【イラストレーター向け】ゲーム会社に参画するためのポートフォリオの作り方

【イラストレーター向け】ゲーム会社に参画するためのポートフォリオの作り方

イラストレーター・キャラクターデザイナーとして活動する人なら、誰もが作成経験のあるポートフォリオ。転職活動はもちろん、フリーランスの求人・案件応募の際には必ず必要になるものです。自分のスキルや経験をアピールできるポートフォリオですが、企業側の担当者がどこに注目しているかよくわからないという方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、レバテッククリエイター営業・粕谷里紗が、「ポートフォリオの反応がイマイチ」「希望する求人・案件に参画できない」といったイラストレーター・キャラクターデザイナーをはじめ、これから活躍したいと考えている実務未経験者の方に向けてポートフォリオの作り方を紹介します。
 

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目次

プロが教える!ポートフォリオの作り方


レバテッククリエイター営業・粕谷 里紗(かすや りさ)
年間約1000件 のポートフォリオをチェックしているレバテッククリエイターの営業。企業からの求人・案件収集やクリエイターとの商談を通じて、クリエイターが希望するプロジェクトに参画する架け橋となるべく日々業務に励んでいる。

ポートフォリオの役割を正しく理解する

ポートフォリオは自分のスキルと経験をアピールする道具

イラストレーター・キャラクターデザイナーにとって、ポートフォリオは自分のスキルと経験を最大限にアピールする道具です。どんなに高いスキルや経験を持っていても、それをポートフォリオで示すことができなければ、希望するゲーム会社のプロジェクトに参画することはできません。

エージェントは提出されたポートフォリオの作品例を見て、クライアントのゲームのテイストに合わせたイラスト制作ができるか、任せたい作業が行えるだけのスキルを持っているのかを判断しています。つまり、スキルの有無はポートフォリオでほぼ100%判断されているといっても過言ではありません。

事前のスキルチェックをポートフォリオで行い、実際の商談ではポートフォリオ内の作品のどの部分を制作したのか、制作時間はどのくらいか、といった作品の詳細内容について質問されます。そのほか、商談で行われるのは参画希望者と企業のマインドが合うか、チームで作業を滞りなく行えるだけのコミュニケーション能力を持っているかの確認です。

イラストレーターやキャラクターデザイナーなどのクリエイターは、スキルや実績ありきで商談を組んでいます。そのスキルや実績を示すための手段がポートフォリオなわけですから、クリエイターにとってポートフォリオがいかに大切かは言うまでもありません。

ポートフォリオは常に最新版を提出!アップデートを怠らない

レバテックに相談にいらっしゃるゲーム系キャラクターデザイナー・イラストレーターの方の中には、一度作ったきり何年も更新していないポートフォリオを提出される方もいます。しかし、それでは現在持っているスキルを把握できず、結果的にお見送りになってしまう可能性が高いです。

せっかくスキルや経験があるのに、正しく理解してもらえないのはもったいないですよね。過去に作ったポートフォリオを使いまわそうと思っている方は、今一度ポートフォリオの重要性を再確認していただき、自身のスキルや経験を的確に伝えられるポートフォリオを制作してください。

ゲーム会社はポートフォリオのココを見ている!

幅広いジャンルのイラストが描けるか

どの企業に参画したとしても「自分の描きたい絵を自由に描ける」案件はありません。参画後は、企業がリリースするゲームのジャンルや世界観に合わせた制作物が求められます。ただイラストを描くのが上手いだけではなく「装飾品や背景など、ディティールにもこだわった描写ができているか」「各ゲームのテイストに寄せたイラストが描けるかどうか」が重要なポイントです。

デッサン力があるか

キャラクターの身体の構造、筋肉のつき方、顔の表情など、デッサンの基本的な概念を理解し、スキルを身に付けた上で制作できているかを厳しくチェックされます。デッサンが破綻していると、ゲーム会社の求人・案件への参画は難しいでしょう。デッサンに苦手意識がある方は、早い段階で一度体系的に学ぶことをおすすめします。

スピード感のある制作ができるか

ゲーム制作の現場では、スキルの高さだけでなくスピード感も重視されます。イラスト1枚あたりの制作時間はもちろん、キャラクターの表情変化など差分込みの制作時間はどのくらいか、といったところまで確認し、作業を任せられるかどうか判断しています。

