イラストレーターがフリーランスを目指すときに気になる、会社勤めとの違い。収入や働き方など、何が違うのか気になりますよね。そこで今回は、フリーランスを目指して準備できることや得ておきたい知識、仕事を獲得する方法もまとめました。
大きい案件の仕事をしたとしても、毎月の給与は一定。ボーナスや臨時報酬として受け取れる場合はありますが、必ずしも成果や労働量に見合った対価が支払われるとは限りません。安定しているというメリットはありますが、実力がある人にとっては正当ではないと感じることがあるでしょう。
一方、フリーランスのイラストレーターは、毎月働いた分を「報酬」という形で受け取ります。報酬とは労働やモノを提供した見返りを指すので、頑張った分だけ収入は増えますが、逆も然りです。
フリーランスは自分で単価を設定し、どれだけ稼働するかも自分次第。そのため、仕事の取り方によっては月額の報酬が通常の何倍にもなることがあります。この点は会社勤めのイラストレーターとの大きな違いでしょう。裏を返せば、病気やトラブルで無収入になる可能性もあり、収入が不安定という点には注意が必要です。
一方フリーランスは自分で確定申告を行い、納税や還付の手続きを自身で行うのが必須。青色申告、白色申告の違いや所得税の控除など、さまざまな知識を身につけておかなければ損をしてしまいますし、場合によっては納税漏れにリスクも。
毎月の収入が増えても、税金や保険を払ったら実質の手取りが減ってしまうケースもあるので、収支に関しては計画的に見ておく必要があります。
しかし、フリーランスは待っていても仕事をくれる人はいません。自分から営業を行い、案件を獲得する必要があります。メールや電話で提案をする以外にも、積極的にSNSやポートフォリオサイトを活用して、自身の作品をアピールすることが大切です。
最初のうちは小さな案件や単価の低い案件も請けていく覚悟が必要。実績を積み上げたり、クライアントとの信用関係を築いたりしながらステップアップしていく心積もりを持っておく必要があります。
しかしフリーランスになると、コミュニケーションの機会が極端に減ってしまいます。業務委託としてイラスト制作を請け負う場合は、基本的にチャットやメールベースでのやり取りになるので、初回の打ち合わせくらいしかクライアントと話す機会もないでしょう。
もちろん一緒に仕事を進める仲間や相談できる上司もいないので、ひとりで仕事をするのが基本。孤独な環境や周囲からの刺激がないことが辛くなり、会社員に戻る人も多いようです。
また、独立後すぐに仕事が入ってくるとも限らないので、3か月~6か月ほど無収入でも生活できる貯金を用意しておくのがおすすめ。生活していくためにアルバイトばかりしている状況になっては本末転倒です。
ちなみに、フリーランスはローン審査が通りづらいため、フリーランスになってから後悔する人も多いようです。マンションや車など大きな買い物を控えている場合は、会社員のうちにローンを組んでおきましょう。
よほど稼いでおり、税理士事務所にお願いできる人を除けば、自身の報酬と税金の管理が必要事項です。加えて、クライアントに提出する請求書の発行や源泉徴収についての知識もあって損はないでしょう。
また、気を付けたいのが支払う税金は前年の給与報酬で計算をしている点です。フリーランスになったばかりで思うように収入が安定しなくても、税金の支払いは請求されます。何も知らないと支払い請求がきて慌てることになりかねません。
このような、税金や保険の知識を少しでも得ておくことで、フリーランスの生活や仕事のイメージがつきやすくなるでしょう。以下の記事では、フリーランスの保険や税金について詳しい解説しているので、確認してみてください。
関連記事:税金・保険でいくら引かれる?フリーランスの手取り年収シミュレーション
フリーランスの仕事獲得には人脈が大きなカギとなるため、独立する前に声をかけておきましょう。小さな仕事でもまずは請けてみて、信頼関係を構築することが大切。仕事をもらえそうな友人・知人とは積極的に繋がりをもっておきましょう。
人脈を作っておくことは、仕事をもらえること以外にもメリットがあります。基本的に1人で仕事をしているイラストレーターは、あまり外に行く機会がありません。そのため、業界のトレンドを聞いたり、技術的な相談ができたり、人脈が重要な情報源になることもあります。
