フリーランスクリエイターにおすすめ!文芸美術国民健康保険組合を解説

フリーランスクリエイターにおすすめ!文芸美術国民健康保険組合を解説

フリーランスと会社員との違いの一つである「健康保険」。日本の医療保険制度では、誰もが何らかの公的医療保険制度に加入するように定められています。クリエイターの場合、会社勤めでしたら被用者保険に、フリーランスでしたら国民健康保険(以下、国保)に入るのが一般的です。

さて、フリーランスの方からしばしば聞こえるのが「国保の保険料が高い」という不満。これは被用者保険ですと勤務先の会社が保険料を一部を負担してくれるのに対し、国保は全額自己負担である点が一因です。
 
そこで今回ご紹介するのは、文芸美術国民健康保険(以下、文美国保)。実は無保険がNGであるだけで、フリーランスは国保への加入必須というわけではありません。同種同業の方で構成され、「国民健康保険組合」として認可を受けた組合が実施している医療保険に加入すれば、国保に入らずともよいのです。前述した文美国保はその内の一つです。
 
そして文美国保はフリーランスのクリエイターにとって、国保よりも保険料が安くなる可能性があります。では「文美国保とはどのような制度なのか?」「国保との違いはどこにあるのか?」などを見ていきます。

目次

文美国保は組合加盟の団体へ加入する必要あり

区市町村が行う国民健康保険と同様に、文美国保は文芸美術国民健康保険組合が行う公的な医療保険で、組合員とその家族が対象となっています。加入すれば文美国保の保険証が割り当てられ、医療費の負担は自己負担:3割と国保同様です。
 
文美国保への加入には、イラストレーターやWebデザイナーなどのクリエイティブ職に従事するフリーランスの方であることと、組合加盟の各団体の会員であることが条件に含まれています。ただし、法人成りをしているフリーランスの方は対象外のためご注意ください。
 

日本国内に住所を有し、文芸、美術及び著作活動に従事し、かつ、組合加盟の各団体の会員である者とその家族。 なお、法人事業所の事業主、従業員の方々は健康保険が強制適用となっており、当組合を含め、国民健康保険には加入できません。 

『文美国保に加入するには』より抜粋

対象となる加盟団体の例を挙げると、Webデザイナーの方でしたら日本イラストレーション協会というように、職種によって加入できる団体が異なるため、ご自身にあった団体を探してみましょう。詳細は公式Webサイトで確認ができます。

なお加盟団体への加入については、ポートフォリオや確定申告書などの提出が求められることがあります。その際にたとえば「Webデザインの他にも、Webコーディングやソフトウェア開発も請け負っている」というような方ですと、実際の業務内容や開業届けの職業などによっては加入できない団体もあるようです。そういった場合でも、別の団体では加入が認められるケースもあるため、各団体の加入要件をよくご確認ください。
 
また、各団体への加入にあたって入会金や年会費がかかります。以下に代表的な例を記しますのでご参照ください。

◆日本ネットクリエイター協会
入会金:10,000円、年会費:24,000円
http://www.jnca.or.jp/
 
◆日本イラストレーション協会
出資金:一口 5,000円(5口以上)、加入手数料(初回加入時のみ):3,000円、年会費:24,000円
http://www.jilla.or.jp/
 
◆日本グラフィックデザイナー協会
入会金:30,000円、年会費:36,000円
http://www.jagda.or.jp/


文美国保への加入だけを目的とするならば、入会金・年会費が安い団体を選ぶのが好ましいです。ただし、たとえば日本グラフィックデザイナー協会でしたら、団体が主催するセミナーやイベントの無料参加や福利厚生サービスが利用できるなど、文美国保以外にも特典がある団体もあるため、その点も合わせて比較・検討することをおすすめします。

クリエイターなら保険料が安くなるかも

国保の保険料は、前年度の所得や住んでいる自治体によって異なります。基本的には、上限はあるものの、所得が上がれば上がるほど保険料は高くなっていく傾向に。
 
一方で文美国保は、所得に関わらず保険料が一定であることが大きな特徴です。具体的な費用を上げると、組合員1人月額:16,900円、家族:8,700円、となっています。なお、満40~64歳までの方ですと、他にも介護保険料として1人月額:3,600円がかかります。
 

それでは「一体、国保と文美国保のどちらがお得なのか?」という点ですが、国保の保険料は「ご家族の構成」「年間所得」「お住まいの区市町村」などで幅があり、一概には言い切れません。文美国保ですと組合加盟の団体への入会金・年会費も加味する必要があります。
 
ただし一定以上の所得がある独身の方ですと、文美国保の方が保険料が安くなるケースが多いようです。公式Webサイトには、国保(杉並区)と文美国保とで保険料の比較ができるツールがありますので、まずはご自身の状況にあわせて試してみてはいかがでしょうか(下記の画像は、「39歳以下、独身、年間所得:300万」という条件でツールを使用した際のもの)。

文芸美術国民健康保険のまとめ

文美国保加入を検討する際のポイント
◆文美国保に加入すれば、自治体の国保に加入する必要はない
◆文芸美術国民健康保険組合へは、組合加盟の各団体への加入が必須
◆国保or文美国保の比較・検討をする際は、「年間所得」「家族構成」「住んでいる区市町村」「加入する団体への入会金・年会費などの費用」と合わせて判断


ここまで見てきた通り、人によっては保険料の節約+αが見込める文美国保。一定以上の所得があるクリエイターの方でしたら検討する価値があるはずです。「フリーランスは国保への加入が必須」と思っていた方は、ぜひ公式Webサイトをチェックしてみてください。

※本記事は2016年1月時点での内容です

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