アニメーターにおすすめの転職先とは?スキルを活かせる業界にキャリアチェンジ

アニメーターにおすすめの転職先とは?スキルを活かせる業界にキャリアチェンジ
過酷な職業ともいわれるアニメーター。環境を変えるために転職を考える人も多くいますが、アニメーターが活躍できる転職先はどのようなところなのでしょうか。アニメーターを取り巻く現状と業界の構造、転職先を選ぶ場合におすすめの業種を紹介します。

目次

アニメーターが転職を考えるとき

アニメーターが転職を考えるのはどのようなときでしょうか。アニメーターの新人離職率は3年で9割ともいわれており、大変な激務であることも有名です。まずはアニメーターの現状をデータから見てみましょう。

アニメーターの現状は想像以上に過酷 

若手アニメーターには、新人が担当する動画マンと動画担当からレベルアップした原画マンがいますが、日本アニメーター・演出協会の「アニメーション制作者実態調査 報告書2019」によると、出来高制で動画1枚100円という声も上がっています。

また、正社員として就職できることは稀で、半数以上はフリーランスや業務請負で仕事をしています。上記の報告書でも正社員は14.7%、契約社員でも6.0%で、圧倒的に多いのがフリーランスの50.5%、自営業19.1%です。職業別の年収を見ると、20代の若手が勤務する動画担当の平均年収は125万円でした。

業界全体の声で聞かれるのは、1枚・1カットの単価は変わらないのに、修正指示やクオリティを上げるための書き込みが多く発生する点です。近年はアニメのクオリティが話題になることも多く、以前より作業量が増えていることも問題となっています。しかしスケジュールは守らねばならないため、苦しい制作現場が多いのが常態化しているのです。

アニメが好き、という気持ちだけで続けられるのか

このように、過酷なアニメーターの就業状況において、それでも「アニメが好き」という気持ちで仕事をしている人も多いでしょう。

若手が始めに仕事を任される動画マンは、技術の向上と実績を積むことで原画マンに昇格できる可能性もあります。しかし、その原画担当に昇進するまでの道のりは、厳しい上にあまり明確でもなく、貯金を切り崩す生活では先が見えないと感じる人も多いようです。

「アニメが好き」「アニメの絵を描く仕事が夢」という若者の声はたくさん聞きます。働き手は次々に現れますが、低賃金が常態化していることを分かって仕事についており、やめても替えが利くという扱いをされてしまうこともあるそうです。

このような状況では、転職を考えてしまうことは自然なことといえます。「3年以内に9割が離職」という話もあながち間違っていないかもしれません。

アニメ業界の現状はほとんど変わっていない?

業界全体を見ても、アニメーターの待遇が改善されているという声はあまり聞きません。アニメ業界には日本独特の構造があり、問題点があってもすぐに改善に結びつかない現状も見えます。

「製作委員会」という構造

アニメ業界は「製作委員会」方式を取っているのが特徴です。アニメは高額な制作費がかかるコンテンツのため、その制作費を賄うためにさまざまな会社が出資するシステムを採用しています。このリスクヘッジのシステムが製作委員会ですが、近年はこの構造が、制作会社やアニメーターの待遇に影響を及ぼしているといわれているのです。

アニメ制作会社は、1番表に出ている絵を制作していますが、実際は大手制作会社が受けた仕事の下請け制作会社が作っていることが多く、元請けの会社がマージンを取り、下請けであればあるほど利益は少なくなります。

次々に作られるアニメですが、作品がヒットするとは限らないため、製作委員会の方式は1つの会社が莫大なコストの損失を軽減する役割を持ちます。しかし、さまざまな企業が関わることで末端には還元しにくい多重構造になっており、この構造を改善する根本的な解決はなされていません。

日本のアニメ業界全体は変革期を迎えている

一方で、若手が長続きせず、中間層が疲弊して高年齢化するアニメーターの問題がこのまま継続し、日本のアニメ業界が衰退してしまうことに警鐘を鳴らすアニメ監督もいます。一部では正社員化を進めたり、改善を求めたりする制作会社も出てきました。