自身のある作品を載せるのはもちろんですが、系統が偏らないように注意しましょう。幅広いジャンルに対応できると思ってもらえる方が、仕事には繋がりやすいです。ただし、いろいろ見せたいからといって作品を載せすぎるのもNG。
20ページを目安に、要点を押さえたポートフォリオ作成を心がけましょう。近年市場が伸びているゲーム会社の案件を請けたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:【イラストレーター向け】ゲーム会社に参画するためのポートフォリオの作り方
イラストレーターがフリーランスになって仕事を得るのには、人脈が大切ということは前述の通りです。しかし、案件を受注する道を複数持っておくことも、フリーランスにとっては大切。なぜなら、1つの案件がずっと続くとは限らないからです。
報酬を安定させるには、常に複数のクライアントから仕事をもらっておくことが、フリーランスならではの営業方法といえるでしょう。以下では代表的な方法を3つ紹介します。
クラウドソーシングにより、今までは接点のなかった企業と個人が契約を交わして仕事を探すことが可能になりました。ただし、クラウドソーシングサービスの案件は、初心者が副業目的で利用することが多く、低単価の案件が増えている傾向にあります。
そのため、クラウドソーシングのみで生計を立てていくような使い方は難しいでしょう。いい案件に巡り合える可能性もありますが、初めの実績作りや収入の足しにするくらいで使うのがが無難でしょう。
また、自身のブログやnote、pixivなど、有料コンテンツの提供をうまく活用することで、収益につなげることも可能です。ソーシャルメディアで名前を売ることで、案件獲得にも近づくので頑張って損はないでしょう。
また、キャリアのことや税金保険のことも相談できるので、初めてフリーランスになる人にはぴったり。不安なことがある場合は、まず登録して話をしてみるのがおすすめです。これからフリーランスになる人は検討してみてください。
イラストレーターの仕事の取り方については、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:イラストレーターの仕事の取り方を解説!営業ゼロでも仕事をもらうコツ
会社勤めのうちにできることは着手しておき、フリーランスになったときにスムーズに仕事につながるようにしていきましょう。
目次
イラストレーターのフリーランスと会社勤めの違い
フリーランスと会社員の違いを漠然と理解している方も多いと思います。しかし、いざフリーランスになったものの、思っていたのと違った…ということも。勢いで決断して後悔しないよう、しっかりと確認しておきましょう。収入の安定性
フリーランスと会社員の一番大きいな違いは、入ってくるお金に関することです。会社で働くイラストレーターは、毎月の「給与」として決まった額のお金が振り込まれます。大きい案件の仕事をしたとしても、毎月の給与は一定。ボーナスや臨時報酬として受け取れる場合はありますが、必ずしも成果や労働量に見合った対価が支払われるとは限りません。安定しているというメリットはありますが、実力がある人にとっては正当ではないと感じることがあるでしょう。
一方、フリーランスのイラストレーターは、毎月働いた分を「報酬」という形で受け取ります。報酬とは労働やモノを提供した見返りを指すので、頑張った分だけ収入は増えますが、逆も然りです。
フリーランスは自分で単価を設定し、どれだけ稼働するかも自分次第。そのため、仕事の取り方によっては月額の報酬が通常の何倍にもなることがあります。この点は会社勤めのイラストレーターとの大きな違いでしょう。裏を返せば、病気やトラブルで無収入になる可能性もあり、収入が不安定という点には注意が必要です。
税金や保険の支払い方
会社員の場合、税金や保険料は会社が支払ってくれるため、自分で確定申告をする必要がありません。また雇用保険に入ることができたり、健康保険や厚生年金を会社が半分負担してくれたりとメリットが多くあります。一方フリーランスは自分で確定申告を行い、納税や還付の手続きを自身で行うのが必須。青色申告、白色申告の違いや所得税の控除など、さまざまな知識を身につけておかなければ損をしてしまいますし、場合によっては納税漏れにリスクも。
