シナリオライターの仕事内容・平均年収・必要な資格やスキルなどを解説します。また、向いている人の特徴やキャリアパス、将来性についても詳しく書いているので、これからシナリオライターを目指す人はぜひ参考にしてください。
目次
- 1.シナリオライターの主な仕事内容
- 2.シナリオライターの年収
- 3.シナリオライターの求人・案件について
- 4.シナリオライターに必要なスキル
- 5. シナリオライターの資格
- 6. シナリオライターになるには
- 7. シナリオライターに向いている人
- 8. シナリオライターの需要・将来性
- 9. シナリオライターのキャリアパス
- 10.フリーランスのシナリオライターとして働くには
1.シナリオライターの主な仕事内容
シナリオライターとは、ドラマや映画などの映像作品から、舞台、ドキュメンタリーなどの台本・脚本を執筆するライターのことを指します。ソーシャルゲームの台頭により、近年はゲームのシナリオライターを指すことも多くなりました。
ドラマや映画、台本を専門的に作成する人を脚本家、テレビやラジオ番組の台本を手がける人を構成作家と呼ぶこともあります。シナリオライターはジャンルにとらわれず、さまざまなシナリオを提供する仕事といえるでしょう。
映像や舞台のシナリオを作成するシナリオライターと、ゲームに特化したシナリオライターでは、業界も仕事の進め方も異なります。本記事ではゲームシナリオライターについて詳しく解説しますが、まずはそれぞれの違いを見ていきましょう。
シナリオライター(脚本家)の仕事内容
脚本家と呼ばれる、テレビや映画のシナリオライターは、プロデューサーやディレクターと打ち合わせをし、企画の内容を反映したシナリオを作成します。
登場人物のキャラクター設定からストーリー、セリフや心情、情景などの要素を組み込んで、映像作品を構成する設計図ともいえる脚本・台本を作成します。作り方に決まった形式はあまりないといわれていますが、シナリオの基本形は養成講座や専門学校で学ぶことが可能です。
原作がない作品の場合は、シナリオライターが一からストーリーを構築します。原作がある作品の場合は、原作をもとにエピソードを組み立て、場合によっては脚色も行います。作品の規模によっては、複数のシナリオライターが同じタイトルの脚本を担当することもあり、制作方法はプロジェクトの内容によってさまざまです。
また、バラエティー番組や情報番組、ラジオ番組の台本は放送作家、または構成作家と呼ばれるライターが担当し、こちらは企画立案や情報のリサーチも行うことがあります。
ゲームシナリオライターの仕事
ゲームシナリオライターは、近年作られた比較的新しい分野といえます。そのため、明確に仕事の区分が決まっておらず、ゲームプランナーを兼ねることも多いようです。その場合は、JavaScriptやPythonなどスクリプト言語の知識も必要とされることがあります。
仕事内容は現場によってさまざま。企画からシナリオ制作まで関わることもあれば、世界観やキャラクターの大まかな設定が決まったものを依頼されることもあります。ゲームプランナーとして企画がメインになるようなケースもあるでしょう。
基本的な仕事の流れはストーリーの設計図であるプロットを作成し、ゲームプランナーやディレクターのチェックを受けた後に、ナレーションやセリフ、ト書き(セリフ以外の動作や行動)といったシナリオを書いていきます。与えられたプロットをもとにシナリオを書くこともあるため、必ずしもストーリーを一から考えられるわけではありません。
ソーシャルゲームでは、サブキャラクターやサブストーリーが多く展開されるため、複数のシナリオライターがシナリオ作成を行うケースもあります。特に恋愛ゲームやRPGなど、分岐が多いゲームは担当するライターも増える傾向に。ストーリーの整合性を取りながら魅力的なシナリオを考えるなど、高度な構成力とストーリー性が求められます。
2.シナリオライターの年収
政府の調査による正式なデータはありませんが、求人サイトなどのデータから、シナリオライターの年収は300万円~400万円程度と推測することができます。厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査によると、全体の平均年収は455万円程度ですので、シナリオライターの年収は決して高いとはいえないのが現状です。
ほとんどのシナリオライターはフリーランスであり、関わるゲームタイトルや仕事の請け方、作業スピードなどによって年収に差が出やすい職業といえます。
以下の金額は、サイト内の単価診断ツールにて「ブランクなし」で経験年数の単価目安から算出した、フリーランスシナリオライターの年収目安です。
・シナリオライター(実務経験1年未満 )の年収:276万円(23万円/月)
・シナリオライター(実務経験1年~2年)の年収:300万円(25万円/月)
・シナリオライター(実務経験2年~3年)の年収:336万円(28万円/月)
・シナリオライター(実務経験3年~5年)の年収:360万円(30万円/月)
・シナリオライター(実務経験5年以上 )の年収:540万円(45万円/月)
※上記の金額は目安であり、実際の支払額はご自身の経験やスキルなどにより変動することにご注意ください。
ゲームシナリオライターの年収については、以下の記事でも解説しています。気になる方はこちらもチェックしてみてください。
関連記事:ゲームシナリオライターの年収はどのくらい?なり方や必要なスキルは?
