インハウスデザイナーがどんな仕事をしているか気になっている人は多いのではないでしょうか。本記事では、インハウスデザイナーの仕事内容・平均年収・キャリアパスについて解説します。求人案件の例や、インハウスデザイナーに必要な資格・スキルについても触れているので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 1.インハウスデザイナーとは
- 2.インハウスデザイナーの主な仕事内容
- 3.インハウスデザイナーの求人・案件について
- 4.インハウスデザイナーの年収
- 5.インハウスデザイナーに必要なスキル
- 6.インハウスデザイナーの資格
- 7.インハウスデザイナーになるには
- 8.インハウスデザイナーに向いている人
- 9.インハウスデザイナーの需要・将来性
- 10.インハウスデザイナーのキャリアパス
- 11.フリーランスとして働くには
1.インハウスデザイナーとは
インハウスデザイナーとは、デザイン事務所や制作会社ではなく一般の事業会社に勤めて自社ブランド製品を手掛けるデザイナーです。「社内デザイナー」や「企業内デザイナー」と呼ばれることもあります。
そのため場合によって、マーケティングや予算の管理など、別の業務をすることもあるでしょう。「in-house」とは、そのまま「家の中」の意味ですが、ビジネスの世界では「社内・組織内・企業内」という意味合いです。業務を外注せず社内で運用することもインハウスといわれています。
インハウスデザイナー以外の働き方は、「制作会社や事務所に所属する」または「フリーランスのデザイナーになる」の、大きく分けると3つです。
制作会社(受注)
他の企業や外部からデザインの仕事を請け負います。受注会社とも呼ばれることがあり、仕事の内容は、Webサイトデザインからグラフィックデザイン、プロダクトデザインなどさまざまで、制作会社や事務所の得意な専門分野で違うこともあります。
フリーランス
特定の企業に所属せずにデザインを請け負います。自由度も高いですが、自分で仕事を探す不安定さもある働き方です。
2.インハウスデザイナーの主な仕事内容
インハウスデザイナーの仕事内容は、「自社製品・ブランドのデザイン全般を扱う」ことです。制作会社のデザイナーであれば、受注した仕事が終われば、基本的にその後に関わることはありません。しかし、インハウスデザイナーは、立ち上げからその後のさまざまなプロモーション活動に携わります。以下で詳細を見ていきましょう。
自社ブランドのデザイン全般
自社ブランドのデザイン全般とは、たとえば製品デザインだけではなく、WebサイトやECサイトデザイン、広告関連のポスターやチラシのグラフィックデザイン、ロゴマーク、名刺、コーポレートアイテムなど、その企業が関わる業務が広ければその分だけ、さまざまなデザインに携わることになるでしょう。
ブランドに関連する製品デザインをすることで、そのブランドの長期的な視野を見守りながら成長を促すなど、育てていく面白さを味わうことができます。ユーザーからの反応や評価もダイレクトに知ることは、デザイナーとして責任を覚える部分もあり、やりがいを覚える部分でもあるでしょう。
製品に関する広告宣伝会議などマーケティングに関わることもあり、デザイナーとしての成長にもつながっていくのもメリットといえます。
デザイン以外の業務
インハウスデザイナーは、大きな企業であれば数名そろっている場合もありますが、企業の規模によっては自分1人ということもあります。そのため、相談したい仲間や先輩がいないということ考えられるでしょう。
またスケジュール管理や予算管理、外注先とのやりとり、他部署との折衝も行う必要があるなど、デザイン業務のみに集中していることは少なく、やることが多いと感じることもあるかもしれません。
逆に捉えれば、さまざまな仕事を覚えることになるので、キャリアとして幅広いスキルを専門的に身に付けられるのです。
3.インハウスデザイナーの求人・案件について
インハウスデザイナーの求人・案件は、あまり多いといえません。それは、大量にインハウスデザイナーを採用する企業は少なく、そもそも採用自体が少ないのが一般的なためです。
求人に対して、インハウスデザイナーを目指しているデザイナーは多いでしょう。インハウスデザイナーのメリットには「労働時間がコントロールしやすい」「福利厚生がしっかりしている」「収入が安定している」という点があるためです。
