紙媒体の衰退により、Webデザイナーへの転職に興味を持つグラフィックデザイナーが増えています。紙からWebに移りゆくなかで、グラフィックデザイナーとしての仕事が減っていくのではと不安を抱えて転職を考えている人も少なくないはず。本記事では、グラフィックデザイナーからWebデザイナーに転職するにあたっての情報を紹介します。
目次
- グラフィックデザイナーからWebデザイナーへの転職は可能?
- グラフィックデザイナーからWebデザイナーへ転職するメリットは?
- 身につける必要があるスキルは?
- 独学でもWebデザイナーのスキルは身につく?
- まとめ
グラフィックデザイナーからWebデザイナーへの転職は可能?
グラフィックデザイナーからWebデザイナーへ転職することは、もちろん可能。他職種から転職するのに比べると、そこまで難しい転職ではありません。構図・配色・フォントなどデザインの基礎知識を持っていれば、新たに身につけることが少なく、比較的キャリアチェンジのハードルは低いと言えます。
illustratorやPhotoshopが使えることを求人の必須要件にしている会社も多く、そういった点でもグラフィックデザイナーは有利でしょう。とはいえ、Webデザインやコーディングの実務経験を必須にしている会社も多くあります。必ずしも経験者枠で転職ができるとは限らない点には注意しておきましょう。
未経験枠での転職になる場合は、雇用形態が契約社員になったり、給与が希望金額に届かなかったり妥協しなければならない部分も出てくるかもしれません。キャリアチェンジがしやすい職種ではありますが、過度な期待は禁物です。
一時的に条件が悪くなる可能性はありますが、今後のキャリアを考えればプラスに働くことも多いでしょう。グラフィックデザイナーとして働き続けることに不安を感じる方は、思い切って転職に踏み切るのがおすすめです。
グラフィックデザイナーからWebデザイナーへ転職するメリットは?
グラフィックデザイナーからWebデザイナーに転職することは可能だとわかりましたが、実際はどのようなメリットがあるのか気になりますよね。ここでは、グラフィックデザイナーがWebデザイナーに転職するメリットについて解説します。
新たに身につけるスキルのハードルが低い
グラフィックデザイナーはすでに基礎的なデザインの知識やデザインツールの習得、実務でのデザイン経験を持ち合わせています。そのため、Webデザイナーとして転職する際、新たに学ばなければいけないことは比較的少ないでしょう。
企業や案件によっては、コーディングまで求められるケースもありますが、デザインカンプを作るまでが作業範囲であることも。コーディングが不要であれば、グラフィックデザイナーからWebデザイナーに転職するハードルはかなり低くなると言えます。
紙もWebもできるデザイナーは重宝される
グラフィックデザイナーとして雑誌や紙広告、看板、ポスターなどのデザインに加えて、Webデザインもできるデザイナーは希少。多くの企業がオフラインとオンラインをかけ合わせたマーケティングを実施しており、紙Webどちらも対応できるデザイナーは非常に重宝されます。
紙とWeb、それぞれのデザイナーにデザイン依頼をするよりも、ひとりのデザイナーにまとめて依頼するほうが企業側も楽ですし、デザインのトンマナを揃えることも容易。対応の幅を広げておくことで、フリーランスになったときも仕事には困りにくいと言えるでしょう。
求人・案件数が多く稼ぎやすくなる
Webデザインの仕事は、グラフィックデザインの仕事に比べて求人・案件数が多いのが特徴です。例えばさまざまな案件が掲載されている求人サイトを見てみると、グラフィックデザインでの検索に引っかかる案件が約10,000件であったことに対し、Webデザインは約55,000件でした。
もちろん詳細な条件や必要スキルなどは求人・案件ごとによって異なりますが、Webデザイナーとしての案件の方が圧倒的に多いことがわかります。
また、Webデザイナーの年収はグラフィックデザイナーよりも30万円程度高いというデータもあり、給与水準を見てもWebデザイナーの方が有利。あくまでも一般的な話であり、例外はもちろんありますが、このような傾向にあることは念頭においておくとよいでしょう。
身につける必要があるスキルは?
グラフィックデザイナーがWebデザイナーになるメリットはたくさん。しかし、いざWebデザイナーとして仕事を始めようと思ったときに必要となるスキルが何なのか、気になりますよね。以下では、Webデザイナーになるにあたり、必要なスキルについて解説します。
HTML・CSSなど基本的なコーディングスキル
PhotoshopやIllustratorでデザインを作成することはグラフィックデザイナーも同じですが、WebデザイナーになるのであればそれをHTMLやCSSで書き起こせるようになっておくことが必要です。
なかにはコーディングができないWebデザイナーもいますが、それだと受けられる仕事が少ない上に、今後ますます需要がなくなっていく一方です。特にフリーランスとして活動する際は、デザイン~実装まで一気通貫で対応できることを求められるため、習得しておいて損はありません。
いきなり使いこなすことは難しいと思うので、まずはコードを見て仕様がわかるくらいのレベルは目指しておきましょう。余裕があれば、JavaScriptを学び、動的なデザインに関する理解も深めておくと仕事の幅が広がりますよ。
Webマーケティングに関する理解
Webと紙の大きな違いは、成果を数字で計測しやすいことです。それゆえ、制作物に対して数字の成果を求められることが多く、成果につながらなければ評価も厳しいものとなってしまいます。
LPやバナーを作るときは、CRO(コンバージョン率最適化)の王道パターンを意識するなど、Webならではの手法を取り入れることも実践できるとよいでしょう。クリエイティビティよりも、成果につながるかどうかを考えられる思考もWebデザイナーにとっては重要です。
独学でもWebデザイナーのスキルは身につく?
グラフィックデザイナーの勉強とともに少しWeb系の勉強もしたという人であれば、前提知識を活かして独学でマスターすることも可能です。しかし、短期的にマスターしたい方や、自己管理が苦手な方にはあまりおすすめできません。
独学のデメリットは、わからないことがあっても解決ができないこと、勉強の順序や進め方において効率的な方法がわからないまま進めてしまうことです。費用はかかってしまいますが、スクールに通って学ぶ方が効率的でしょう。スクールだと早ければ2~3ヶ月、長くても半年ほどで最低限のスキルをマスターすることが可能です。
自分のペースで学習したい方や費用をかけたくない方は独学で学ぶのもよいでしょう。プロゲートなど、オンラインで無料学習できるサービスもあります。スクールと独学、どちらが優れているというものではないので、自分に合った学習方法を選んでくださいね。
まとめ
グラフィックデザイナーからWebデザイナーへの転職は、メリットも多い上に比較的スムーズにできることがわかりました。とはいえ、もちろん新たなスキルを身につけることは必須です。転職を考えている人は、本記事を参考に検討してみてくださいね。
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