3Dデザイナーがどんな仕事をしているか気になっている人は多いのではないでしょうか。本記事では、3Dデザイナーの仕事内容・平均年収・キャリアパスについて解説します。求人案件の例や、3Dデザイナーに必要な資格・スキルについても触れているので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 3Dデザイナーとは
- 3Dデザイナーの仕事内容
- 3Dデザイナーに必要なスキル
- 3Dデザイナーの求人案件例
- 3Dデザイナーになるには
- 3Dデザイナーの需要・将来性
- 3Dデザイナーのキャリアパス
- 3Dデザイナーがフリーランスになるには?
3Dデザイナーとは?
3Dデザイナーとは、主に3DCGをデザイン・制作する仕事のことです。CG(コンピューターグラフィックス)とは、コンピューターを用いて作られる画像や映像のことで、そのうち奥行きや立体感のあるものを「3DCG」と呼びます。したがって3Dデザイナーは、コンピューターを使用して立体的なグラフィックスを制作する仕事と言い換えることもできるでしょう。
3DCGは、アニメーションや建築用の設計図などさまざまな場面で使用されており、3Dデザイナーの活躍する業種も多岐にわたります。年々技術やクオリティが進歩向上しており、就職後も勉強やスキルアップが必要となる職種です。
CGデザイナー・2Dデザイナーとの違い
CGデザイナーおよびCGクリエイターは、2D(CG)デザイナーと3D(CG)デザイナーに分かれています。2D(CG)デザイナーとは、PhotoshopやIllustratorなどのデジタルソフトを用いて、平面的なグラフィックス(2DCG)を制作する仕事です。
2Dデザイナーが特定の方向から見たグラフィックスを制作するのに対し、3Dデザイナーは360度の立体表示が可能な3D素材を扱います。3Dゲームなどの制作現場では、2Dデザイナーが作った2D画像をもとにして3Dデザイナーがモデリング(立体化)を行うことも多いです。また、2Dデザイナーと3Dデザイナーでは、使用するソフトや制作工程も全く異なります。
CGデザイナー・2Dデザイナーの具体的な仕事について興味がある方は、以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事:CGデザイナーの仕事内容から案件提案まで
関連記事:2Dデザイナーの仕事内容から案件提案まで
3Dデザイナーの仕事内容
3Dデザイナーの仕事内容は3DCGを制作することですが、3DCGが完成するまでには様々な工程があります。会社では工程ごとに分業されることが多く、一つの作品・プロジェクトに対して複数のデザイナーが関わるのが一般的です。ここでは、3DCGの制作工程について紹介します。
モデリング
モデリングを担当する人は、モデラーと呼ばれています。モデリングとは、平面的なデザイン画をもとに立体的なCGモデルを制作する仕事です。3DCG制作ソフトなどのツールを用い、「ポリゴン」と呼ばれる板状のパーツを組み上げながらモノの形を作り上げます。モデリングは、単に形ができればいいというものではなく、3Dモデルに色または動きをつけやすいように工夫しながら行うことが大切です。
テクスチャー
テクスチャーを担当する人は、テクスチャーデザイナーおよびテクスチャーアーティストと呼ばれています。テクスチャーとは、モデリングで組み上げられたポリゴンに色や質感を加え、リアリティあふれる3DCGに仕上げる仕事です。色を「塗る」というよりも、ポリゴンに画像を「貼り付ける」という形で作業を行います。
リギング
リギングを担当する人は、リガーと呼ばれています。リギングとは、モデリングで成形された3Dモデルに動きをつけるため、モノの骨組みを作る仕事です。人や動物の関節など、モノが動く点を設定し、自然な動きをつけるための基盤を整えます。
アニメーション(モーション)
アニメーションおよびモーションを担当する人は、CGアニメーターやモーションデザイナーと呼ばれています。アニメーション(モーション)とは、モデリングやリギングを終えた3DCGに動きをつける仕事です。キャラクターであれば手足や首の動き、表情の変化まで細かな調整を行い、活き活きとした映像を作り出します。
ライティング
ライティングとは、3DCGの照明・光源に関する設定を行う仕事です。完成したCGに対して光を当てながら、ライトの位置、光の強度、影の濃さなど様々な要素を調整します。リアリティや迫力ある映像を制作するうえで、とても大切な工程です。