デザイナーの職種の特徴として、拘束時間が長い、労力に対して給与がそれほど高くないという部分を感じている人にとっては、安定した職場は魅力的といえます。
そのため、狭き門であるインハウスデザイナー の求人を獲得するためには、専門性を高めたデザインスキルだけではなく、広告デザインやWebデザインなどジャンルにとらわれない知識や技術力を磨くなどの努力も必要です。実績にもよりますがほとんどが実務経験を重視した中途採用なのが特徴でもあります。
4.インハウスデザイナーの年収
インハウスデザイナーとしての年収は、制作会社のデザイナーと比べると給与や年収も好条件であることが多いといわれています。求人ボックスを参考にすると、平均年収は497万円。またDODAを参考にすると年収はおよそ400〜700万円がボリュームゾーンとなります。
厚生労働省による「令和2年賃金構造基本統計調査」の「企業規模別にみた賃金」の概要によれば、大手企業の平均年収は男性が452万円(月収37.7万円を12倍した数字)、女性が319万円(月収26.6万円を12倍)です。
給与所得者全体の平均年収に比べると、インハウスデザイナーの年収は高いと考えられます。
5.インハウスデザイナーに必要なスキル
インハウスデザイナーに求められるスキルは多いといえるでしょう。さまざまなデザインに携わるため、即戦力として活躍できることを求められています。しかし、はじめから全てできることもありません。まずは、基本的なデザインスキルとWebデザインの知識があるとよいでしょう。
また、インハウスデザイナー はデザイン業務以外の仕事も多いため、実はマネジメント能力やディレクション能力、コミュニケーション力を持っていると役立ちます。詳しく見ていきましょう。
デザインスキル
PhotoshopやIllustratorなどの描画ソフトを使用したデザインスキルは、デザイナーとしては必須です。それに加えて、Webデザインに関する基本知識は持っておくべきでしょう。
Webサイトの設計やHTMLコーディング、プログラミング技術があればなおよいですが、自分で構築できなくても、知識を持っていればサイト運営などがスムーズに進められます。
マネジメント能力
マネジメント能力は、状況を進行する場合の管理能力です。インハウスデザイナーは企業の規模にもよりますが、1人でさまざまなデザイン業務を行うことが多いもの。
そのため同時進行で進んでいるデザイン制作や他部署とのやりとり、外注先とのスケジュール管理などを把握しながら進めることが求められるのです。状況が滞ることがないように管理する力は必ず必要といえます。
コミュニケーション能力
デザイナーは案件によってカメラマンやライターなどの外注先とやりとりすることがありますが、インハウスデザイナー はそれに加えて社内のさまざまな立場や部署の人とコミュニケーションを取りデザイン業務を進めていきます。
製品やサービスを完成させるためには、コミュニケーションを取りながら信頼できる人間関係を築かなくてはなりません。満足のいく製品やデザインを社内のさまざまな人物と作り上げていく必要があるのです。
そのため、相手に「伝える・汲み取る」ためのコミュニケーション能力は、デザインスキルよりも大切かもしれません。
6.インハウスデザイナーの資格
インハウスデザイナーになるための資格は特にありませんが、一般的なデザイナーが持っているとよい資格を取得しておくことはおすすめです。
【インハウスデザイナーが持っているといい資格】
・Illustratorクリエイター能力認定試験
・Photoshopクリエイター能力認定試験
・色彩検定
株式会社サーティファイが主催する資格認定試験の「Illustratorクリエイター能力認定試験」「Photoshopクリエイター能力認定試験」は、IllustratorやPhotoshopを実践的に扱うための能力を測るものです。実力によって「スタンダード」「エキスパート」が選べます。
「色彩検定」は、色に関する知識を幅広いジャンルで活かせます。インハウスデザイナーにとっては、製品のプロダクトデザインだけではなく、Webやプロモーションなどにも応用することができます。また、2018年に新設された「UC級」は、従来の「1〜3級」とは別の知識を深められるため、習得しておくのがおすすめです。
7.インハウスデザイナーになるには
インハウスデザイナーになるのには、やはりデザインの基礎から応用まで体系的にまなべる場に進学するのがおすすめです。一般的には、美術系大学やグラフィック系の専門学校に進学するのがよいでしょう。