また以前は、下請けの仕事を海外に出していましたが、海外のアニメーション技術の向上とアニメーター人口が増えたことにより、海外のアニメーターの賃金が安定し、逆に海外の下請けとして日本の制作会社を使っている例も出てきたのです。

さまざまな問題を抱えた日本のアニメ業界の構造は、現在変革期にあるともいわれるようになってきました。2019年に施行された「働き方改革」の影響も少しながら出てきており、フリーランスアニメーターの取引環境適正化も求められるようになっているようです。

アニメーターの転職先はどの業界がいいか?

改善の兆しは見られるものの、環境がすぐに変わるとは限りません。アニメーターが転職を考えるのなら、どのような業界がマッチングしやすいのでしょうか。実際に転職した人の声も元に、転職先を考えてみました。

転職先はゲーム業界がおすすめ

転職先としておすすめなのは、同じように絵を描く環境があるゲーム業界です。実際に転職先として選んだという声も、ゲーム業界がとても多いようです。

理由としては、近年のゲーム業界の需要があります。一昔前までは家庭用ゲーム機が主流だったゲームも、ソーシャルゲームやアプリなどさまざまな種類のゲームが増加しました。そのため、単純に業界全体の市場規模が伸びており、転職先として有望だという点が挙げられます。

次に、アニメーターの業界にも近年デジタルが取り入れられるようになってきましたが、まだ手描きの現場も多いことでしょう。しかしデジタルツールを使う作業は今後も増えていくと考えられるため、転職に限らずデジタルツールを扱えるようになるのが望ましいのです。

ゲーム業界の2Dデザイナーや3Dアニメーターは、おそらく今後も需要が高まっていく分野です。3Dアニメーターなどはアナログ作画出身者も多く、ツールさえ使いこなせれば、アニメーターも十分経験を活かすことが可能といわれています。

また、比較的会社組織として完成されており、ゲーム業界の経験が浅いとしても人材育成が充実している会社もありますし、何より給与が比較的安定していることが大きいでしょう。経験が浅い場合はそれほど高額にはならないでしょうが、働き方は安定するという声も聞かれます。

その他のクリエイティブ職

作画スキルを活かして、その他のクリエイティブ職につくことも選択肢の1つです。アニメーターとして絵を描くことにこだわらないのであれば、Webデザイナーも得意分野を活かせる選択肢として考えられるでしょう

デザインの知識やツールの学習は必要になりますが、これまで培ったクリエイティブな感性は活かすことができます。また挿絵を入れるなど、アニメーターとしてのスキルが活きてくる仕事もあるでしょう。

全く違う職種を選ぶなら早めに決断する

アニメーターから全く違う職種を選択する場合も、もちろんあるでしょう。実際に働いてみたら絵を描くことに疲れてしまった、という人も少なくありません。環境の劣悪さとずっと描き続ける作業の両方が重荷になり、全く違う仕事を選ぶことも選択肢としてはありです。

全く関係のない仕事を目指す場合に注意したいのは、できるだけ早めに行動を起こすという点です。転職活動は、年齢を重ねるほど即戦力を求められる傾向があり、20代よりも30代の方がより転職が厳しくなるのが現実です。

20代前半ならば、第2新卒として転職活動を行うこともできるでしょう。ポテンシャル採用を積極的に行っている企業もあるため、早めの転職がかなう場合もあります。また、できるだけ早く再就職したいのならば、契約社員や派遣社員から正社員を目指せる条件など、雇用形態にこだわらずチェックするのがおすすめです。

まとめ

アニメーターの現状と、転職したい場合の転職先について紹介しました。アニメーターを取り巻く環境は過酷で、すぐに改善は難しいとされています。そのため若手の定着率も低く、転職を考えるのは自然な流れです。転職するなら、ゲーム業界がおすすめです。専用ツールのスキルを上げれば比較的違和感なく転職できるでしょう。

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