レンダリング
レンダリングとは、完成したCGデータの出力を行い、静止画や動画として利用できるようにする仕事です。データ量によっては数日間かかることもあるため、余裕をもって作業を始めることが大切になります。
3Dデザイナーに必要なスキル
3Dデザイナーになるには、どのようなスキルを身につければよいのでしょうか。
デッサン力
立体的なグラフィックスを制作する3Dデザイナーは、デッサン力があるとよいでしょう。2Dデザイナーと異なり、3Dデザイナーは360度すべての角度からデザインする必要があります。モノや人がどのような形をしているのか把握するために、デッサンはとても有効な手段です。
また、アニメーションを作る際は、対象物のどこがどのように動くのかを理解しておかなければなりません。骨組みや構造について知識を深めるほか、人やモノの動きを観察して描きとるなどして、より自然な動きの表現を目指しましょう。
3DCG制作ソフトの操作スキル
3Dデザイナーには、3DCG制作ソフトの操作スキルが必要不可欠です。あらゆる会社で使用されているMayaをはじめ、3ds MaxやSoftimageなど、幅広いソフトを使いこなせるとよいでしょう。3Dデザイナーは2Dデザイナーを兼務する可能性もあるため、PhotoshopやIllustratorなどの2Dグラフィック制作ソフトを習得しておくと便利です。
コミュニケーション能力
3Dデザイナーには、コミュニケーション能力が必要です。3DCG制作には多くの工程が存在し、一つの作品を作るためには多くのデザイナーが関与しています。3Dデザイナーは他のデザイナーやスタッフと関わりながら制作を進めることになるため、他者と連絡・調整を行う能力は最低限養っておきましょう。
3Dデザイナーの求人案件例
3Dデザイナーの求人・案件を探す際は、求人サイトやクラウドソーシング、フリーランス専門のエージェントサービスなどを利用しましょう。ここでは3Dデザイナーの求人・案件の特徴を紹介します。
3Dデザイナーの求人例
3Dデザイナーの求人は、「3Dモーションデザイナー」「3Dエフェクトデザイナー」「3D背景デザイナー」のように、一部工程に特化した職種で募集されることが多いです。主にゲームメーカーやアプリ開発会社から求人が出されています。
仕事内容は、ゲーム開発におけるキャラクター・背景のモデリングが主ですが、エフェクト制作やリギング、モーションなどの業務も存在します。アニメーション制作やバーチャルイベントの3DCG制作など、ゲーム以外の業種における求人もありました。
応募条件としては、3DCG制作ソフトの使用経験および3DCGの制作経験が必要です。シェアが大きいのはMayaや3ds Maxですが、使用するソフトは会社によって異なりますので、詳しくは各求人を確認してください。2Dデザイナーと兼務する求人もあるため、PhotoshopやIllustratorなどの操作スキルがあると仕事の幅が拡がるでしょう。そのほか、ゲーム・映像業界での実務経験やキャラクター・アニメーションの制作経験など、各仕事内容に合わせた経験が求められます。建築系であればCADの使用スキルや3Dパースの制作経験などが必要です。
求人ボックスやIndeedに掲載されている求人を確認したところ、3Dデザイナーの想定年収は、経験者で年収390万円~710万円前後、未経験者で年収330万円~630万円前後でした。
3Dデザイナーのフリーランス案件例
レバテッククリエイターの「3Dデザイナー」に関する案件を確認したところ、ゲーム開発におけるモデリングの仕事が多く見られました。そのほか、3Dエフェクト制作やアニメーション、建築や製造業に関わるモデリング、ライティングなど、業務内容は多岐にわたります。
応募条件としては、3DCG制作に関する3年以上の実務経験があると望ましいです。実務経験はモデリングやアニメーションなど、各工程に特化したものがあればよいですが、一通り経験しておくと応募できる案件の幅が拡がります。またフリーランス案件の場合は、ゲーム業界のものが多いため、ゲームの制作経験などがあると有利です。また、Mayaや3ds Maxなどの3DCG制作ソフトの使用経験が求められます。
収入については、月額上限50万円~70万円前後の案件が多くみられました。月額60万円で単純計算すると、フリーランスの3Dデザイナーの想定年収は720万円程度となります。
3Dデザイナーになるには
3Dデザイナーになるには、どのように勉強すればよいのでしょうか。
未経験でも3Dデザイナーになれる?