学校でできるだけさまざまなデザインに触れておくことは、自分の引き出しを広げることに役立ちます。グラフィックデザインだけではなくWebデザインやプロダクトデザイン、広告手法のマーケティングの知識などが幅広い分野のデザイン知識を得られるのが大学や専門学校の利点です。
その後、就職先にWebデザイン制作会社やデザイン事務所を選べば、実践的なデザイン現場が分かるでしょう。新卒でインハウスデザイナーを選ぶことも不可能ではないですが、相談できる人がいない環境では、かなり苦しい状況に陥る可能性も。成長環境として適切かどうかは事前に見極めておきましょう。
8.インハウスデザイナーに向いている人
インハウスデザイナーに向いているのは、「柔軟な発想力を持っている人」や、「さまざまなデザインに対する興味を持てる人」です。
製品デザインだけではなく、その製品にまつわるさまざまなプロモーションを行う場合は、媒体にとらわれない柔軟な姿勢と発想力が必要です。自分の意見も伝えつつ、周囲の人の意見も取り入れて、より良い製品を作り上げていくために柔軟に対応しなければならないからです。
また、幅広いデザイン業務に携わるため、1つの分野のデザインで専門性を高めるよりも、Webと紙のデザイン、エディトリアルデザインなど、手法が違うデザインに興味を持つことができないと、続けていくのは困難でしょう。
加えて「コミュニケーション力」は、特に必要とされています。1人でコツコツとデザインを進める人よりも、周囲と折衝を重ねながら仕事を進める機会が多いためです。逆にいえば、1つの物事に集中して専門性を高めたい人は、インハウスデザイナー はあまり向いていないかもしれません。
9.インハウスデザイナーの需要・将来性
近年はWebサイトのユニバーサルデザイン化など、デザイン表現の重要性について理解が広がっている背景もあり、デザイナー需要が増えています。自社デザイナーの育成やコーポレートカラーの構築などに力を入れるようになった会社も増えてきているため、今後も需要はある職業でしょう。
しかし、爆発的に増えるタイプの職種ではないため、案件自体はそう多くありません。狭き門をするには、即戦力アピールやポートフォリオの充実を図りましょう。
今後も広がっていくと思われる「ワーク・ライフ・バランス」の観点からも、家族やプライベートの時間を大切にしながら仕事ができることは、将来的にも続けやすくい職種といえそうです。
10.インハウスデザイナーのキャリアパス
インハウスデザイナーは、デザイン業務だけではなく、マネジメント能力やディレクション能力を持ちながら働くことになります。そのため、インハウスデザイナーのキャリアパスを考えるなら、仕事の性質上「デザインのジェネラリスト」を目指すことがよいでしょう。
ジャネラリストとは、総合的な視点を持ち、多方面の知識を持っている人を指す言葉です。デザイン業務だけではなく、マネジメント力を鍛えつつ総合的な視点を持てる人は、専門性を持つよりも多方面で必要とされる可能性が高く、またディレクション力を鍛えて年収アップも見込めるでしょう。
11.フリーランスとして働くには
インハウスデザイナーを数年続けた上で、フリーランスとして独立する方法もあります。そもそもインハウスデザイナーは、「一般の事業会社に勤めているデザイナー」を指しますので、独立してフリーランスになるならば、それは個人事業主のデザイナーになるという意味になります。
インハウスデザイナーとしての経験は、デザイン全般の幅広い理解と技術の取得、マネジメント能力など、デザイナーとしての実績になります。コーポレートサイトを手掛けた経験や製品プロダクトの経験など、さまざまなデザインスキルと経験は、ジャンルにとらわれない仕事獲得に役立つでしょう。
インハウスデザイナー時代に積極的に交流し、人脈を広げておくことで営業活動がしやすくなるのでおすすめです。その際はポートフォリオを作成し、経験に合わせて充実させておくことも必要です。
また、フリーランスに特化したエージェントを活用することも1つの方法です。営業活動する時間が取れない場合や、次の仕事の案件を探したいときに利用することで途切れない案件獲得もかないやすくなるでしょう。
インハウスデザイナーの求人・案件に興味がある方へ
Web・ゲーム業界のクリエイター専門
レバテックに相談する3つのメリット
- 01
業界最大級の
案件保有数
- 02
業界内最高レベルの
高単価
- 03
参画後まで丁寧な
サポート
あなたにぴったりの案件をご提案いたします