イラストレーター向けポートフォリオの作り方

ポートフォリオ 作り方

ポートフォリオ作成前に押さえておきたいこと

具体的なポートフォリオの作り方を説明する前に、ポートフォリオを制作する上で最低限押さえておきたい基本的なポイントを紹介します。

制作時期、制作時間、使用ツール、作業範囲を記載する

これらは作品ごとに必ず記載しておくべき基本情報です。

  • 制作時期:過去~現在にかけてのテイストの変化や成長度合いを示すことができます。
  • 制作時間:実際の業務スピードに合わせた制作ができるかの判断材料になります。
  • 使用ツール:ツールごとのスキルアピールに繋がります。
  • 作業範囲:例えば、背景まで描き込まれている一枚絵をポートフォリオに入れていたとしても、実際に自分で担当したのは着彩のみの場合もあるはずです。作業範囲を正しく記載しておくことで、誤解を与える心配がありません。
最新の作品を入れる

たとえ高いスキルを持っていたとしても、制作してから何年も経過した作品ばかりのポートフォリオでは、ゲーム会社は現在のあなたのスキルを正しく判断することができません。直近でどんな作品を手がけてきたのかがわかるように、最新の作品を必ず入れるようにしましょう。
 
良い例を紹介します。過去に経験豊富な40代のイラストレーターの方で、自分の絵を時系列にして見せてくれた方がいました。90年代、2000年代、2010年代、そして現在と順番に並んでいて、時代ごとのトレンドを反映させたテイストで制作してきたことが伝わるポートフォリオでした。
 
どんなにスキルが高い人でも、現代のトレンドに合わせたイラストが描けなければ、案件を受注することはできません。時間がなくて新しい絵を描く時間がないという方は、昔の自分の絵をブラッシュアップして過去と現在の比較を載せる、などの工夫をするだけでも印象は違ってきます。

作品数は20ページ程度でまとめる

ポートフォリオに掲載する作品の数は、多すぎても見づらいですが、少なすぎるとスキルを正しく判断できません。後に紹介するポートフォリオの基本構成を参考にしながら、20ページ前後でまとめるとよいでしょう。ゲーム会社の求人・案件への応募の際はデータ提出が基本で、PDFやPowerPointで作成したファイルを送ります。

イラストレーター向けポートフォリオの構成内容

それでは、実際のポートフォリオの構成内容について説明したいと思います。以下の要素に当てはまる作品を含めたポートフォリオを制作できれば、ゲーム会社に自分が持っているスキルを漏れなくアピールできるはずです。

男性キャラ・女性キャラ両方の作品

 
ゲームにはさまざまなジャンルがあり、女性キャラメインの作品もあれば、男性キャラメインの作品もあります。その両方をポートフォリオに入れることで、男女どちらのキャラも描けることをアピールできるので、スキルにマッチする求人・案件の幅も広がります。
 
例えば、「私は男性キャラしか実務で描いたことがないので、乙女ゲームに参画させてください」となると、提案できる案件の数はかなり少なくなってしまいます。実務では乙女ゲームしか経験がないのであれば、ポートフォリオには自主制作で描いた女の子のイラストを作品例として載せておけば、女の子も描けることを企業に伝えられるので提案できる案件数が増えます。ポートフォリオでは、できるだけ幅広いジャンルに対応できることをアピールすることが大切なのです。
 
さらに欲を言えば、ゲームのジャンルごとに、テイストの描き分けや複数の塗り方(厚塗りやアニメ塗りなど)で制作した作品を載せられるとよりよいですね。 

モンスターや小物などの作品例


ファンタジー系などのゲームでは、モンスターや細かな装飾品などの作画を求められる場面が多くあります。ファンタジーは現実とは異なった想像力が求められる世界なので、小物などのイラストを描いた際は資料元を一緒に記載すると尚よいですね。 

オリジナルキャラクターの作成+簡単な設定資料+図解


ただイラストを描くのではなく、オリジナルキャラクターを制作して名前や性格、服装、特技、長所短所などを細かく設定することで、実際のゲームキャラクターとして使われている場面を想像しやすくなります。
 
