求めているのか理解することが可能です。

数字や統計の分析が得意

数字や統計の分析が得意な人も、UXデザイナーに向いています。UXデザインは明確な戦略や論理に基づいて行われるため、サイトのアクセス数やユーザー分布などのデータ解析がとても重要です。ユーザーの声も大事な要素ですが、数値データをもとに考えていることも求められるため、数字に抵抗がない人が向いているでしょう。

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8. UXデザイナーの需要・将来性

昨今タブレットやスマホの普及により、インターネットでの発信が当たり前の時代となりました。Webサイトやアプリ開発に関わるUXデザイナーは、今後も需要が増していくと考えられます

また近年はプロダクトのレベルが上がっており、価格やUIのよさなど表面的なところでは差別化が困難に。サービス利用の一連のプロセスを通して、ユーザーにどのような体験をしてもらうかが注目されており、今後益々注力する企業が増えていくと考えられます。

またユーザーのニーズも多様化してきているため、いかにしてユーザー満足度を上げていくかが、これからのビジネスには重要です。そのような市場においては、UXデザイナーの価値は高く、長く活躍し続けることができるでしょう。

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9. UXデザイナーのキャリアパス

UXデザイナーの実務を経験した後は、さまざまなキャリアパスを描くことが可能です。

WebプロデューサーやCDOとして上流を担当する

UXデザイナーとしての経験を活かして、Webプロデューサーになる道が考えられます。UXデザイナーよりも管理の側面が強く、より上流部分のみを担当することになるでしょう。

またCDO(チーフデザインオフィサー)のようなポジションで、デザイン部門全体を統括するのもキャリアのひとつです。いずれにせよ、よりマネジメントに寄った職務にシフトしていくことで年収を上げることができるので、収入UPを目指す場合はマネジメント職になるのがよいでしょう。

フリーランスとして独立する

会社での実務経験を武器に、フリーランスとして独立する道もあります。フリーになれば自分の好きな案件を選ぶことができ、ワークライフバランスを優先したり収入を優先したりなど、働き方の調整も可能です。

会社員としてのUXデザイナーが年収を上げていくためには、マネジメント側に移行していくなどのキャリアになりますが、フリーランスであればUXデザインを極めていくことが可能。UXデザイナーとしてのスキルが案件単価に直結するので、どちらが自分に向いているか考えてみるとよいでしょう。

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10.フリーランスのUXデザイナーとして働くには

フリーランスのUXデザイナーとして働くには実務経験が必須。少なくとも2年以上の経験があるとよいでしょう。UXデザイナーとしてすべての工程を担当していなくても、参画可能な案件はあるので、近しい経験がある場合は積極的に提案してみてください。

UXデザイナーとしてフリーランスになるには、まずポートフォリオを準備しましょう。自分の実績をアピールするために、ポートフォリオは必須です。チームの人数や期間、予算、自分が携わった工程などがハッキリとわかるようにしておきましょう。

実績をアピールできるポートフォリオができたら、知人や友人のツテをたどってみたり、企業に営業メールを送ってみたり、営業活動を行います。ウォンテッドリーなどのビジネスSNSを利用するのもよいでしょう。

自分で営業活動をしてみて案件が見つからない場合は、フリーランスエージェントを頼るのもひとつの手。大手企業の高単価案件を持っていることもあるので、自分で探すよりも条件がよい場合もあるでしょう。

フリーランスエージェントを利用すれば、希望を伝えるだけで複数案件を提案してくれるため、案件探しが簡単に。企業との単価交渉や契約などの手続きも代行してくれるため、フリーランスとしての負担は軽減できるでしょう。UXデザイナーとしてフリーランスになるさいは検討してみてください。

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