2015年10月26日

日頃のちょっとした●●で、誰でもコミュニケーション上手になれる

あの人が不機嫌なのはなぜ!?Webディレクター必見の制作スタッフのキモチ

あの人が不機嫌なのはなぜ!?Webディレクター必見の制作スタッフのキモチ

クライアント~プロジェクトチームのメンバーとの橋渡しをし、デザインやシステム各パートの担当者とコミュニケーションをとりながら的確な指示を出す、それがWebディレクターの役割。
 
Webサイト制作が成功するか否かも、Webディレクターのコミュニケーション能力にかかってくるといってもいいでしょう。
 
逆に言えば、コミュニケーションの行き違いが思わぬ失敗を招くこともあるのです。
 
そこで前回の記事「悩める新人Webディレクター必見!クライアントとのコミュニケーションの極意」と同様に今回も、『失敗しないWeb制作 プロジェクト監理のタテマエと実践』(ワークスコーポレーション)の著書もある、みどりかわえみこさんが登場。
 
制作スタッフとのトラブルを回避し、お互いが気持ちよく仕事をするためのコツなどを伺いました。
 
(みどりかわえみこさんプロフィール)
Web制作会社と企業のWeb部門を渡り歩いたのち、「情報の整理と企画」を軸に育児総合情報サイト、人材派遣会社求職サイト、旅行代理店のSNS、会員向け商品検索サービスなどを手がける。制作請負ではなく、要件定義から情報設計、制作ディレクション、運用までを見据えてプロジェクトマネジメントを行う。


~信頼関係を築くコツとは?~
対エンジニアのお作法

 

Webに機能や動きを与える、テクニカルな部分を担当するエンジニア、コーダー。
 
実装の核となる彼らとのコミュニケーションが円滑に進まないと、スケジュールが遅れたり、最終的な仕上がりに影響を与えたりする可能性もあります。
 
みどりかわさんは、注意すべき点は以下の3項目だと言います。
 
・「バグ」「仕様」「修正」など、言葉選びに敏感になる
・工程が進んでも、確認を怠らない
・難しい技術についての質問は、聞き方と人選がポイント
 
それでは、各項目をチェックしてみましょう。
 

●「バグ」「仕様」「修正」など、言葉に敏感になる

Webディレクターが正確な言葉に翻訳してあげて!

 
ある日Webディレクターのところに、クライアントから「これって、バグじゃないですか?」という連絡が来た。慌ててエンジニアに「バグが見つかったのですが、修正してもらえますか?」と伝えたら、明らかに気分を害した様子で……。
 
さて、このやりとりの一体何がいけなかったのでしょうか?
 
「まず、『バグ』や『修正』という言葉を安易に使わないこと。このケースでは、原因が解明できない段階でバグと決めてかかり、エンジニアが悪いようなニュアンスで伝えてしまっている可能性があります。さらに修正は、間違ったところを直すという意味だと受け取られてしまいます。
 
エンジニア側からすれば、全身全霊で作ったプログラムに対して軽々しくそんなことを言われたくないですよね」(みどりかわさん)
 
そのため、エンジニアには「AとBの部分が想定した動きと違うようなのですが、バグでしょうか。クライアントは修正を依頼しています」と、どこの部分にどんな現象が起きているという事実のみを伝え、バグであるかの判断と対応案を仰ぎます。
 
さらに、修正に関わる言葉で意味を混同しがちなのが以下の言葉。
 
・仕様=プログラムに求められることを定義したもの。 チェックした人の想定した動きとは違っていても、仕様通りにプログラミングされている場合、エンジニアは「それは仕様です」と告げます。仕様自体が要件とかけ離れていたり、関係者間で仕様の認識が違っていたりすると「バグだ」「いや仕様です」といったトラブルが起こります。
 
・更新=コンテンツ(テキスト、画像、その他情報)をアップデートすること。
 
・修正=誤っていた情報や動きを、あるべき状態に直すこと。
 
・改修=改善を目的に一部ないし全体の仕様を改め、作ること。リニューアルやUI、デザインの改修など。
 
これらの言葉はしっかりと使い分けるようにしましょう。あらかじめ関係者に「バグ」をはじめとした言葉の定義を共有しておくと、誤解が生まれず人間関係もギスギスしにくくなります。
 
さらに、みどりかわさんは上記のやりとりに加えて気をつけるべき点があると指摘します。
 
「クライアントの要望をスタッフに伝えるのがWebディレクターの仕事ですが、言われたことをそのまま右から左に伝えればいいというものではありません。バグに限らず、まずは一旦自分のところで受け止め、解釈することを心がけましょう。ただし、決めつけるのはNGですよ。相手に伝えるときは、受け手が理解できる言葉を選んで話すことが大切です」(みどりかわさん)

