2016年1月19日

フリーランス案件=ハイスキルではなかった!?

フリーランス?派遣?正社員?クリエイターの働き方はココに注目!

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Webデザイナーをはじめとしたクリエイターには、派遣、フリーランス、正社員など多様な働き方があります。そのため今の働き方が自分に合っているのか、疑問に思うこともあるのではないでしょうか?そもそも、それぞれの働き方がどういうものなのか、きちんと把握していない方も多いはず。
 
そこで今回は、クリエイターと企業とのマッチングを行っている、レバテッククリエイターのコーディネーター・渡邉将弘さんにインタビュー。派遣、フリーランス、正社員における各契約形態の特徴から転向を考える際のポイントまでを解説していただきました。
 
レバテッククリエイター コーディネーター
渡邉 将弘(わたなべ まさひろ)

IT・Web・ゲーム業界のエージェントにて、法人営業から始まり、エンジニア向けコーディネーターを2年半経験。その後、クリエイター向けコーディネーターとして年間300人のクリエイターのカウンセリングを行う。

 

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派遣、フリーランス、正社員は契約の結び方が異なる

 

働き方を派遣、フリーランス、正社員と分けた場合、まず契約の結び方で大きく差があると渡邉さんは言います。
 
「正社員は勤務先の企業と雇用契約を結び、派遣は派遣会社と雇用契約を結びます。派遣の場合は、派遣先の企業と雇用関係にあるわけではありませんが、派遣先の企業が指揮命令権を持ち、作業の指示を出します。フリーランスは、個人事業主や法人として案件を受けるため、参画先企業との雇用契約を結びません。
 
また、フリーランスの契約には、請負契約と準委任契約の2種類が存在します。請負契約では、案件ごとに求められる成果物が完成するまでが契約の基本となります。例えばWebデザイナーでしたら、制作物を納品し、クライアントの修正要望を受け、OKが出るまで修正を行うのも契約の内です。もう一方の準委任契約では、基本的には定められた期間内で、スケジュールに従い作業を行います。」(渡邉さん)
 
その他、契約形態ごとの特徴は以下の通りです。

 
項目 正社員 派遣 フリーランス
(個人事業主・準委任契約の場合)
契約の結び方 ・勤務先の会社と雇用契約を結ぶ ・派遣会社と雇用契約を結ぶ ・企業との雇用契約ではなく個人事業主として案件ごとに契約する
契約期間 ・契約期間の定めなし
  • ・期間ごとの契約
    (更新の頻度は契約内容による)
  • ・原則として、同一事業所へは最長3年が期限
・契約で定められた期間による
稼働時間 ・原則的に1日あたり8時間 ・原則的に1日あたり8時間 ・案件ごとに多少の制限はあるが、本人の裁量でスケジューリング可能
報酬 ・主に月給制 or 年俸制 ・主に時給制 ・1ヶ月ごとなど契約で定められた期間に応じて
税金
(所得税・住民税)
・勤務先の会社が各種手続きを行う ・派遣会社が各種手続きを行う
  • ・本人が手続きを行う
  • ・消費税や個人事業税が別途かかる
年金・保険
  • ・勤務先の会社が手続きを行う
  • ・健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険に加入する
  • ・派遣会社が手続きを行う
  • ・加入要件を満たせば健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険に加入できる
  • ・本人が手続きを行う
  • ・原則的に国民健康保険・国民年金に加入する
  • ・原則的に雇用保険・労災保険には加入できない
福利厚生 ・勤務先準拠 ・派遣会社準拠
  • ・なし
  • ・エージェントを利用した場合、外部のサービスをうけられることも
※2015年12月時点の情報です 

なお、正社員や派遣社員からフリーランス転向を検討している方は、フリーランス向けの「税金・保険・年金」関連情報を下記のページにまとめていますので、併せてご参照ください。

フリーランスなら押さえておきたい!今さら聞けない「税金・保険・年金」のキホン

フリーランスが生涯のマネープランを考えるときに知っておきたいこと 

税金・保険でいくら引かれるの?フリーランス(個人事業主)の手取り年収シミュレーション

 