毎月の収入が増えても、税金や保険を払ったら実質の手取りが減ってしまうケースもあるので、収支に関しては計画的に見ておく必要があります。
仕事の獲得方法
会社に所属しているイラストレーターは 、自分で仕事を得るために営業をするということはまずないでしょう。営業やディレクターが獲得してきた案件の対応をしたり、自社で制作するアニメやゲームの作画を担当します。しかし、フリーランスは待っていても仕事をくれる人はいません。自分から営業を行い、案件を獲得する必要があります。メールや電話で提案をする以外にも、積極的にSNSやポートフォリオサイトを活用して、自身の作品をアピールすることが大切です。
最初のうちは小さな案件や単価の低い案件も請けていく覚悟が必要。実績を積み上げたり、クライアントとの信用関係を築いたりしながらステップアップしていく心積もりを持っておく必要があります。
コミュニケーションが減り、孤独を感じる人も
会社勤めであれば、オフィスで顔を合わせたり、定期的に飲み会があったりと意識しなくても周囲との交流が生まれます。リモートワークが増えていますが、それでもオンラインでミーティングがあるなど、人とコミュニケーションを取る機会は多いでしょう。しかしフリーランスになると、コミュニケーションの機会が極端に減ってしまいます。業務委託としてイラスト制作を請け負う場合は、基本的にチャットやメールベースでのやり取りになるので、初回の打ち合わせくらいしかクライアントと話す機会もないでしょう。
もちろん一緒に仕事を進める仲間や相談できる上司もいないので、ひとりで仕事をするのが基本。孤独な環境や周囲からの刺激がないことが辛くなり、会社員に戻る人も多いようです。
イラストレーターがフリーランスになる前にしておくこと
イラストレーターがフリーランスになる前に、今のうちにしておいた方がいいことがいくつかあります。フリーランスとして独立し、すぐに挫折しないよう、事前準備は丁寧にしておくのが望ましいです。収支の計画を見直そう
フリーランスデビューをする前に、まずは収支計画を見直しておきましょう。毎月の収入と支出をしっかり把握し、フリーランスとしていくら稼げれば生活ができるのか、目途を立てておきましょう。また、独立後すぐに仕事が入ってくるとも限らないので、3か月~6か月ほど無収入でも生活できる貯金を用意しておくのがおすすめ。生活していくためにアルバイトばかりしている状況になっては本末転倒です。
ちなみに、フリーランスはローン審査が通りづらいため、フリーランスになってから後悔する人も多いようです。マンションや車など大きな買い物を控えている場合は、会社員のうちにローンを組んでおきましょう。
税金と保険の知識を得ておくこと
フリーランスになると大変なことの1つは、お金まわりの管理を自分で行う必要があることです。開業届の提出をして、納税や確定申告を行うために帳簿を管理しなければなりません。よほど稼いでおり、税理士事務所にお願いできる人を除けば、自身の報酬と税金の管理が必要事項です。加えて、クライアントに提出する請求書の発行や源泉徴収についての知識もあって損はないでしょう。
また、気を付けたいのが支払う税金は前年の給与報酬で計算をしている点です。フリーランスになったばかりで思うように収入が安定しなくても、税金の支払いは請求されます。何も知らないと支払い請求がきて慌てることになりかねません。
このような、税金や保険の知識を少しでも得ておくことで、フリーランスの生活や仕事のイメージがつきやすくなるでしょう。以下の記事では、フリーランスの保険や税金について詳しい解説しているので、確認してみてください。
関連記事:税金・保険でいくら引かれる?フリーランスの手取り年収シミュレーション
仕事の目途を立てておこう。人脈作りも大切
フリーランス協会が発表している「フリーランス白書2021」によると、フリーランスの仕事獲得経路は「人脈(知人の紹介含む)」が最も多く、ついで「過去・現在の取引先」62.0%という結果でした。フリーランスの仕事獲得には人脈が大きなカギとなるため、独立する前に声をかけておきましょう。小さな仕事でもまずは請けてみて、信頼関係を構築することが大切。仕事をもらえそうな友人・知人とは積極的に繋がりをもっておきましょう。
