クリエイター職種図鑑 サウンドクリエイター


サウンドクリエイターを目指している方へ向けて、サウンドクリエイターになるにはどうすればよいのか、必要な資格・スキルなどを解説します。仕事内容やこの仕事に向いている人など、あらゆる情報をまとめているので、職種を研究中の方もぜひ参考にしてください。

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目次

1. サウンドクリエイターの主な仕事内容

サウンドクリエイターは、ゲームのテーマ曲やBGM、効果音などの「音」を作成する仕事です。活躍するフィールドはゲームだけでなく、ドラマや映画、CMやイベントなど、様々なジャンルで活躍しています。音や音楽はコンテンツ全体の印象を左右するため、サウンドクリエイターの役割はとても重大です。

サウンドクリエイターは、クライアントや現場のプロデューサー、コンテンツのプランナーなどと話し合い、サウンド制作を行います。音量の微調整など、音響をコントロールするのも業務のひとつ。作曲や音源の収録・編集など、あらゆる業務を担うサウンドクリエイターには、多様なスキルが求められます。以下では詳しい仕事内容を確認していきましょう。

サウンド制作の流れ

まずはクライアントらと打ち合わせを行い、制作するサウンドがどのように使われるものなのか(ゲームなのか映画なのか)、企画の内容などを聴取します。その上でサウンドの雰囲気について話し合い、方向性をしっかりと定めることが肝要です。

次に、必要に応じて音源の採集を行います。水の効果音を作る場合は実際に水を利用するなど、よりリアルなサウンドを追求する姿勢が大切です。採集した音源を組み込み、理想の作品が完成したら、実際に企画で使用できるように音をデータ化します。この工程がプログラミングです。プログラミングは、「サウンドプログラマー」と呼ばれる専門職が行うこともあります。

サウンドクリエイターは企画ごとに担当することが多いですが、1つの企画(例えばゲーム)に対して100以上のサウンドを使用することも珍しくありません。そのため、自分で消化できない仕事は外注に出すことがあります。その際、外注の進行などもしっかりと管理し、納期に間に合うように気を配ることが必要です。

作曲家との違い

作曲家もサウンドクリエイターと同様に音楽を作る仕事ですが、効果音などの細かな音を作成することは少ないでしょう。すなわち、作る音のジャンルの幅が異なるのです。また、作曲がアナログな作業であるのに対し、サウンドクリエイターの業務はパソコンを駆使したものであるため、作曲以外にあらゆる技術が求められるという点に違いがあります。

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2. サウンドクリエイターの年収

求人サイトに掲載されている募集要項を確認したところ、サウンドクリエイターの年収は約350万~700万程度。求人に掲載されている「想定年収」にはかなりの幅があり、経験やスキルに応じて大きく変動する模様です。

フリーランスのトップクリエイターであれば、年収1000万円近くに上ることもあります。こう聞くと夢のある職業ですが、このクラスのクリエイターになれるのはほんの一握りです。

音楽事務所に入社する場合は、フリーランスと比べて安定した収入が得られます。ただし、基本的には出来高制のため、作曲一本で食べていけるクリエイターはそんなに多くはないのが実情です。

歌モノのコンペでは、仮歌を入れてもらうために作詞家やボーカリストにギャラを支払いますが、提出した楽曲が採用まで辿りつくことは稀であり、時給ゼロ・ギャラ分のマイナスが出ることも。そのため、サウンドクリエイターの中には講師業をはじめとした副業を行う方もいます。

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3. サウンドクリエイターの求人・案件について

サウンドクリエイターの求人・案件に関する特徴を解説します。実際に仕事を探す際のポイントを確認しておきましょう。

募集している職種・仕事内容

サウンドクリエイターは「サウンドプログラマー」「シンセサイザープログラマー」「マニピュレーター」と呼ばれることもあります。そのほか、「サウンドデザイナー」「ミュージックコンポーザー」「サウンドエディター」「サウンドディレクター」といった職種名で同様の仕事が募集されているため、求人・案件を探す際は複数のキーワードを試してみてください。

仕事内容は効果音・SEの制作に限定されていたり、楽曲制作が主だったりと、会社・求人によってさまざま。サウンド制作はクリエイティブな仕事ですので、時間に縛られないフレックスタイム制を導入している会社もあります。

応募資格

サウンドクリエイターの求人・案件には、さまざまな必須条件・歓迎要件が設定されています。DAW(音楽制作ソフト)を用いた楽曲・効果音の制作経験は、多くの会社で要求される条件です。DAWをはじめ、音楽制作に関する機材の知識も求められます。

また、ほとんどの会社で必須条件となっているのが、サウンド制作に関わる実務経験。新卒採用を除いては、未経験の状態で就職するのは難しい職種といえるでしょう。

サウンドクリエイターの求人に応募する際は、ポートフォリオやデモ音源の提出を求められます。デモ音源はその人の音楽制作スキルを測る手段であり、その出来栄えが採用可否に直結するため、自信のあるものをいくつか提出するようにしましょう。

