個人事業主を目指すWebデザイナーが早めにやっておくべき17のこと

個人事業主を目指すWebデザイナーが早めにやっておくべき17のこと

個人事業主としての独立が成功するかは、事前準備次第で大きく左右されるといっても過言ではありません。後からやっておけばよかった…と後悔するより、早めにやっておいてよかったと言えるように、開業前にひとつひとつ準備をしておくことが大切です。

本記事では、個人事業主として独立や起業を目指すWebデザイナーが早めにやっておくべき17のことをまとめました。クリエイター全般に共通することもあるので、Webデザイナーに限らず、独立・起業を考えているクリエイターはぜひ参考にしてください!


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目次

退職前に準備しておくこと

1.毎月の出費を把握する

開業してすぐに仕事が得られる保証はないので、しばらく仕事がなくても生活できるだけの貯金を蓄えておく必要があります。どれくらい貯金が必要なのかを把握するために、家賃・水道光熱費・通信費・食費など毎月の出費を見直しておきましょう。

2.当面の生活費用を蓄えておく

雇用保険(失業保険)を頼ろうと思っている方もいるかもしれませんが、正当な理由のない自己都合退職の場合は待期期間が2ヶ月ありますので、すぐに受給できるわけではありません。また雇用保険の基本手当日額は賃金日額(退職前6ヶ月の給与総額÷180)の45~80%ですので、生活水準を下げないためには、ある程度貯金が必要といえます。

参考:ハローワークインターネットサービス|よくあるご質問(雇用保険について)
参考:厚生労働省|賃金日額の改正前後の金額について-20200801変更(説明資料)

3.キャリアやスキルを整理する

個人事業主はいわば自分自身が商品のようなものです。需要と供給がマッチしていれなければ仕事にならないので、個人事業主として生き残るためには自分の武器や強みを知り、需要がある場所で自分を売り込む必要があります。

自分はクライアントに何が提供できるのか、他のWebデザイナーにはない強みは何なのかを知るために、これまでのキャリアや持っているスキル、培ってきた経験を整理しましょう。その過程で、自分がWebデザイナーとして武器にできるものが見えてくると思います。

また、退職前にキャリアやスキルを整理しておけば、独立に向けて在職中に自分が何をすべきかが見えてきます。個人事業主として仕事を得るにはまだアピール材料が足りないと思うなら、資格を取得したり、実績を作ったり、退職前にできることがあるはずです。

4. 事業計画を立てる

独立開業したものの、なかなか仕事が得られず、再就職せざるを得なくなった…とならないように、退職する前に事業計画を立てておきましょう。個人事業主として生活するためには、自分のキャリアやスキルをふまえ、どの分野なら自分の強みを発揮できるのか、そして収入につながるのかを考える必要があります。

5. クレジットカードを作っておく

一般的に個人事業主はクレジットカードの審査に通りにくいとされています。収入が不安定で、社会的な信用度が低いため、新しくクレジットカードが作るのが難しくなるのです。

個人事業主でも作れるクレジットカードもありますが、退職後では使いたいクレジットカードを作れない可能性があるので、退職前に作っておいた方がよいでしょう。

6. ローンについて考える

見落としがちなポイントですが、個人事業主になるとローンが組みにくくなる点にも注意しましょう。住宅ローンや車のローンなど、大きな買い物をする場合は、退職前にローンを組んでおくのがおすすめです。

ただし、無理してローンを組むと支払いが厳しくなってしまう場合も。そうならないように、しっかりと出費を見直したり、事業計画を作成したり、先々のプランについて考えておく必要があります。

退職後(開業前) にやるべきこと

7. 国民年金への切り替え

退職したら厚生年金から国民年金へ切り替える手続きが必要です。期限は退職した日から14日以内となっていますので、退職後は早めに手続きをしておきましょう。

手続きはお住まいの市区町村役場の窓口で受け付けています。手続きには年金手帳、離職票・退職証明書退職など日の日付が分かるもの、印鑑、身分証明書が必要です。
 
離職票は勤めていた会社から1〜2週間ほどで自宅に届きます。2週間経っても届かない場合は手続きや配送のミスが起こっている可能性があるので、早めに確認しておきましょう。 

参考:日本年金機構|国民年金に加入するための手続き

8. 国民健康保健への切り替え

退職したら会社の保険を任意継続するか、国民健康保険に切り替えるかを選びます。任意継続は2年間という制限付きですが、一旦国民健康保険に切り替えたら戻ることはできないので、よく考えて選ばなければなりません。任意継続の手続きは退職後20日以内となっているので、早めに決めて手続きをしましょう。

国民健康保険の手続きは、国民年金と同じく市区町村役場の窓口で受け付けています。必要な書類は健康保険資格喪失書、印鑑、身分証明書です。

参考:【資格】会社を辞めたので、国民健康保険の加入手続きをしたいのですが|江戸川区ホームページ

9. 開業届・青色申告承認申請書を税務署に提出する

個人事業主として開業するにあたり、取り立てて難しい手続きは必要なく、「開業届」に必要事項を記入して税務署に提出すれば開業できます。正式名書は「個人事業の開業・廃業等届出書」で、税務署に行けばもらえますし、国税庁のサイトからもダウンロード可能です。屋号はあってもなくても構いません。

