クリエイター職種図鑑 モデラー


モデラーがどんな仕事をしているか気になっている人は多いのではないでしょうか。本記事では、モデラーの仕事内容・平均年収・キャリアパスについて解説します。求人案件の例や、モデラーに必要な資格・スキルについても触れているので、ぜひ参考にしてください。

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目次

1.モデラーとは

モデラーとは、3DCG制作の仕事のうちの形状作成「モデリング」を中心にしている職種のこと。英語の「modeling」は「模型制作」を指し、特にグラフィックの世界では立体物を形成することを指します。

一口にモデラーと言っても、業界や用途によって専門分野が分かれていることも多く、工業や医療、建築などさまざまな分野で活用の場がある専門職です。

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2.モデラーの主な仕事内容

モデラーの仕事内容は、モデリングの手法と業界によって3種類あります。

「ポリゴンモデラー」「サーフェスモデラー」「ソリッドモデラー」に分類されている仕事内容を以下で説明してみましょう。

ポリゴンモデラー

「ポリゴンモデラー」は、三角形や四角形など2Dの多角形面を組み合わせて、対象物をモデリングします。粘土細工のように形状を作っていくことが可能です。

なめらかな表現を得意としており、主にゲームやアニメーションのキャラクターや動物、背景物体などの制作が中心となります。

サーフェイスモデラー

「サーフェスモデラー」は、「NURBS」という数学的な面の形状によって物体を形成するモデラーです。機械的で繊細な表現を得意としており、主に自動車を中心とした工業デザインで用いられています。

自動車のボディーはサーフェスモデラーの代表的な制作物で、自由曲面を使って厳密な表面の形状を制作する業務です。

ソリッドモデラー

ポリゴンモデラーとサーフェスモデラーの手法を組み合わせることができるのが「ソリッドモデラー」です。

製造業を中心に幅広く利用されている手法で、3DCADを使って組み立てていき、形を作り組み合わせることによって厚みや質量をも表現が可能になります。その特性から、機械設計や家電製品、建築設計などに幅広く使われているのです。

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3.モデラーの求人・案件について

モデラーの求人・案件は、3DCG関連の業種でも多く存在しており、単価も上がってきている業種です。

近年増えてきているのは、やはりゲーム関連の案件です。ソーシャルゲームやコンシューマーゲーム、アプリ開発などの拡大を背景に、キャラクターや背景のモデリングなどの案件が見受けられます。アニメーションや映像業界でも需要は多く、映像コンテンツの増加からニーズが増えているといえます。

3DCGモデラーは広告業界や工業、医療など幅広い分野で今後も増えていくと予想されており、工業デザインでは専門性の高さから案件自体は少ないものの、高収入・高単価の案件が多いようです。

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4.モデラーの年収

モデラーとしての年収は、所属する業界によって差が出る傾向にあります。

転職会議を参考にすると、工業デザイナー・モデラーの年収は全世代平均が415万円、20代では平均343万円ほどですが、30代で444万円、40代以上で605万円と年代が上がるほど年収がアップしています。また、最高で1450万円という数字も想定されています。

一方、ゲーム業界の平均年収を見てみると、若年層や経験が3年以内のモデラーは月収20万円、年収300万円ほどが一般的とされておりそれほど高くなく、スタートは平均的なサラリーマンとあまり変わらない印象です。しかしゲーム業界の大手企業であれば、若干高く400〜500万円ほどが平均といわれています。

厚生労働省の「職業情報提供サイト」の「CG制作」の情報では、モデラーとして情報が独立してはいませんが、目安として全国平均年収はおよそ460万円です。都心部であるほど年収が上がる傾向があり、東京都では562万円となっています。

モデラーは所属する業界によって年収に差があり、ゲーム業界は工業・製造業よりも若干低くなる傾向に。しかし、案件の需要はゲーム業界が圧倒的に多いという状況です。そのため、ゲーム業界で年収アップを希望する場合は、専門性を高めて独立し、単価が高い案件を獲得するのも1つの方法と言えるでしょう。

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5.モデラーに必要なスキル

モデラーになるには、3DCGの制作ソフトが扱えることが前提です。このデジタルスキルは必須条件で、その他に必要とされるスキルを挙げてみましょう。

デジタルスキル

MAYAや3dsMaxは3DCG制作に取って定番といえるソフトですが、その他にもMODO、After Effectsなどの制作ソフト、Zbrush、SubstancePainterなどのスカルプトツールなどの使用も求められています。また、今後はBlenderやUnityなども取得が求められていく傾向があるようです。

Photoshopなどの基本的な画像編集ソフトも3DCG制作現場で使われており、これらの技術を磨いておくことが必要です。

空間認識能力

空間認識能力とは、空間把握能力や空間認知能力ともいわれており、物の方向性や形状、空間を素早く認識できるスキルです。

一般的には、地図上の道の把握や距離感などを測れるものですが、3DCGの世界では平面で描かれたデザインを立体に再現するために重要な力で、この感覚がないと図を描いたり立体的に表現したりすることが困難なのです。