3.シナリオライターの求人・案件について
ソーシャルゲームの市場規模拡大に伴い、ゲームシナリオライターのフリーランス案件は増加傾向にあります。一方で正社員求人は数が少ないため、シナリオライターとして活動していく場合は、フリーランスを視野に入れたほうがよいでしょう。
シナリオライターの求人
正社員求人の場合は、シナリオ制作よりもプランニングやシナリオディレクションを求められることが多いようです。フリーランスのシナリオライターに発注したり、納品物を管理したりがメインになるため、自分で書く機会は少ないかもしれません。
未経験OKの求人もありますが、雇用形態がアルバイトであったり、契約社員になったりすることが多いので、その点は事前に確認しておくとよいでしょう。業務内容についても、入社後に齟齬がないよう、どれくらい書く仕事があるのか、ストーリー制作に関われるかなどを確認しておくのがおすすめです。
シナリオライターの案件
シナリオライターの単価は関わる案件によってまちまちです。日本脚本家連盟とNHKの間で取り決めている最低脚本料は、テレビの全国放送30分で19万円と定めています。バラエティーや歌番組などの構成脚本は9万5,000円からといわれており、この辺りが相場です。
ゲームシナリオライターは報酬換算がテレビ業界とは異なり、「1KB」で示されることがあります。「1KB=500文字」が基本で、KB単価が1,500〜2,000円が目安といえるでしょう。あくまでも目安ですので、実際にはこの単価を下回ることも多くあります。
ゲームシナリオは1文字いくら、という計算を提示していることも多いですが、プロットから作成するのか、世界観まで設定してシナリオを作成するのかにより、シナリオとは別に金額がプラスされるのが基本です。また、拘束時間や二次創作使用の取り決めも、シナリオ作成とは別に設定されていることが多いでしょう。
4.シナリオライターに必要なスキル
シナリオライターの欠かせないスキルのひとつは「文章力」です。基本的な日本語能力に加えて、ストーリーの面白さやキャラクターを生き生きと魅力的に表現できる文章力は、シナリオライターに必須のスキルです。
次に、「構成力」も必要なスキルといえます。主軸の物語の進行の裏でサブストーリーが進んでいることを想定し、どう効果的に活かすか、どのようなイベントが発生するかを組み立てるのが構成力です。複雑なストーリーほど、辻褄が合わない箇所ができないようコントロールする構成力が求められるでしょう。
シナリオライターにとっては「想像力」も重要です。自分が魅力的と思えても、そのシナリオを見る他の人が同じように考えるかは、想像力を駆使する必要があります。世界観や登場人物の心情を客観的に見る想像力を持つことで、驚きや悲しみ、喜び、楽しさなど感情移入しやすい展開を作ることができるのです。
仕事を進める上では「スケジュール管理能力」や「忍耐力」も問われるでしょう。プロジェクトを進める上では、チームのさまざまなメンバーと共に作業を行う必要が出てくるため、意見をすり合わせながら粘り強くやりとりする必要があります。
自分の作業時間の調整を誤って、チームに迷惑がかかることは、全体の進行の遅れを招く可能性があります。滞りなく業務を進めるためにも、スケジュール管理は大切なスキルです。
5. シナリオライターの資格
シナリオライターになるために、特定の資格は必要ありません。資格の勉強よりも、多くの作品に触れて1本でも多くのシナリオを作ることがシナリオライターとして成長するための近道といえます。
とはいえ、長い目で見たときにはTOEICや英検の資格はプラスになる可能性が高いでしょう。日本の人口減少に伴い国内市場は縮小。その結果、ゲームなどのコンテンツは翻訳して海外に輸出されるものが増えると想定されるからです。
資格以外のところで学んでおくべきことは、基礎的なゲーム構成や作業工程です。シナリオライターとしてではなくても、ゲームの制作現場に携わることで、全体の流れを把握できたり、トレンドをキャッチできたりするなど利点もあるでしょう。
6. シナリオライターになるには
ゲームシナリオライターは、ゲーム特有の世界観の構成や分岐によるストーリーの変化などを学ぶ必要があるため、ゲーム系の専門学校に進みシナリオを学ぶのが一般的です。
