アニメーターのポートフォリオを作る際のポイントは?構成や注意点も紹介

アニメーターのポートフォリオを作る際のポイントは?構成や注意点も紹介
アニメーター志望者の中には、完成度の高いポートフォリオの作成を目指している人も多いでしょう。本記事では、アニメーター志望者がポートフォリオを作る際のポイントを紹介します。画力アップの方法も併せて解説するので、ぜひご覧ください。

目次

アニメーター志望者は注目!高レベルのポートフォリオを作る方法

「どのようなポートフォリオを作ればアニメ制作に起用してもらえるのか…」アニメーター志望者にとっては悩みどころです。ここでは、「レベルの高いポートフォリオを作る目安」となる要素をピックアップして紹介します。

アニメーターにとって重要な「線画」をアピールする

アニメーターが就職・転職活動時にアピールすべきスキルは、線画を描く力です。線画とは、色を塗らずに下書きとペン入れで描く絵を指します。

選考担当者は応募者の基礎スキル(線にメリハリをつけて絵を魅力的に見せる技能)を、線画で判断する傾向にあります。絵を色で塗りつぶすと、応募者の素の画力が分かりにくくなるためです。

色を塗った作品はあくまでも「アクセント」として掲載するに留め、線画を中心に見てもらえるポートフォリオ構成にしましょう。

ソコンで加工しすぎないようにする

絵に色を塗るのはもちろん、パソコンによる加工のしすぎにも注意が必要です。理由は上で述べたとおりで、選考担当者はアニメーターに「素の画力」を求める傾向があるためです。

ポートフォリオにはデッサンやクロッキーなど、生の線を活かした作品をバランスよく配置しましょう。

色鉛筆などで彩色した作品も入れる

過度な塗りつぶしや加工は避けたいですが、簡単に彩色した作品はポートフォリオのアクセントになる可能性があります。ただし、カラー作品の場合も色鉛筆や水彩調など、本人の画力が判別しやすい着色方法が適しています。

自分の個性を表現した作品を提示する

アニメーターのポートフォリオでは、個性が評価されることもあります。応募する企業が求めるスキルや画風の作品とともに、「このような絵も描けます」と自分の個性をアピールするのもよい試みでしょう。

選考担当者が見るのは、応募者の画力だけではありません。ともに働く仲間を募る以上、一人ひとりの個性も知ろうとします。選考担当者の好みが同じだった場合、面接や商談時に話が弾む可能性もありますよ。

作品にバリエーションを持たせる

起用後に多くの作業を任せてもらうためには、ポートフォリオに掲載する作品にバリエーションを持たせることも大切。たとえば、「人物」以外に動植物や日用品、機械を描いた作品も載せるなどです。

同じ人物でも全身やバストアップ、横顔など、さまざまなアングルから描けば構図のバリエーションが出せます。また、人物の年齢や表情も幅広く描けば、「私はこんなに描き分けできる」というアピールにつながるでしょう。

アニメーターのポートフォリオサイトの作り方

アニメーターのポートフォリオは、Webサイト形式(ポートフォリオサイト)で作るのがよいとされます。ポートフォリオサイトの作り方も把握しておきましょう。

Webサイト形式でアニメーターのポートフォリオを作る

アニメーターのポートフォリオは近年、Webサイト形式で作成することが多くなりました。応募時にオンラインでのやりとりが増加していることに加え、SNSと連携して閲覧するケースもあるためです。

アニメーターのポートフォリオ作成にはアニメ制作ソフトを活用

アニメーターのポートフォリオ作成には、アニメ制作ソフトを活用するのがよいでしょう。アニメ制作ソフトには素材やテンプレートが揃っているため、自分で1からサイトを作る時間が省けます。

アニメーターのポートフォリオの構成

選考担当者に自分のスキルや個性をアピールするにあたっては、ポートフォリオの構成を工夫することも重要です。以下に、アニメーターのポートフォリオの構成例を紹介します。

表紙・扉・目次

作品を並べるだけでなく、表紙や扉、目次などを設けて「作品集」としての体裁を整えます

プロフィール

作品を掲載する前に、自分のプロフィールページを設けます。履歴書には書かない自己PRや自画像などを入れてもよいでしょう。

40〜50ページ程度の作品

作品数は、40~50ページに収まる程度に。選考担当者は大勢の応募者のポートフォリオをチェックするため、5分程度で目を通せる量にします。

作品の種類は模写やデッサン、スケッチなど。各作品には、使用したソフトや画材、制作時間などの情報を添えましょう。作品に応じて大きく載せたり、逆に小さく複数掲載したり、レイアウトにも気を配るのがポイントです。