画像引用元:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続 / 国税庁
 
青色申告書で確定申告をしたい方は、「開業届」と一緒に「青色申告承認申請書」を提出しておきましょう。「青色申告承認申請書」を提出しない場合は、自動的に白色申告書での確定申告となります。青色申告には最大65万円の控除が受けられる、赤字を3年間繰り越せるという大きなメリットがありますので、節税を意識するなら青色申告での確定申告がおすすめです。

10. ポートフォリオサイトを作る

退職前に済ませておいた方が望ましいですが、在職中は忙しくて時間を取れない方も多いでしょう。フリーのWebデザイナーにとってポートフォリオサイトは自分を売り込む材料となりますので、退職して時間ができたら早めに作ることをおすすめします。

ポートフォリオサイト経由でWebデザイン案件の問い合わせがくることもあるので、丁寧に作りこんでおきましょう。ポートフォリオサイト制作は以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:おしゃれなポートフォリオサイトのおすすめ20選!参考にしてかっこよく作ろう
関連記事:ポートフォリオ作成ツールのおすすめ5選!作り方のコツも紹介!

11. 備品を用意する

作業環境なら仕事机、オフィスチェア、実務関係ならソフトウェアやアプリなど、フリーランスとして仕事をするには何が必要なのかをリストアップし、必要な備品を用意しましょう。
 
とくに、デザイナーは長時間座って作業することが多いので、高機能なオフィスチェアの購入も考えたいところです。
椅子が合わないと、肩こりや背中の痛みを招いて作業効率を落としたり、健康を害してしまったりしやすくなります。

多少高価であっても、先行投資と考えて自分にあった椅子を選ぶのがおすすめです。

12. 単価設定を考える

最初の単価設定はそれ以降の仕事に大きく影響しますので、本格的に営業活動をはじめる前にじっくり検討しましょう。単価設定は安すぎても高すぎても問題があります。安すぎる価格を設定した場合、仕事は得やすくなりますが、利益が下がってしまいますよね。

また、はじめに低価格で引き受けると、継続取引になったときの値上げ交渉も難しいですし、他のクライアントを紹介してもらうときも安い単価で引き受けざるを得ないという悪循環に陥ってしまいます。こうなると、働けども働けども生活が苦しいという状況に。
 
一方で実力より遥かに高い金額を設定しても依頼が来ないので、自分の仕事の価値とのバランスを考えて単価設定をしなければなりません。適正な単価を考えるには、先に紹介したキャリア・スキルの整理が必要です。Webデザイン案件の単価については以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:Webデザイナー案件の単価相場はいくら?請け方のポイントも解説

自分の単価相場を確認してみたいという方は、以下のページで確認ができます。

単価相場算出ページへ

※相場算出に個人情報の取得はおこないません。
 

開業後にやること

13. 事業用の銀行口座を作る

開業届けを提出したら、事業用の銀行口座を作りましょう。普段使っている口座を兼用することもできますが、プライベート用と事業用のお金を区別して管理するには、事業用の銀行口座を作っておいた方が便利です。

兼用にしてしまうとプライベートでの出費の引き落としや入出金が混じるので、経費が管理しにくいというデメリットも。屋号付きの銀行口座を作ることもできるので、開業届に屋号を書いて提出した方は、屋号付きで開設するのがよいでしょう。

14. 事業用のメールアドレスを作る

銀行口座と同じようにメールアドレスを兼用にすると、プライベートと事業のメールの整理がしにくくなるので、新しく事業用のメールアドレスを作ることをおすすめします。後から作るとメールアドレス変更をお知らせするのが手間になるので、開業してすぐに作っておく方がよいでしょう。

屋号を使っている方は、事業用のメールアドレスに屋号を取り入れてみるのもよいかと思います。 

15. 名刺を作る

個人事業主にとって名刺は自分を売り込むために必要なツールです。デザイナーなら名刺のデザイン自体がアピール材料となるので、こだわって作っておきましょう。「名刺交換したけどあの人はどんな仕事をしている人だっけ?」と思われないためにも、業種や提供サービスは最低限名刺に盛り込んでおきたいところです。
 
どんなデザインにするか悩んだときは、名刺デザインのギャラリーサイトを参考にしてみてください。

画像引用元:Business Card Design Inspiration

16. 印鑑を作る

最近はクラウドサインなど、電子印鑑で対応できることも増えてきましたが、まだまだ印鑑が必要になる場面は残っています。

プライベート用の印鑑でも通用しますが、できれば事業用の印鑑を作っておいた方がよいでしょう。認印・実印・屋号印・銀行員・角印・住所印など、一通りあると安心です。 

17. 人脈を作る

個人事業主にとって人脈作りはとても重要なこと。仕事も情報も人を通してやってくるので、自分から人脈を作るよう動いていきましょう。

個人事業主が人脈を作る方法は、SNS・ブログ・勉強会・交流会・セミナーの参加などです。そうした交流を通じて、仕事の依頼や紹介が来ることは少なくありません。積極的に参加して名刺を交換しておきましょう。
 
また、自分ひとりではこなせない案件の相談を受けたときや、専門外の知識が必要になったときにもこうした人脈は威力を発揮します。ひとりでは受けられなかった仕事も、個人事業主仲間でチームを組むことで受けられるようになるかもしれません。反対に、あなたが他のフリーランスから手助けを求められることもあるでしょう。

関連記事:人脈はフリーランスの武器になる!人脈作りのコツを解説

まとめ

準備不足のまま、勢いだけで独立してしまうとその後の生活が苦しくなってしまうかもしれません。独立を本気で検討しているのなら、本記事の内容を参考にして、しっかり準備を整えてください。

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