 

コーディネーターが語る、Webクリエイターのリアルな意識

 
 
 

前段では、契約形態ごとの特徴を比較しました。しかし、それらはあくまで制度上のお話。実際のところ、Webデザイナーやイラストレーターといったクリエイターの皆さんは、各契約形態についてどのように考えているのでしょうか。渡邉さんにその傾向についてお話を伺いました。

Webクリエイターはフリーランス志向が高め

 

クリエイターの方によく見られる傾向として「現在は正社員や派遣社員として働いていても、将来的にはフリーランスでやっていきたい」という希望があるそうです。
 
「弊社に訪れるクリエイターの皆さんは、まず『正社員か派遣/フリーランス』で区別されている方が多いですね。報酬、稼働時間、働き方、などが、各契約形態を検討する際の基準のようです。
 
クリエイター業界に限らず、一般的に正社員は稼働時間が長くなりがちです。そのため『元は正社員だったが、自分のペースで働きたい』というWebデザイナーの方が、『派遣かフリーランスで』という希望を出される傾向がありますね。特にフリーランスでしたら、『週2、3日参画』や『在宅で作業』ということも可能ですので。
 
また一概に言えませんが、派遣やフリーランスだとスキルに応じて高単価案件も選べることも理由にあるようです」(渡邉さん)
 
さらに渡邉さんは「フリーランスとして独立を目指す方は多い」としつつも、派遣を選択するメリットについても解説してくださいました。
 
「フリーランスで働く場合にネックとなってくるのが、『税金・保険・年金の手続き』『案件の獲得』です。
 
フリーランスは企業に雇用されていないため、『税金・保険・年金の手続き』を自分で行わなければなりません。また、必要な知識や取られる時間が意外とばかにならないため、あえて派遣社員として働くことを選び続けている方もいらっしゃるほどです。
 
中でも保険と年金は、正社員や派遣社員ならば会社が金額の何割かを負担してくれるのに対し、フリーランスは全額自己負担なことも大きいです。年金を例に挙げると、正社員や派遣社員が加入する厚生年金は、フリーランスが加入する国民年金よりももらえる額は多く、企業が半分を負担してくれるため、差がついてきます。
 
また『案件の獲得』についても、フリーランスは自分で探さねばなりません。『常にマッチする案件があるとは限らない』『案件獲得のために、営業活動を行う必要が出てくる』といった点は、フリーランスとして働く上での大きな課題です。ただし、クラウドソーシングや弊社のようなエージェントを利用することで、案件探しについては補うこともできます。
 
こういった点から、ほどほどの稼働時間や報酬で働きつつも、安定した案件や税金・保険・年金などの観点から、雇用には入っていたいという方が派遣を選択されることが多いですね」(渡邉さん)
 

派遣社員やフリーランスから正社員に戻る人はどんな理由から?

 

渡邉さん曰く、ファーストキャリアが正社員だった方が、次に目指すことが多いのが派遣やフリーランス。逆に派遣やフリーランスから正社員になるケースについても、渡邉さんは語ってくれました。
 
「すでに派遣やフリーランスで活躍されている方で、正社員へ転向したいという方はあまり聞きませんが、お子さんが生まれるなどのライフイベントがきっかけで正社員を希望する方はしばしばいらっしゃいます。正社員は安定していますので、住宅ローンなども組みやすいですしね」(渡邉さん)
 
その他、正社員と派遣・フリーランスとでは、経験できる仕事内容にも差があるのだと言います。
 
「派遣やフリーランスですと、スポット的な参画になるため、作業も手を動かすような内容が多くなります。一方、正社員ですと作業以外の役割、例えば教育やマネージメントなども求められます。そのため、幅広く経験を積んでいきたい方には、正社員がいいでしょう」(渡邉さん)

 

派遣、フリーランス、正社員、転向する際に押さえておくべきポイントは?

 

それでは実際に、Webデザイナーなどのクリエイターが、派遣、フリーランス、正社員への転向を考える場合は、どういった点に注意すればいいのでしょうか?
 