その後、ゲーム制作会社に就職して、制作の流れを学びながら社内コンペを目指すなどの方法も考えられます。はじめは別の職種に携わる可能性もありますが、シナリオを書き溜めることで上司にアピールしつつ、ショートシナリオから経験を積んでいくこともあるでしょう。
専門学校で学んだり、実務経験がなかったりする場合でも採用される可能性はあります。ストーリーを書き溜めておくなど、アピールできるように準備をしておきましょう。
7. シナリオライターに向いている人
シナリオライターに向いている人は、書くことが好きで、想像力を形にすることをいとわない粘り強さがある人といえます。
文章力や表現力はもちろん重要ですが、仕事として書いていることで行き詰まり、次の展開が思いつかず苦しむこともあるでしょう。どんなに苦しい時間があっても書ききるという粘り強さは、作品を生み出す上でとても重要な力です。
そこに、何にでも興味を持てる好奇心の強さや、文章力、表現力が加わることで、自分の経験や興味をシナリオに反映して、より面白い作品に仕上げることが可能になるのです。
また、コミュニケーションが得意な人もシナリオライターの適性の一つといえるでしょう。好きなように書けばいい仕事ではなく、関係者と認識を合わせながら進めることが求められるため、スムーズなコミュニケーションは非常に重要です。
8. シナリオライターの需要・将来性
シナリオライターの需要について見ていきます。ソーシャルゲームやアプリの開発需要が増えている背景から、主にゲーム業界でのゲームシナリオライターの需要は高まっていると考えられます。
ゲームシナリオライターは、シナリオの作成だけではなくゲームに関する全般の知識やディレクター経験、またIPコンテンツを扱った経験なども近年は重要視される傾向があります。そのため、ゲーム制作会社に勤めてさまざまな経験を積むことが、フリーランスで独立することを視野に入れた場合は強みになるでしょう。
また、スマートフォンの普及により、アニメーション動画や漫画動画が注目されています。企業PRや商品PRを短い動画にすることはこれからますます増えていくと考えられるため、たとえ小さな仕事でも、シナリオライターとしての需要がなくなることはないでしょう。
9. シナリオライターのキャリアパス
ゲームシナリオライターのキャリアパスとしては、ゲームディレクターにキャリアチェンジするのもよいでしょう。経験を積むことでゲームのシナリオのみならず、世界観の構築や全体の進行管理なども任されるようになれば、収入増にもつながります。
また、フリーランスとしてシナリオライターの道を極める人も多い傾向に。シナリオライターはもともとフリーランスが多い職種ですので、既にフリーライターとして活躍している場合は、有名タイトルのシナリオを執筆する経験を積んで実績を増やし、ライターとしての市場価値を高めていきましょう。
10.フリーランスのシナリオライターとして働くには
シナリオライターはフリーランスとして活動している人が多い職種です。ある程度経験を積んでから独立する人もいれば、はじめからフリーランスとして独立する人もいます。
フリーランスのシナリオライターが企業のプロジェクトに参画するケースとして多いのが、企業側で雇用または契約しているシナリオライターに欠員が出た場合です。体調不良や急な退職などで欠員が出た場合、企業側は個人のSNSやWebサイト、クラウドソーシングサイトなどをリサーチして、フリーライターに声をかけるケースがあります。
また、募集という形で広く候補者を募る場合もあり、こうしたチャンスを掴んで商業タイトルデビューをするフリーライターもいます。商業作品経験を積むことでポートフォリオが強化されますので、営業の際の大きな武器になるでしょう。
納品したシナリオについては版権買い取りになるケースもあり、その場合はヒットタイトルが出たとしても継続的な収入には繋がりません。ただし、その後の依頼が一気に増えるケースがあるので、継続して結果を出し続けられれば安定して生計を立てられるでしょう。
ゲームシナリオライターとしてある程度実績を作り、さらにIPコンテンツ経験やディレクター経験などがあれば、比較的スムーズにフリーランスとして活動が可能と言えます。
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