●工程が進んでも、確認を怠らない

忙しいエンジニアに確認するコツは
 

プロジェクトが進めば進むほど多忙を極め、追い詰められていくエンジニア。
 
いかに効率良く仕上げるかという部分に重点を置くようになり、仕様を自己都合で解釈してしまったり、ちょっとした使いやすさ・心地よさの演出となる部分を「これはできない」と切り捨てたりすることもあるかもしれません。そのような自体を避けるためには、適宜エンジニアの進捗状況を確認することが大切です。

でも、気難しいエンジニアには「いちいち確認するな」と怒られそうで、正直話しかけるのは気が重いというWebディレクターもいるかもしれません。この問題について、みどりかわさんは次のように指摘します。
 
「『忙しそうだから、怒られそうだから確認しない』のでは、完成時に『こんなはずじゃなかった』ということにもなりかねません。重要な要件が反映されているか、しっかりチェックしましょう。

また、話しかけるときはタイミングに注意します。誰でも、ものすごく集中している時間帯に作業を中断されたくないですよね。
 
タイミングをはかるのが難しいというのであれば、一日のうちのいつに連絡をするかを決めておいてもいいですね。朝会とか、夕会とか。
また、確認事項は事前にまとめておきましょう。どこの部分を確認したいのか、『どの機能について』なのかなど、主語をきちんと伝えること。そうすると、行き違いが少なくなります」(みどりかわさん)
 
お互いにストレスを感じなくて済む確認方法を見つけていきましょう。

 
 

●難しい技術についての質問は、聞き方と人選がポイント

質問の仕方のコツとは?

 
新しい技術や難しい技術、言語など、プロジェクトの最中に分からないことが出てきたけど、ネットで調べてもよく分からない!なんてことはありませんか? そんなときは、質問の仕方を工夫するのがコツだそう。
 
「質問できるのは新人の強み。エンジニアには『私の経験不足で分からないのですが、●●とはこういうことでしょうか?』と丁寧に質問してみましょう」(みどりかわさん)
 
また、エンジニアのなかには、人に頼られるとうれしくなったり、モチベーションが上がる人もいます。
 
そういったタイプの人と日頃から信頼関係を築いておき、技術について勉強させてもらう方法もあります。

 
 

「いい仕事をする!」というプロの姿勢を見せる
~対ライターには態度で示せ!?~

 

Webにとってビジュアル同様に重要なのが、情報資産となるテキスト。それを担当するのがライターです。
 
「もちろんプロ意識を持って真面目にやっている方もいますが、Webだからすぐ直せる、このギャラだからこの程度でいい、という態度のライターもいないわけではありません」とみどりかわさん。
 
そういう場合、どのように対処していけばいいのでしょうか?
 
・ライターにプロ意識を持たせる
・お互いに日本語力を磨く
 

 

●ライターにプロ意識を持たせる

Webディレクター自らがプロフェッショナルの姿勢を見せる

 
姿勢を見せるなんて、一体どうやって!? と思うかもしれませんが、まずは最初の打ち合わせが肝心だと言います。
 
「初顔合わせもしくは打ち合わせは、挨拶もそこそこに発注したい原稿内容などの本題に入り、そのまま終わってしまいがち。
 
しかし挨拶のあと、もしくは打ち合わせの最後にWebディレクター自らが、『私は世の中に責任を持って情報を届けている』『ベストの成果物を作れるようにいい仕事がしたい』という思いを伝えてみてはどうでしょう?」(みどりかわさん)
 
さらには、「言葉を作るってすごいですよね、重要で大変な仕事ですよね」といった旨の話をすることで、プロ意識を目覚めさせる手もあります。
 
こういった言葉がけは最近問題になっている、「コピペ」の防止にもつながるはずです。

 

●お互いに日本語力を磨く

UPされた原稿には厳しいチェックを!

 
Webディレクターのなかには、UPされた原稿に対して、「ライターの書いたものだから」とチェックもしないで流してしまう人もいるよう。
 
原稿の内容、慣用句や季節の言葉、誤字脱字、英訳、事実関係に誤りがないかに加え、プロジェクトならではのNG事項を精査しましょう。訂正箇所が多い場合は、一旦原稿をライターに戻すことも検討しましょう」(みどりかわさん)
 
こうすることでライターのスキルアップにも、Webコンテンツの質の向上にもつながります。
 
また、原稿に正確な修正を加えるためにも、Webディレクター自身が日本語力や読解力を養っておくことも必要でしょう。
 

 

~伝え方が10割!?~
対デザイナーは相手のタイプを見極めて

 
Webの出来栄えを大きく左右するデザイン。それだけにクライアントの要望するイメージをWebディレクターが解釈して、デザイナーに伝えるという作業はとても重要です。
 
口頭できちんと説明して、既存のWebサイトを仕上がりイメージとして見せたはずなのに、全然違うデザインが上がってきてしまった……なんて経験をした人は多いのではないでしょうか。
 
そうならないための重要なポイントは2つ。
 
・相手によって伝え方を変える
・お互いにイメージのボキャブラリーを増やす
 

 

●相手によって伝え方を変える

ビジュアル派or理論派?相手はどっちのタイプ?

