Webディレクターの仕事内容・平均年収・必要な資格やスキルなどを解説します。また、向いている人の特徴やキャリアパス、将来性についても詳しく書いているので、これからWebディレクターを目指す人はぜひ参考にしてください。
目次
- 1. Webディレクターの主な仕事内容
- 2. Webディレクターの平均年収
- 3. Webディレクターの求人・案件について
- 4. Webディレクターに必要なスキル
- 5. Webディレクターの資格
- 6. Webディレクターになるには
- 7. Webディレクターに向いている人
- 8. Webディレクターの需要・将来性
- 9. Webディレクターのキャリアパス
- 10.フリーランスのWebディレクターとして働くには
1. Webディレクターの主な仕事内容
Webディレクターの仕事は、Webサイトを制作する際に、エンジニアやWebデザイナーなど、制作スタッフをリードし、プロジェクト全体の進捗管理・クオリティ管理をすることです。クライアントの要望と作業現場をバランス良く統括し、サイトを完成へと導きます。Webサイトを制作するにあたり、大体いくつか掛け持ちの状態で進行するため、プロジェクトを効率よく管理しなければなりません。
<主な仕事内容>
・ヒアリング
・企画提案
・リソース調達
・仕様書作成
・スケジュール作成
・制作進行管理
・検証
・納品
Webディレクターの多くは制作会社に所属していることが多く、上記のような仕事の流れになるのが基本。クライアントからの依頼を請けてサイト制作を行いますが、近年は企画段階から入り込むケースも増えているようです。また、Webサイトのコアであるコンテンツのクオリティを高めるため、企画や撮影・取材にも積極的に携わるケースもあります。
一口にWebディレクターといっても、「企画・マーケティング系」「アート・クリエイティブ系」「システム系」「営業系」という4つのタイプに分類が可能。それぞれの特徴を見ていきましょう。
企画・マーケティング系Webディレクター
企画やマーケティング領域を担うWebディレクターは、自社サービスを運営する事業会社に多く所属しています。業務の範囲は幅広く、サービスサイトのコンテンツ追加・リニューアル、更新などを担当。自社のコンテンツ企画・SEO対策・広告運用・サイト設計から制作進行管理、運用まで全行程を管理していることも珍しくありません。
システム系のディレクションはもちろん、幅広いマーケティング知識やコンテンツディレクション能力が求められるポジションです。マーケターが開発ディレクションに入っていく場合もあれば、Webディレクターがマーケティング領域に進んでいく場合もあります。
アート・クリエイティブ系Webディレクター
定義が難しいところですが、アートディレクターやクリエイティブディレクターと呼ばれることもあります。広告代理店や制作会社に所属していることが多いでしょう。クライアントの要望をヒアリングし、企画のコンセプト立案やクリエイティブ制作をするのが主な仕事。実際に制作を行う、デザイナーやコピーライターをうまくディレクションをすることが求められます。
企画力に加えて、デザインを言語化して伝える能力が必要。グラフィックデザイナーからステップアップするケースが多いようです。
システム系Webディレクター
システム系のWebディレクターは、Webサイトのフロントだけでなく、インフラやデータベースに関わるポジションです。プログラミングに関わる知識が乏しいと、要件定義や指示書作成、工数管理が難しくなるため、豊富な知識と経験が求められます。エンジニアからWebディレクターになった場合は、システムに強いWebディレクターとして活躍することができます。
営業系Webディレクター
営業系のWebディレクターは、制作会社に所属していることが多く、案件の獲得から制作まで一気通貫で対応します。クライアントへのヒアリングから、企画提案、予算管理、制作進行管理など業務範囲が広いことに加え、複数案件を同時に進行するため忙しくなりがちです。
Web制作の基本スキルに加えて、クライアントとの調整力や期待を汲み取る力などが求められます。よりコミュニケーション力が求められるポジションでしょう。
2. Webディレクターの平均年収
求人ボックスやDODAが発表しているデータから、Webディレクターの平均年収は450~500万円程度であることがわかります。経験年数やスキルによっても異なりますが、20代後半で400万円~、30代で500万円~が目安となるでしょう。WebディレクターはIT業界のニーズの高まりと、総合的な管理能力を求められるため、総じて高い傾向があります。
また、以下の金額は、サイト内の単価診断ツールにて「ブランクなし」で経験年数の単価目安から算出した、フリーランスWebディレクターの年収目安です。
・Webディレクター(実務経験1年未満 )の年収:360万円(30万円/月)
・Webディレクター(実務経験1年~2年)の年収:456万円(38万円/月)
・Webディレクター(実務経験2年~3年)の年収:564万円(47万円/月)
・Webディレクター(実務経験3年~5年)の年収:660万円(55万円/月)
・Webディレクター(実務経験5年以上 )の年収:696万円(58万円/月)
※上記の金額は目安であり、実際の支払額はご自身の経験やスキルなどにより変動することにご注意ください。
関連記事:Webディレクターの年収相場は高い?収入を上げる方法も解説!