まずは、正社員から派遣社員やフリーランスへの転向を図るケースについて解説していただきました。
 
「すでに正社員として働かれている方で、派遣orフリーランスへの転向を考える場合、ポートフォリオが充実しているかどうかが、転向を検討する際の基準になります。ただし、個人的には少なくとも2~3年の実務経験はあった方が、作業を行う上でスムーズかと思っています。
 
派遣とフリーランスとでは、求められるスキルレベルに大きな差はありませんので、『報酬』『税金・年金・保険』『案件の安定性』などのうち、自分がどこを重視するかで考えるといいかもしれません」(渡邉さん)
 
続いて、派遣orフリーランスから正社員への転向についても、渡邉さんに伺いました。
 
「これは私個人の意見なのですが、派遣orフリーランスから正社員への転向する場合は、ある程度早めにキャリアプランを立てておいたほうがいいと思います。一般的な傾向として、年齢とともに求められるスキルも上がっていきますので。
 
そのため、派遣社員やフリーランスはいろいろな現場を経験できる点を活かし、戦略的にスキル・ノウハウの幅を広げていくことをおすすめします。正社員採用ですと、コミュニケーションケーション能力も求められてきますので、そういった部分も意識して経験を積まれるといいのではないでしょうか」(渡邉さん)

 

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企業が契約形態ごとに求めるもの

 
 
 

次に渡邉さんに解説していただいたのは、各契約形態に関する企業側の事情について。そこには意外とも思える実情がありました。

 

企業は派遣orフリーランスをレベルで分けていない

 

派遣、フリーランス、正社員と分けた際、ともすると「フリーランスは、派遣や正社員よりも高いレベルが求められるのではないか」と思いがち。しかし、それは正確ではないと渡邉さんは語ります。
 
「企業が何か業務を外注しようとした場合に『このレベルの案件だと、フリーランスに依頼しよう』といったケースは聞きませんね。企業が派遣orフリーランスを選択する場合は、スキルレベルではなく、企業ごとの方針で『うちは派遣しか利用しない』などと決まっているところが少なくないんです。
 
その理由も、合理的というよりは企業の慣習によることが多い印象です。Webデザイナーをはじめとしたクリエイター業界では、フリーランスよりも派遣社員を利用する企業の方が比較的多いでしょうか。
 
派遣の案件は数が多く、結果として派遣の方がレベルの幅が広いというのは事実です。ただし、派遣のみ希望という企業のニーズをじっくりヒアリングしてみると、『実は派遣でもフリーランスでもどっちでもよかった』というケースは往々にしてあります」(渡邉さん)
 
さらに、渡邉さんは企業の本音についても教えてくださいました。
 
「企業としては、本当は正社員を採用したいというのが実際のところのようです。派遣社員やフリーランスを使うよりも、正社員を囲い込んだ方が企業としてはメリットが大きいので。
ただ、どこも即戦力が欲しいものの、スキルの高い人ほど派遣やフリーランスを目指すので、外注しているようです。」(渡邉さん)

 

自分に向いている働き方はいったいどれ?

 
 

最後に、ここまでの内容を踏まえ、自分に合った各契約形態を考える際のアドバイスを渡邉さんにいただきました。
 
「スキルに自信があり、かつそれに見合った報酬を希望される方には、フリーランスへの転身をおすすめします。
 
『ある程度の金額は欲しい。けれども稼働時間は抑えたい』『フリーランスだと不安なので、
雇用には入っていたい』という方には、派遣がお手頃でしょう。
 
マネージメントや教育など、幅広く業務を経験したいという方でしたら、正社員ですね。収入の安定という点でも正社員に強みがあります。
 
以上の点と、ご自身の描くキャリアプランとを合わせて、検討してみてください」(渡邉さん)
 
今回の渡邉さんのお話から、働き方を変える際は、スキル以外も考慮すべきであることをお伝えいただきました。本記事で取り上げた内容が、キャリアを考える際の一助になれば幸いです。

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