 
「デザイナーのなかには、言葉が苦手で絵を見てイメージを捉えるビジュアル派の人もいれば、デザインに理由や論理をつけて作りたいという理論派の人もいます。どちらのタイプかで伝え方も違ってくるのです」(みどりかわさん)
 
ビジュアル派には、視覚情報をメインにしながら、「なぜこのデザインなのか?」という点も言葉で簡潔に説明してあげる。
 
理論派には、「なぜこのデザインなのか?」という理由をしっかり道筋立てて言葉で説明した上で、ビジュアルイメージも見せる。
 
相手のタイプによって、伝え方を変えることが大切です。
 

●お互いにイメージのボキャブラリーを増やす

イメージはネット上ではなく街で探せ!?
 

例えばクライアントが「かわいいデザインで」と依頼したとします。
でも「かわいい」というイメージは人によって千差万別。どういう方向の「かわいい」なのか、どんなに細分化して説明しても、自分の持っていた仕上がりのイメージとずれてしまうこともあります。
 
「打ち合わせの段階ですれ違いがおきないためにも、デザイナーにはイメージのボキャブラリーを持つようにお願いしておくことが重要です。
 
たくさんの言い回しや言葉を知っている人を「ボキャブラリー」が豊かだといいますが、視覚的なことでも多くのストックの中から適切なものを挙げられることが望まれます。
 
具体的には、参考になりそうなイメージ画像をPinterestやEvernoteなどにストックしたり、Web上にないものはスマホで撮影しておきます(著作権・肖像権や使用用途に注意してください)。きれいなもの、かわいいものの他に、ダサいもの、どぎついものも集めておきましょう。
 
こうして作成したイメージボードがあれば、打ち合わせの際にも『こんな傾向のかわいいかな?』とさまざまなデザインイメージを比較しながら検討し、クライアント~スタッフ全員でイメージを共有することができます」(みどりかわさん)
 
PCの前に座りっぱなし、締め切りに追われていると、打ち合わせの直前に慌てて「かわいい Webデザイン」などと検索し、まとめサイトから好みのものをピックアップしがち。しかし、みどりかわさんは「できれば街に出て、様々な経験を重ねてイメージのボキャブラリーを増やしてもらいたいですね。立ち読みした雑誌、街中の看板やカフェの店内など、自分の目で見たもの、経験で得たイメージのなかに、目の覚めるような豊かなアイデアが含まれていることが多いものです」と話します。
 
もちろんWebディレクター自身も日頃から街へ出て、イメージのボキャブラリーを増やすよう努力したいもの。
 
そうやって、双方でセンスを磨くことができればベストでしょう。

 

~気持ちよくいい仕事をするために~
スタッフのモチベーションをキープするコツ

 

あなた自身、「ほめられた」、「励まされた」、「頑張っている人に会った」など、ちょっとしたことがきっかけでモチベーションが上がった経験はありませんか?
 
スタッフのモチベーションを上げ、いい仕事をしてもらうにはどうしたらいいのでしょうか。ポイントは以下の3つです。
 
・クライアントとの打ち合わせに同行してもらう
・スタッフからの問い合わせにはすぐに返答をする
・しぐさや口調に気を付ける
 

●クライアントとの打ち合わせに同行してもらう

仕事に対する姿勢が変わる

 
画面とにらめっこしながら作業を進めることの多いデザイナーやエンジニア。プロジェクトによっては、クライアントと最初の顔合わせさえもないままに作業がスタートし、終了してしまうなんてことも。
 
「制作スタッフには一度でもいいので、クライアントのオフィスに同行して、打ち合わせに参加してもらうといいでしょう。
クライアントの顔を見たりオフィスの雰囲気を感じたりするだけで、自分は画面と向き合っているのではなく、お客さんと仕事しているんだ、という姿勢で仕事に取り組めるようになります」(みどりかわさん)
 
日頃はバラバラで作業をすることが多いスタッフ同士に、一体感が生まれるという効果もあります。
 

●スタッフからの問い合わせにはすぐに返答をする

忙しいを言い訳にしない

 
対クライアント同様になりますが、スタッフからの質問に忙しいからと返事を後回しにしたり、忘れてしまったりしたことはありませんか?
 