人脈を作っておくことは、仕事をもらえること以外にもメリットがあります。基本的に1人で仕事をしているイラストレーターは、あまり外に行く機会がありません。そのため、業界のトレンドを聞いたり、技術的な相談ができたり、人脈が重要な情報源になることもあります。
ポートフォリオは必ず作成しよう
会社で実績を積んでいても、それを示す証拠がなければクライアントには伝わりません。これまで関わってきた仕事やプライベートで描いた作品など、公開できるものは全てきちんとまとめておきましょう。自身のある作品を載せるのはもちろんですが、系統が偏らないように注意しましょう。幅広いジャンルに対応できると思ってもらえる方が、仕事には繋がりやすいです。ただし、いろいろ見せたいからといって作品を載せすぎるのもNG。
20ページを目安に、要点を押さえたポートフォリオ作成を心がけましょう。近年市場が伸びているゲーム会社の案件を請けたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:【イラストレーター向け】ゲーム会社に参画するためのポートフォリオの作り方
イラストレーターがフリーランスになって仕事を獲得する方法
イラストレーターがフリーランスになって仕事を得るのには、人脈が大切ということは前述の通りです。しかし、案件を受注する道を複数持っておくことも、フリーランスにとっては大切。なぜなら、1つの案件がずっと続くとは限らないからです。
報酬を安定させるには、常に複数のクライアントから仕事をもらっておくことが、フリーランスならではの営業方法といえるでしょう。以下では代表的な方法を3つ紹介します。
クラウドソーシングサービスに登録をする
近年、働き方改革の流れを汲み、業務のアウトソーシング化が図られている中で、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスが増えてきました。クラウドソーシングとは、インターネットを利用して不特定多数の個人と企業がつながり、仕事の発注・受注、報酬支払いを行う仕組みです。クラウドソーシングにより、今までは接点のなかった企業と個人が契約を交わして仕事を探すことが可能になりました。ただし、クラウドソーシングサービスの案件は、初心者が副業目的で利用することが多く、低単価の案件が増えている傾向にあります。
そのため、クラウドソーシングのみで生計を立てていくような使い方は難しいでしょう。いい案件に巡り合える可能性もありますが、初めの実績作りや収入の足しにするくらいで使うのがが無難でしょう。
SNS・ブログ・ホームページで発信する
近年はSNSやWebサイトをみて仕事につながったという声も多くなってきました。自身がブログに掲載していたイラストを定期的にTwitterに投稿したり、Instagramに上げたりすることで、担当者の目に留まりやすくなっています。積極的に発信していくようにしましょう。また、自身のブログやnote、pixivなど、有料コンテンツの提供をうまく活用することで、収益につなげることも可能です。ソーシャルメディアで名前を売ることで、案件獲得にも近づくので頑張って損はないでしょう。
エージェントを活用するのもおすすめ
フリーランス専門のエージェントを利用するのも、イラストレーターが仕事獲得する1つの方法です。企業が公開していない案件を持っていることもあるので、自分では巡り合えなかった案件が見つかることもあるでしょう。また、キャリアのことや税金保険のことも相談できるので、初めてフリーランスになる人にはぴったり。不安なことがある場合は、まず登録して話をしてみるのがおすすめです。これからフリーランスになる人は検討してみてください。
イラストレーターの仕事の取り方については、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:イラストレーターの仕事の取り方を解説!営業ゼロでも仕事をもらうコツ
まとめ
イラストレーターがフリーランスを目指すためには、会社勤めとの違いを把握しておくことが大切です。報酬の違いや営業活動、自身の強みを伸ばすこと、案件獲得の準備も必要です。会社勤めのうちにできることは着手しておき、フリーランスになったときにスムーズに仕事につながるようにしていきましょう。
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