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4. サウンドクリエイターに必要な知識・スキル

サウンドクリエイターになるには、どのような知識・スキルを身につければよいのでしょうか。

サウンドクリエイターに必要な知識

サウンドクリエイターは音を扱う仕事であるため、楽譜は読めた方がよいでしょう。市販の参考書でも十分に学習できますが、プロのレッスンや専門学校の授業などで学ぶのもおすすめです。

また、サウンドクリエイターには楽器に関する理解も大切。厳密に言えば、各楽器の出す「音」の特徴を理解しておくことが重要です。そうすることで「このサウンドにはあの楽器の音が合いそうだ」といった引き出しが増えるため、より多様な音楽を生み出すことができます。

さらに、音楽に関する知識を付けておくと役に立つでしょう。クラシック、POP、JAZZ、民謡など音楽のジャンルはさまざまです。それらを日頃からよく聴き、自分の頭の中の音楽バリエーションを豊かにしておくことで、新たな発想を生み出しやすくなります。

サウンドクリエイターに必要なスキル

サウンドクリエイターに最も必要なのが、作曲スキル及びDAW(音楽制作ソフト)や波形編集ソフトを用いた音楽制作スキル。DAWは作曲からマスタリング・音質調整まで行うことができるツールで、代表的なDAWソフトは「Pro Tools」や「Cubase Pro」などです。

次に、MA(マルチオーディオ)スキルを身につけるとよいでしょう。MA(マルチオーディオ)とは、テレビなどの映像にあらゆる音を重ねて編集し、世に出る状態にする作業のことです。つまり、サウンドクリエイターが音楽を制作し、その後に続く工程ということになります。このスキルを身につけておくことで、サウンド制作からMAまでをこなす有用な人材になれるほか、キャリアの幅を拡げることも可能です。

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5. サウンドクリエイターに必要な資格

サウンドクリエイターになるために、必須の資格は特にありません。資格よりも、豊富な知識や確かなスキルが求められる世界です。しかし、取得しておくと技術レベルをアピールできる試験があるため、紹介します。

一般社団法人日本ポストプロダクション協会が運営している「映像音響処理技術者資格認定試験」は、映像・音響関連業界で働く上で基礎となる技術知識を問う試験です。一般社団法人日本音楽スタジオ協会が実施している「サウンドレコーディング技術認定試験」では、音響の理論や著作権、録音の流れなどに関する知識を習得できます。

「Pro Tools技術認定試験」は、サウンドクリエイターが使用するソフト「Pro Tools」の使用スキルを測る試験です。「MIDI検定」では、演奏データの統一規格である「MIDI(Musical Instrument Digital Interface)」の内容理解や活用レベルを測定できます。

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6. サウンドクリエイターになるには

ここでは、サウンドクリエイター志望者が辿る主な進路を紹介します。

専門的な学校に通う

サウンドクリエイターになるには、サウンドクリエイターの養成に特化した専門学校に通うのが一般的です。作曲・アレンジ・サウンド制作の基礎を学べるほか、DAWを用いた実践的なDTM(Desk Top Music)スキルを得ることができます。専門学校ではなく大学に通う場合は、音楽系・情報工学系の学科を選択するとよいでしょう。

サウンドクリエイターは学歴よりもセンスと実力を評価されますので、専門的な学校に通わなくても問題ありません。インターネットの急速な発達により、独学でも十分スキルを付けることが可能です。しかし学校のカリキュラムなどがない分、自主的に情報を取得しにいく必要があります。

サウンドクリエイターとして就職する

サウンドクリエイターの求人は経験者採用が多いため、まずは新卒採用を行っている会社を探して応募しましょう。サウンドクリエイターの就職先は、ゲーム会社・サウンド制作会社・映像コンテンツ制作会社・パチンコメーカーなど多岐にわたります。内定を貰うには、音楽理論の試験とデモ音源の審査を通過しなければなりません。在学中は音楽の勉強に加え、積極的に作品を作る姿勢が必要です。

就活のほか、サウンドクリエイター向けの公募に応募してもよいです。また、在学中にアルバイトで実務経験を積んでおけば、その後のキャリアにも繋がるでしょう。中途で実務未経験の場合もアルバイトなどから実務経験を積んでステップアップすることが必要になります。

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7. サウンドクリエイターに向いている人

サウンドクリエイターに向いているのは、以下のような要素を含む人です。

ゲームや音楽が好き

ゲームや音楽が好きな人は、ゲームサウンド・音楽に関する基礎知識があるため、サウンドクリエイター向きです。日頃から既存のサウンドに触れることで、それらの良いところを吸収することができます。また、先例を知っておくことで「自分だったらこんな音楽にしたい」といった工夫もしやすくなるでしょう。

ゲームや映画などの作品に関わった場合、クレジットに自分の名前が載ったり、自分の作ったサウンドがCD化されたりすることがあります。元々エンタメコンテンツが好きな人は、こうした記録に残ることで達成感を保ち、また次の仕事に励むことができるでしょう。