3Dデザイナーになるためには、Mayaや3ds Maxなど、3DCGの制作に必要なデジタルソフトの操作スキルを身につけましょう。
参考書やネットの解説サイトも豊富に存在するため、独学での習得も十分に可能です。しかしCGデザインの専門学校に通えば、より効率的に学習することができます。学校ではデザインの基礎知識から学べるほか、分からないことがあれば質問もできるため、一人ではモチベーションを維持できないという方にはおすすめです。
専門的な学歴や、授業での制作物をまとめたポートフォリオなどがあれば、就職にも有利になります。また、立体の把握能力を養うため、デッサンを練習しておくとよいでしょう。美術系の大学・学部に進学して学ぶというのも一つの手段です。
こうした専門スキルのほか、感性や発想力を磨くことも大切です。CG作品や映像作品など、日頃からあらゆるアートに触れ、よく観察しておきましょう。
就活に使えるポートフォリオの作り方について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:ポートフォリオ作成ツールのおすすめ5選!作り方のコツも紹介!
3Dデザイナーになるには資格が必要?
3Dデザイナーになるために必須の資格はありませんが、就活の際に他者と差をつけるため、あるいは自身の知識を付けるために、とっておいた方がよいものはあります。
3DデザイナーはCGを扱う仕事ですので、「CGクリエイター検定」の受験をおすすめします。この試験では、デザインの基礎や2D・3DCGの制作手法、規格、著作権などに関する知識を証明することが可能です。また、「色彩検定」は文部科学省後援の公的資格で、色や配色に関する幅広い知識が問われます。テクスチャーなど、色に関わる工程を担当したい方は、こちらも取得しておきましょう。
3Dデザイナーの需要・将来性
近年、アニメーションや映画、ゲームなどのエンタメ業界をはじめ、建築や広告、パチンコ、自動車、航空、家電など、あらゆる業界で3DCGが使われるようになりました。また、現実に似た仮想世界を生み出す「VR」や、実際の風景とバーチャルなグラフィックを合成した「AR」など新たなシステムが開発され、3DCGの需要は高まっています。これらのことから、3Dデザイナーは需要が高く、将来性のある仕事といえるでしょう。
3DCGは今後も発展していくことが見込まれます。長く活躍していくためには、これから生まれる新しい技術や表現方法、世界のトレンドなどを敏感にキャッチし、制作に活かすことが大切です。
3Dデザイナーのキャリアパス
3DCGの技術はエンタメやインフラなどあらゆる業界で求められているため、他業種の3Dデザイナーに転職して幅広い経験を積むことも可能です。また、CG制作のディレクションを行う「CGディレクター」を目指すという道もあります。3DデザイナーはCG制作の工程に精通しているため、各スタッフに適切な指示を行うことができるでしょう。
3Dデザイナーがフリーランスになるには?
3Dデザイナーがフリーランスになるには、まずスキルや実務経験を身につける必要があります。専門学校や大学などで3DCG制作ソフトのスキルやデザインの基礎知識を身につけ、就職して数年間の実務経験を積みましょう。会社員時代に幅広い工程を経験することで、独立後に応募できる案件が増えます。フリーランスはゲーム業界での案件が多いため、業種にこだわりがなければゲーム開発会社などに就職するのがおすすめです。
案件を取得する際は、フリーランス専門のエージェントサービスを利用するとよいでしょう。希望する条件に合った高単価な案件を継続的に紹介してくれるため、仕事や収入に関する不安も軽減されます。また、クライアントとフリーランスの仲介をしてくれるため、トラブルのリスクが低く安心です。そのほか求人サイトやクラウドソーシングを利用する方法もあります。
フリーランスの3Dデザイナーは、会社員に比べて多業種の案件に関わることができます。色々な仕事を経験したいという方にはぴったりの働き方です。またフリーランスは、様々な制作工程に関わったり、特定の制作工程に特化したスペシャリストとして活動したりと、自由なキャリアパスを描くことができます。自分らしい働き方を目指している方は、独立を視野に入れてみましょう。
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