Qアートディレクターに必要なスキルを教えてください。

アートディレクターには、デザインスキルやコミュニケーション力が求められます。未経験からチャレンジするというよりは、広告制作企業やデザイン事務所等でスキルを磨いてから目指すのが良いでしょう。

目次

1. アートディレクターについて
2. アートディレクターに必要なスキル
3. アートディレクターになるには

 

1. アートディレクターについて

はじめに、アートディレクターの概要を見てみましょう。

 

アートディレクターとは

アートディレクターとは、広告やWebサイト、あるいはパッケージといった媒体のビジュアルデザインを手がける職種です。実際にデザインするというよりは、クライアントの要望を把握してそのイメージをコピーライターやデザイナーに伝え、制作を指示する役割を担います。

 

アートディレクターの作業内容

アートディレクターが行う作業は、ビジュアルデザイン制作のディレクションです。現場全体を通して、コンセプトが統一された状態で作業が進められているかどうかチェックしつつ、制作物のクオリティ確認も同時に行います。

職種名に「アート」とついてはいるものの、アートディレクターのそれは自己表現の芸術ではなく、クライアントの求めているものを具現化すること。そのため、制作にあたっては、まずクライアントが抱いているイメージを詳しくヒアリングします。

その上で他職種の人たちに企画コンセプトを伝え、進捗状況を適宜確認。制作物に対する修正依頼を出したり、担当者に助言を与えたりします。時にはフォトグラファーにも指示を出し、撮影のディレクションを行うこともあるようです。

 

2. アートディレクターに必要なスキル

上記の作業をこなすために、アートディレクターにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。以下に、重要と考えられるアートディレクターのスキルを取り上げました。

 

デザインスキル

アートディレクターは手を動かしてデザインを行うケースは少ないとはいえ、指示を出す立場としてデザインに関する知識や技術、センスを有していることが求められます。

デザインスキルがなければ、制作物の良し悪しを判断しづらく、作業担当者であるプロのデザイナーを納得させるアドバイスもできないからです。アートディレクターにはデザイナーのキャリアと実績を積んだ方が多いことからも、デザインスキルの大切さがうかがえます。

 

コミュニケーション力

アートディレクターは制作担当のスタッフたちをまとめ上げる役割を担うことから、高いコミュニケーション力が必要となります。クライアントと接する機会も多いため、相手の話をよく聴き、聴いた内容を制作陣に正確に伝えられることが大切です。

制作物のクオリティは、アートディレクターの采配に左右されることが多々あります。他職種の人たちと協力しながら質の高いビジュアルデザインを作り上げるためにも、アートディレクターにとって各方面との綿密なコミュニケーションは欠かせないといえるでしょう。

 

3. アートディレクターになるには

最後は、アートディレクターになるにはどうすれば良いかについてです。関連資格も紹介しているので、スキルアップの参考にしてみてください。

 

未経験では難しい

アートディレクターは、未経験からの挑戦が難しい職種とされます。すでに述べた通り、アートディレクターにはデザインに対する造詣の深さが求められるからです。

アートディレクターになりたい方は、まず広告制作企業やデザイン事務所などで、デザイナーとして経験を積むと良いでしょう。また、案件とは関係なく、自ら積極的にデザインの勉強をする姿勢も重要です。

 

アートディレクター関連資格

アートディレクターとして案件に参画するのに、資格が必須になるケースは少ないと考えられます。ただし、資格取得に向けた学習を通じ、技術を体系的に学ぶことができるのはメリットです。ここでは、アートディレクターの関連資格を2つ紹介します。

 
Illustrator®クリエイター能力認定試験

Illustrator®クリエイター能力認定試験は、Illustrator®の活用力を測定するテストです。知識量を問うというよりは、グラフィックコンテンツを制作するための実践的スキルがあるかどうかをチェックする出題形式になっているのが特色。試験階級は、アシスタント・オペレーター向けの「スタンダード」と、クリエイターやデザイナーを想定した「エキスパート」の2種類です。

 
Photoshop®クリエイター能力認定試験

Illustrator®クリエイター能力認定試験と同様、サーティファイが実施する試験の一つです。こちらはPhotoshop®による画像編集スキルを測るための試験であり、やはり知識よりも実技が重視されるのが特徴。試験階級も、Illustrator®クリエイター能力認定試験の場合と同じ設定です。

※本記事は2019年9月時点の情報を基に執筆しております。