3. Webディレクターの求人・案件について
Webディレクターの求人・案件は、Web系の企業以外にも幅広く展開されています。認知拡大のためにマーケティングに力を入れるメーカーや、ECサイトの拡充を図る小売業など多種多様です。
Webディレクターの求人
転職サイトに掲載されている求人を見てみると、提示されている年収は300万~1200万円までピンキリ。年収を上げたい場合は、単純な実務経験年数よりも、SEOや広告運用など、プラスαのスキルを身につける必要があります。
未経験でWebディレクターになる場合は、制作会社からスタートするケースが多く、年収は300万~350万円程度が目安。進行管理がメインになるので、特筆したスキルは不要ですが、コミュニケーション力などを重視されることが多いでしょう。
Webディレクターの案件
フリーランスとして請けられる案件は基本的に実務経験者のみ。フリーランス案件と正社員募集で、求められる要件に大きな違いはありませんが、未経験が請けられる案件はないと考えたほうがよいでしょう。案件単価の相場は月額40万円~75万円程度です。
Webディレクターの案件単価については以下の記事で詳しく説明しています。フリーランスを検討している方はチェックしてみてください。
関連記事:Webディレクターの単価はどれくらい?単価を上げる方法も解説!
4. Webディレクターに必要なスキル
Webディレクターは、プロジェクトや業界によって役割がさまざま。求められるスキルは会社によってさまざまですが、ベーシックなスキルは以下の通りです。基本的には案件を経験しながら磨いていくものなので、未経験の場合はこれらのスキルを身につける素養がありそうかを確認してみてください。
進行管理スキル
Webディレクターは、他のスタッフをまとめる進行管理のスキルが欠かせません。クライアントの要望に沿って、スケジュール通りにプロジェクトを進行させることも必要ですが、途中で発生するトラブルを見越して、余裕を持ったスケジューリングをすることも大切です。
スケジュールの遅れを管理しつつ、約束された納期に間に合わせるという進行管理能力は、Webディレクターの腕の見せどころともいえるでしょう。タスクやスケジュールの管理が得意であれば、Webディレクター未経験でも素養があるといえます。
コミュニケーションスキル
Webディレクターは多くの人と関わる仕事ですので、コミュニケーション力は欠かせないスキル。チーム内で意見を言いやすい環境作りをすることで、プロジェクトを円滑に進めることができます。
また、クライアントからのヒアリングを受け、各部門との折衝を受け持つなど、常に誰かとやりとりをする必要があり、リーダーシップを取りつつ相手を説得する力が求められます。営業として顧客や社内関係者と調整した経験があれば役立つでしょう。
最低限のWeb制作スキル
Webディレクターは、Web制作の運営やディレクションが主な役割なため、直接制作に関わることはありませんが、プロジェクトチームの各部門に的確な指示を出すためには、最低限の知識と技術は必要です。
また、設計書となるワイヤーフレームの作成はWebディレクターの重要な仕事です。デザインの大枠と方向性を定め、基礎的なUIを決めるためには、Adobe XDやSketchなどの専用ツールを扱うスキルは身につけておくとよいでしょう。
以下の記事ではWebディレクターに必要な基本スキルについて詳しく解説しています。これからWebディレクターを目指す方は事前に確認してみてください。
関連記事:Webディレクターに必要な基本スキル13選!最低限身につけたいことを解説
5. Webディレクターの資格
Webディレクターとして活躍するために、必ずしも資格は必要ではありません。しかし、資格の勉強をすることで基本的な知識を身につけることができるため、未経験の場合は資格取得を目指すのもよいでしょう。参考までに、以下の資格をチェックしてみてください。
・Webディレクション試験
・Webリテラシー試験
・Webアナリスト検定
・ネットマーケティング検定
Webディレクション試験は、社団法人全日本能率連盟登録資格(通称:Web検)の認定資格です。多様なWebディレクション業務に、一定の品質を保たれるだけの指標を授ける資格で、Web制作工程管理や現状分析、サイト全体の情報構造設計など幅広い専門知識を問う内容になっています。
Webリテラシー試験もWeb検による認定資格です。Webに携わる仕事を構成するデザイナー、ディレクター、プログラマーの主要3職種の最重要知識をWebリテラシーと定義し、仕事を行う上での知識を備えているかを問います。3職種間のコミュニケーションエラーをいかになくせるかが試験の目的です。