ゲーム制作の現場、特にスマホゲームにおいては、詳細な仕様書がない状態でキャラクター設定を依頼される場合もあります。そういったラフな依頼に対しても柔軟に対応できる人材であると判断してもらうには、これらの資料をポートフォリオに盛り込むのはおすすめです。

実務制作、オリジナル制作、二次創作でカテゴライズした作品

実務制作以外の、オリジナルや二次創作作品を入れることは必須ではありませんが、これらをきちんと分けて掲載することで、「業務で求められるイラスト」、「自分が好んで描くイラスト」、「既存作品の世界観に寄せたイラスト」を見せられるので、描けるイラストの対応域の広さをアピールできます。また、実務以外でもイラストを描いている=熱意がある、というポジティブなイメージを与えることもできます。
 
「スキルがあることが前提ではありますが、やはりイラストを描くのが好きな、熱意のある人の方が希望するプロジェクトに参画しやすいと思います。自主的に制作を行っていることをアピールできれば、実際の業務に入ったとき、制作するゲームのテイストのキャッチアップも主体的に行っていける人だと判断されやすいためです。
 
また、実務未経験の方でも、着彩方法などに幅を持たせた『オリジナル作品』と様々なジャンルの『二次創作作品』をポートフォリオに掲載してスキルをアピールしたことで、参画につながった方もいらっしゃいます。最終的には実力ありきなので、ポートフォリオでしっかり自分のスキルを示すことができれば、実務未経験でもゲーム会社の案件受注のチャンスは十分にあります。

三面図や複数のアングルから描いた作品

最近のゲーム業界では3Dゲームの制作案件が多くなっており、3Dゲームは2Dで三面図を起してからモデリングするため、三面図が描ける人材の需要が高くなっています。また、右向き左向き、俯瞰といった複数のアングルを入れることで、人体の構造を的確に捉える力を持っていることが示せます。
 
三面図の作成スキルは、ここ最近のソーシャルゲーム案件で特に求められていますね。このスキルがあれば、ゲームの設計画を担当する案件にもチャレンジできます。キャラクターのアングルにしても、例えば右を向いているキャラクターばかりが載っていると、「左向きを描くのが苦手なのかな?」と受け取られかねません。そういった得手不得手は、ポートフォリオを見るだけで結構バレてしまうんですよ。だから、アングルも複数入れておいた方が、任せられる作業の幅が広い人材だと判断されやすくなります。

 背景込みの一枚絵


キャラクターのイラストだけでなく、背景も担当できる人材であることを示せます。背景は細かな描き込みに加え、着彩方法がキャラクターと異なる場合が多いので、着彩スキルの幅を伝えるためにも、背景込みの作品例も入れた方がよいでしょう。

ラフ、線画、着彩、レタッチと、工程ごとに分けた作品

現在は分業制で作業を進めているゲーム会社も多く、ラフ担当の人はずっとラフを、着彩担当の人はずっと着彩を行うという場合も少なくありません。イラストレーターというくくりで人材を募集していても、どの作業ができる人を求めているかは求人・案件によって異なります。幅広い作業ができることを示すのに、工程ごとの作品を入れるのは効果的です。
 
大手ゲーム会社など大規模な現場になるほど、分業制で作業を進めることが多いです。最初から最後までひとりで作業することしかできない人だと、チームでの制作に適応できないと判断される可能性があります。

差分イラスト


ゲームキャラクターの場合、ひとつのキャラクターに対して様々な差分イラストが求められます。差分とはイラストの変更前と変更後の違いのことで、等身の高いものと等身の低いもの、喜怒哀楽の表情の変化、進化イラストなどがそれに含まれます。差分イラストは制作時間とセットでチェックされますので、差分込みの制作時間も記載するようにしましょう。

ゲームジャンル別!ポートフォリオで求められるスキル

ポートフォリオでは幅広いジャンルに対応できることを示すことが大切ですが、特定のゲームジャンルにチャレンジしたい人も多いのではないでしょうか。ここでは、これまで数多くのゲーム会社とクリエイターをマッチングさせてきたレバテッククリエイターの実績から、各ゲームジャンルで求められるスキルやテイストについて解説します。