提出先にお礼を伝えるための最終ページ

最終ページでは、提出先の相手にお礼を伝えます。「ありがとうございました」のような簡単なあいさつで構いません。

アニメーターのポートフォリオ作成時に注意する点

上記を踏まえて、アニメーターのポートフォリオ作成時には以下の点に留意しましょう。

ポートフォリオの目的を理解してから作成に取りかかる

やみくもに作品数を増やすのではなく、「なぜポートフォリオを作るのか」を理解してから作成に取りかかりましょう。企業により、応募者に求めるスキル・画風も異なるためです。

ポートフォリオの一番の目的は、選考担当者に自身のスキルを証明すること。その目的を踏まえれば、作品の選び方、レイアウトなども決めやすくなります。

またポートフォリオには、他の応募者と差別化を図る目的もあります。スキルが似通った応募者が何人もいたら、起用される確率が上がるのはポートフォリオの質が高い人になると考えられます。

ポートフォリオに掲載する作品は「今すぐ」制作開始する

応募はまだ先だったとしても、ポートフォリオに掲載できるレベルの作品は今から制作しておくのが無難です。忙しいからといってポートフォリオ用の作品制作を先延ばしにしていると、応募時期に間に合わなくなる恐れもあります。

デジタルで制作する人は、学校の機材がないと作業できないこともあるでしょう。そのようなときは、制作プランを立てたり、作品のコンセプトを練ったりと、機材がなくてもできることから始めるのが得策です。

完成度の高い作品をポートフォリオ前半に持ってくる

ポートフォリオは作品の順番も重要です。完成度の高い作品や自分がアピールしたいスキルで描かれた絵を先に持ってきましょう。

「アニメーターのポートフォリオの構成」で述べたように、選考担当者は多くの応募者の作品を見なければなりません。最初に重要度の高い作品を配置した方が、より相手の目に留まりやすくなると考えられます。

応募する企業ごとにポートフォリオを作成する

ポートフォリオの構成と掲載作品は、応募する企業ごとに変えるのが基本です。

応募先が求めていない作風、好まない描写でいくらアピールしても、高評価につながらない恐れがあります。応募する前には、相手がアニメーターに何を求めているかをよく研究することが大切です。

なお、企業によっては、オリジナルだけでなく二次創作を歓迎しているケースもあります。そのような企業の場合は、二次創作を積極的にポートフォリオに組み込むのもアリです。

応募前にポートフォリオを人に見せ、アドバイスをもらう

他者の客観的な意見をもらうことは、質の高いポートフォリオ作成には有効です。「まだ上手じゃないから見せたくない…」という人も、勇気を出して他者に見せてみましょう。

一所懸命描いた自分の作品への自己評価は、どうしても甘くなりがち。自分では気づかなかった(あえて見ないようにしていた)短所をはっきりと指摘してもらうことで、作品の改善点が明確になります。

選考担当者の目に留まるべく、さらなる画力アップを図るには

選考担当者を唸らせるレベルのポートフォリオを作成するには、日頃の努力が欠かせません。アニメーター志望者は、次の方法でさらなる画力アップを目指してください。

実物をスケッチする

画力アップの基礎練習には、実物(人物、街並み、動物、食べ物など)のスケッチが有効です。実物の模倣を繰り返すことで、他者から見て違和感のない絵が描けるようになります。

他のクリエイターの絵やアニメ作品を模写する

模倣するという点では、他のクリエイターの絵や既存のアニメ作品を模写するのも効果的です。アニメーター志望者なら特に、アニメの1場面を模写するのが良いでしょう。どのような絵が実際のアニメに使われているかが分かります。

描くのが苦手なものを集中的に練習する

描くのが苦手なものがある人は、それを集中的に練習しましょう。プロのアニメーターを目指すなら、どんなものでも描けるスキルを持つ必要があります。

苦手なものと向き合うときは、ただなんとなく描くのではなく、構造や立体感を特に意識して筆を進めるのがポイントです。上述したスケッチや模写による練習も、苦手克服の助けになります。

アニメの資料や漫画などをたくさん見る

アニメの資料や漫画をたくさん見ることも、アニメーターの糧となります。「商業的に成功している作品の画力がどの程度なのか」「この作家の絵の何が優れているのか」といった観点で鑑賞し、自分の作品制作に活かせる点を探っていきましょう。

まとめ

アニメーターのポートフォリオでは、色づけや加工が少ない線画が重視されます。「pixiv」でポートフォリオを公開している人もいるので、参考にしてみましょう。

なお、アニメーターにはフリーランスも多くいます。レバテッククリエイターでは、希望者を対象に個別相談会を実施。興味がある人はぜひご覧ください。

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