Webアナリスト検定は、一般社団法人日本Web協会(JWA)による検定試験です。Google Analyticsをはじめとする分析ツールのアクセス解析や市場動向、さまざまなマーケティング情報を分析する知識を得られます。テキストと講習によって初心者からでもアナリストを目指すことが可能です。
ネットマーケティング検定は、株式会社サーティファイが認定する民間資格です。ネットマーケティングに関する基礎知識や方法論を学べます。Webを中心としたインターネットの拡充において、企業の売上の拡大やブランディング、顧客満足度向上などに関する最新の事例問題も出題されます。
6. Webディレクターになるには
未経験からWebディレクターになることは可能ですが、身につけるべきスキルが非常に多いので、最初はかなり苦労するでしょう。できるだけオンボーディングを丁寧にしてくれる会社を選ぶのが肝です。
Web業界のことが全く分からない場合は、スクールに通うなどして基礎知識をつけてから転職活動をするのがよいでしょう。Webの知識がなくても採用される場合はありますが、入社後に苦労するため、事前に知識をつけておくのがおすすめです。
少し遠回りになりますが、Webデザイナーやエンジニア、Web編集者などの制作現場を経験した上でWebディレクターにキャリアチェンジしていく方法もあります。すでに制作経験がある分、キャッチアップがしやすく、元の専門性を活かしたWebディレクターとして活躍できるでしょう。
7. Webディレクターに向いている人
Webディレクターに向いている人の特徴として、「客観性を持って判断できる」「イエス・ノーをはっきり言える」「コミュニケーションが得意」などが挙げられます。
Webディレクターは、クライアントの要望通りにサイトを構築することも大切ですが、プロジェクトの状況を見て負担が大きい進行になっていれば、冷静に判断してクライアントに異議を伝えるのも重要な役割です。
その際には、曖昧な表現ではなくはっきりと申し入れする必要があります。そうすることで、結果的に状況を最適化し、クライアントの要望も叶えてプロジェクトを成功に導くことができるのです。
また、さまざまな関係者と接するためには、コミュニケーション能力も欠かせません。相手が考えていることを汲み取れたり、角が立たない伝え方ができたりする人が向いているでしょう。
8. Webディレクターの需要・将来性
経済産業省のIT人材需給に関する調査によるとIT人材全体の不足数は、2030年までに約45万人にのぼるとされています。企業Webサイトの制作やECサイトの運営・最適化、自社アプリの開発は今後も増えていくと予想されるので、Webディレクターの需要も伸びていくでしょう。
Webディレクターの職務範囲が広がっていることからも、今後益々「何でも屋」としてのWebディレクターが求められると考えられます。Webディレクターの将来性については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
関連記事:Webディレクターに将来性はある?市場価値の高い人材になる方法を解説
9. Webディレクターのキャリアパス
Webディレクターのキャリアパスは選択肢が豊富。エンジニア・マーケター・Webデザイナー・編集者(コンテンツディレクター)などさまざまな方向にキャリアを伸ばしていくことができます。
また、より上流の職種であるWebプロデューサーになる選択肢も。Webプロデューサーはプロジェクト全体の責任者であり、企画や戦略設計、予算管理など、さらに裁量が広がります。
Webディレクターのキャリアパスについては以下の記事で詳しく説明しているので、参考にしてみてください。
関連記事:Webディレクターのキャリアパスを解説!スキルを活かしてキャリアアップしよう
10.フリーランスのWebディレクターとして働くには
フリーランスのWebディレクターには、何よりも経験が求められるため、未経験にはハードルが高いでしょう。まずは制作会社などで経験を積み、スキルを積んでから独立を目指すのがおすすめです。
ゆくゆくフリーランスとして独立することを考えているなら、企業に勤めているうちに人脈を作っておきましょう。案件が終了した後も、取引先と定期的に連絡をとるなどしてゆるい繋がりを残しておくのが人脈作りのコツです。
またフリーランスとして活動をする際には、専門のエージェントを使う方法もあります。営業を代行してもらえるため、案件の受注や報酬に関しての不安も軽減できるのがメリット。フリーランスデビューの際には利用するとよいでしょう。
フリーランスのWebディレクターになるメリットや働き方、案件を獲得する方法は以下の記事で紹介しています。参考にしてみてください。
関連記事:フリーランスのWebディレクターはどうやって稼ぐ?案件獲得の方法は?
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