【乙女系ゲーム】目が命!身体の構造を的確に捉えるデッサン力も必要

とある乙女ゲームを制作している会社では、イラストを見るときに特に「目」を重要視しているとおっしゃっていました。ゲームのターゲットユーザーである女性に、キャラクターを見てドキドキワクワクしてもらうには、目で感情を訴える必要があると考えているからです。また、ユーザーにこのキャラクターに抱きしめられたい!」と思ってもらうことも乙女ゲームでは重要なので、身体の構造を正しく理解しているかも厳しくチェックされます。

【ファンタジー系ゲーム】武器や衣装、装飾品を美しくデザインする力

ファンタジー系ゲームでは、武器や衣装、装飾品などが細かく描ける人は評価が高い印象があります。ファンタジーゲームの制作では想像力が求められるので、どんな資料をもとに装飾品のデザインを考えているのかゲーム会社側から質問されることもあります。

【アイドル系・萌系ゲーム】コンセプトを感じる可愛い女の子を描く力。着彩はギャルゲ塗り

アイドル系・萌系ゲームに関しては、コンセプトが感じられる可愛い女の子を描けるかどうかが大切ですね。オリジナル作品をポートフォリオに入れる際は、年齢や性格、ファッション、イメージカラーなどキャラクターそれぞれに個性が感じられるよう、設定から考えてみるといいと思います。また、アイドル系・萌系はギャルゲ塗りが基本なので、ギャルゲ塗りができることを作品例で示せると尚よいですね。

【アバター系ゲーム】キャラクターの特徴を押さえたデフォルメ力と、洋服や小物のデザイン力

アバターゲームでは2.5~4頭身のデフォルメキャラクターの制作が求められます。そのため、頭身の低いイラストでも身体のバランスを正しく捉える力が必要です。また、着せ替えなどが行えるゲームが多いので、幅広い洋服や小物のデザインができるかもチェックされますね。ゲームによっては高い頭身のキャラクターをSD化(スーパーデフォルメ)する場合があるので、SD化してもキャラの特徴を表現できるスキルを示せると評価されやすいです。

ポートフォリオ作成のお悩みQ&A

ここからはポートフォリオ作成時によくある悩みをQ&A形式で解消していきます。ぜひポートフォリオ作成時の参考にしてみてください。

Q.ポートフォリオに載せるイラストは何枚必要?ページ数の目安は?

最低でも10枚は用意しましょう。少なすぎるとスキルの判断ができなくなってしまいます。ページ数は20ページを目安に作成し、男女・モンスター・背景込みなどバラエティに富んでいるのが望ましいです。

Q.データでポートフォリオを送る場合はどの形式が最適?

データで送る場合は、PDFで用意するようにしましょう。PDFはレイアウトが崩れにくく、どんな環境でも開けるのがメリットです。メールで送付する場合はデータが重すぎないか確認しましょう。一般的には2~3MBが基準とされているので、超える場合は圧縮してから送付しましょう。

Q.ポートフォリオを持ち込む際は紙とデータどちらがよい?

PC・タブレット・紙、どれでもOKです。自分が説明しやすい方法を選んでください。なお、データで持ち込む場合は事前にダウンロードしておき、すぐに見せられる状態にしておきましょう。

Q.ポートフォリオに表紙は必要?

ポートフォリオに表紙は必要です。表紙は一番最初に目にする部分ですので、自分の強みやスキルがアピールできるものが望ましいといえます。表紙だけで合否が決まるものではありませんが、時間をかけて損はないでしょう。

Q.ポートフォリオに二次創作を入れても大丈夫?

ポートフォリオに二次創作絵を入れても大丈夫です。ただし、二次創作絵のみだとオリジナル制作ができないと思われかねないので、バランスよく入れるようにしましょう。大事なのは、あなたが持っているスキルを適切にアピールできることです。

まとめ

今回は転職活動中の人やゲーム会社の求人・案件に応募する人が、ポートフォリオ制作時に知っておきたい基本的なポイントを中心に紹介しました。これからポートフォリオを制作する人、今あるポートフォリオを更新したい人は、この記事で紹介した作り方を参考にしてみてください。

イラスト引用元:ジュエルセイバーFREE

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