「その結果、エンジニアさんが仕様を決められず、スケジュールが遅れてしまう、デザイナーさんも返事がないので自分の判断で進めてしまい、イメージと全く違う完成物が上がってきてしまうこともあります。
 
頭では分かっていても、忙しかったり、他の案件のトラブルで頭がいっぱいになったりしているときに限って、こういった負の連鎖は起きやすいものです。
 
もし自分が背負い込みすぎだな、と思った場合は、人手不足だったり役割分担に問題があることも。すぐの改善が難しい場合は、質問者に意図(何をするためにそれを聞いたのか)を尋ねるようにします。全部が全部ディレクターの指示がないと動けないというわけではないはずです。エンジニアやデザイナーが考えて、判断できる部分はお願いするようにします。滞りのないレスポンスはチームに心地よさや「前に進んでいる」感覚をもたらすことを覚えておいてください。」(みどりかわさん)
 
どんなときでも「問い合わせにはすぐ返事!」が鉄則です。

●しぐさや口調に気を付ける

挨拶、敬語、所作などは対クライアント同様に

 
相手が制作スタッフだからと、
腕を組んだり、ふんぞり返ったり、といった尊大な態度を取っていると相手もいい気持ちはしないもの。
 
時々は「自分がクライアントに同様のことをされたらどうだろう?」とわが身を振り返ってみることも大切です。
 

~今すぐにでも始められる~
コミュニケーション力の磨き方

 

コミュニケーション上手になるには、いろいろな人と出会い、話し、経験値を積むことが大事。普段の生活のなかで、人と人とのやりとりを観察するだけでもいいんです。
 
みどりかわさんは、以下の2点を意識してみることを勧めています。
 
・日頃から人とのコミュニケーションに敏感になる
・日常生活のなかでディレクションを行う
 
 

●日頃から人とのコミュニケーションに敏感になる

笑顔、丁寧な所作など、他人の良いところはどんどん取り入れて

 
例えば同じお店でも、接客する店員さんによっては明るい気分になったり、逆に不快な思いをしたりすることはありませんか?このことについて、みどりかわさんは次のようにアドバイスします。
 
「もし思い当たることがあったら、それぞれの店員さんの話し方やお客さんへの態度を観察してみましょう。
 
そして、笑顔が素敵、所作が丁寧、テキパキしていて気持ちが良いなど、よいところはどんどん自分のなかに取り入れて行くことです」(みどりかわさん)
 
同僚や友達と話をするときも、頭の中で「こういうことを言ったら相手は傷つくのではないか? 誤解を与えるんじゃないか?」と考えてみる。
 
また、実際にあった失敗例を聞くようなことがあったら、「自分だったらこう答えるのでは?」とシミュレーションしてみる。
 
そんな習慣をつけてみるといいでしょう。
 

●日常生活のなかでディレクションを行う

いろいろな人と出会い、話し、経験値を積む

 
「スポーツや音楽など、趣味のサークルに参加したり、興味のあるテーマのイベントを企画したりしてみてください。そのなかでディレクションを行うことは、コミュニケーション力の向上に役立ちます」とみどりかわさんは言います。
 
例えばイベントを企画するなら、構想する、関係者と打ち合わせをする、スタッフを集める、集客する、実施するといった工程が必要になるでしょう。
 
その過程では、多くの人と話したり、ヘルプをお願いしたり、スケジュールを調整したり、想定外のトラブルに対処したり…と、人とのさまざまなやりとりが発生します。
 
献身的に手伝ってくれる人もいれば、ドタキャンする人もいる、クレーマーに遭遇するなんてこともあるかもしれません。そんななか、人に感謝したり、謝ったり、困ったりしながら、コミュニケーション経験値がどんどん上がっていくのです。
 
まずは、同僚との飲み会、仕事の交流会などで幹事を務めてみるだけでもいいでしょう。


いかがでしたでしょうか?
コミュニケーション上手になるには、日頃から人と関わる場を自ら作っていくことも大切だということが分かりましたね。
 
みどりかわさん自身も、趣味のお酒とお料理を活かしたイベントを開催することがあるそう。
 
「名簿作り、会場のチョイスやレシピの作成、また友達に受付をお願いしたり、材料を仕入れたり……本業とはまた違った神経を使うので、コミュニケーション磨きはもちろん、ストレス解消にもなるんですよ」(みどりかわさん)
 
また、普段から飲食店やコンビニの店員さんの動きを考察して、素敵な笑顔や動作など、見習うべきところは取り入れるようにしているそうです。レジでイライラしながら待つよりずっとお得ですね。
 
今回紹介してもらったアドバイスを実践しながら、着実にコミュニケーションスキルをアップさせていきましょう。

役に立った/参考になったと思ったら、シェアをお願いします。

この記事に関連する案件

Webディレクターの案件を見る