イメージに沿った作曲が得意

対象となるゲームや映画の世界観、登場人物のイメージに合わせた作曲ができる人は、サウンドクリエイターに向いています。音とイメージの関連性をしっかりと把握した上で、イメージを音に落とし込む、センスと技術が必要な仕事です。元々の素質に加え、常にスキルとセンスをアップデートする姿勢が大切になります。

デジタルツールの操作が得意

サウンドクリエイターは、DAWなどのデジタルソフトを頻繁に使用します。作曲はアナログで行うこともありますが、業務の大半はパソコンに向かって行うことになるでしょう。デジタルツールの操作が得意な人は、こうした環境に適合しています。

コミュニケーション能力・協調性がある

サウンドクリエイターは、クライアントをはじめ、ディレクターやチームメイトと協力して行う仕事です。自分一人でアイディアが浮かばないときには、仲間の意見を参考にしながら音楽を作っていきます。コミュニケーション能力がなければ、良い作品を生み出すことはできません。

また、サウンドクリエイターはクライアントやプロデューサーの要望に沿って音楽を作ります。指示やイメージを正確につかむ力や、自分の好みより相手を優先できる協調性がなければ、良い仕事を行うことはできません。他と同じような音楽にならないよう、個性を出すことも必要ですが、打ち合わせで定めた方向性を守りつつ制作することが大切です。

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8. サウンドクリエイターの需要・将来性

スマートフォンの普及により、スマホアプリゲームが盛り上がりを見せるなど、ゲーム業界は未だ成長し続けています。したがって、サウンドクリエイターの需要も高まっていくでしょう。

しかし人気の職種であるため、就職の競争は激しくなっています。独学で音楽を作れる時代になってきているため、ライバルが増え、希望する業界で働けないこともあるかもしれません。

DAWをはじめ、現場で使用するあらゆる音響機器に精通している人は今後も需要があるでしょう。また、ゲームだけでなく映画、ドラマ、CMなど、さまざまなジャンルの音楽を制作できる人は、どんな職場でも働くことが可能です。最も好きな業界で働けるかどうかは分かりませんが、サウンドクリエイターという職に就くための選択肢は拡がります。

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9. サウンドクリエイターのキャリアパス

サウンドクリエイターの実務を経験した後は、様々なキャリアパスを描くことが可能です。

サウンドディレクターに昇進する

サウンドクリエイターとして経験を積んだ後は、サウンドディレクターという道があります。サウンドディレクターは、サウンド制作の発注管理やディレクション(指示)を行い、サウンド制作に関わる現場全体を統括する仕事です。サウンドクリエイターとしての経験が指示に活きるため、堅実なキャリアと言えるでしょう。

別の職業に転職する

作曲経験を活かして、ミュージシャンになるという道もあります。クライアントに合わせた音楽ではなく、自分の音楽を作りたいという方にはぴったりです。また、音楽制作に関する講師になる道もあります。未来のサウンドクリエイターを育てたり、DAWソフトの使い方を教えたりと、自分の経験を直接活かすことが可能です。

フリーランスとして独立する

会社での実務経験を武器に、フリーランスとして独立する道もあります。サウンド制作に加えてMA業務を行うなど、会社勤めのうちにできるだけ多くの業務に携わっておくことで、その後のキャリアを拡げることができます。また、会社時代の人脈を辿ったり積極的にデモ音源を売り込んだりすることで、良い仕事が巡ってくるかもしれません。

MAスキルを活かせる「MAミキサー」という職業について、以下の記事で紹介していますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

関連記事:MAミキサーの仕事内容から案件提案まで

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10.フリーランスのサウンドクリエイターとして働くには

就職してから独立する場合、スキルが身についているため効率よく仕事を行うことができます。また、社員よりも不安定ではありますが、自分の好きな仕事を選べるというのは大きなメリットです。また、サウンドクリエイターは、アーティストのようにファンがつくこともあります。フリーランスの有名なサウンドクリエイターになれば、収入の増加も期待できるでしょう。

フリーランスのサウンドクリエイターとして働くには、先に実務経験を積むことが必要です。アルバイトを実務にカウントしてくれる会社もありますが、社員として責任の大きい仕事を経験しておいた方が有利でしょう。

フリーランスであっても、仕事を取得する際はデモ音源の提出が必要です。審査の結果、スキルがないとみなされれば、仕事を貰うことができません。日頃からセンスと技術を磨く努力を怠らないようにしましょう。

フリーランスとして働く前に、何の音楽を制作したいか、効果音と楽曲どちらに興味があるか、仕事のペースはどのくらいか、給与はどの程度かなど、まずは自分の希望する条件を書き出しましょう。その後、自ら営業活動を行ったり、フリーランス専門の就職エージェントサービスなどを利用したりして、条件に合った案件を探してみてください。

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