英語力

モデラーが使用する3DCGソフトは海外製が多いため、簡単な日常会話や単語が分かるレベルの英語力が必要です。CGソフトは日進月歩で日々新しい情報・ニュースが発信されています。その発信はどうしても海外からのものが多いので、英語力を身に付けておくと便利です。

将来はグローバルに活躍したい場合にも、英語は役立ちます。ゲーム関連や工業関連は、案件によって海外とのやりとりも想定されますので、日常英語だけではなくチャンスがあればビジネス英会話も習得しておくとよいでしょう。

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6.モデラーの資格

モデラーになるための資格は特にありません。しかし、CG関連の資格はあり、網羅的に知識を補強できるため、機会があれば取得しておくとよいでしょう。

【モデラーが持っているといい資格】
・CGクリエイター検定
・画像処理エンジニア検定
・TOEIC

CGクリエイター検定・画像処理エンジニア検定は、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が主催しています。CGクリエイター検定は3次元CGと映像制作に関するもので、デザインや2次元CGの基礎、映像の基本、3DCGの手法などCGに関する幅広い知識と応用力を測ります。

画像処理エンジニア検定は工業・医療・ロボット分野などにおいてのソフトウエア、システム、製品などの開発に関する知識と応用力を問われるものです。それぞれ専門知識の理解と能力を測り、ベーシックとエキスパートで試験を選べるので、自身のレベルによって選択しましょう。

TOEICは一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が主催するビジネス系英語能力の検定です。聞く・読む、話す・書くなど段階とレベルによって試験が選べて、検定は年数回、全国で行われていることも特徴です。近年は大学試験入試に活用されるなど取得が推奨されているため、持っておいて損はない資格です。

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7.モデラーになるには

モデラーになるのには、まずは情報系大学やグラフィック系の専門学校で学ぶのが一般的でしょう。3DCG制作ソフトを使いこなすためには、デザイン知識とCGについて学び知識を深めることが近道です。

進みたい業界の方向性によって、映像に特化したモデラーか工業に特化するのかによっても学ぶ内容が若干違いますが、学校に進学し就職の道を選ぶとスムーズでしょう。

卒業後は、進みたい方向性によってゲーム制作会社やVR制作会社、映像制作会社、製造系一般企業と幅広い選択肢があります。

また、独学でCGソフトの知識や技術を学ぶことも不可能ではないでしょう。近年は分かりやすい書籍や動画などが多いため、モチベーションさえあれば学ぶ機会はあります。

また、実績と経験を積むことで、海外で仕事を得ることも不可能ではありません。独立してフリーランスとして仕事をすることも視野に入れやすいでしょう。

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8.モデラーに向いている人

モデラーに向いている人は、絵が好きというだけではなく、「デッサン力」や「観察力」を持っている人が向いています。立体作品に仕上げるために、細部まで観察し正確に描くデッサン力と、造形に対してのアプローチが求められるため、観察できることは大切な力です。

また「空間認識能力」が備わっている人にとっては、平面を立体に再現する楽しさが味わえます。地図を見て空間を想像したり立体パズルをしたりするのが得意な人、設計図から建造物のミニチュアを組み立てられる人も、モデラーに向いているといえます。

また、3DCGソフトを使って納得のいくまで調整するには「集中力」も必要です。パソコンに向き合い1つのものを作り上げるためには、じっくり取り組める姿勢が必要です。加えて繊細に表現の調整を行い、業務進行もコントロールしなければならないので、1つのものに向き合う集中力は必須でしょう。

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9.モデラーの需要・将来性

近年では映像表現の進歩やゲーム業界の拡大により、3DCGの需要が高まっています。活躍の場はアニメーションやゲームはもちろん、テレビや映画などの映像コンテンツ、広告、製造業、医療と多岐に渡ります。視覚に訴えかける3D表現は、今後もさまざまな業界で将来性が見込める職業といえそうです。

特に需要が高いのが、ソーシャルゲームやコンシューマーゲームなどで、VR表現も一般的になってきているため、優秀な人材は常に求められています。また、3DCGデザインの職種の中でもモデラーの需要は高く、転職求人の年収やフリーランスの案件も高単価の傾向があります。

その一方で、使用ソフトのトレンドは数年で変化しているなど、業界で生き残っていくためには技術力の研鑽も必要とされています。業界のニュースや情報を敏感に取り入れ、常に技術を磨く努力も必要な職種といえるでしょう。

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10.モデラーのキャリアパス

モデラーにはキャリアパスといえる上位職がありません。そのため技術を磨いてスペシャリストとなるか、独立するのが一般的です。モデラーは3DCG制作の中の専門職でもあるため、別の職種の技術を学んでキャリアチェンジしない限りは、専門職の道を極める方が年収アップを見込めます。

フリーランスのモデラーは、企業や制作会社で実績を積み、人脈を広げることで視野に入れやすいでしょう。また、3DCGの制作ソフトの技術を磨き、ゲームやアニメーション制作、映像制作など幅広い案件に関わることで、独立した後にさまざまな案件獲得につなげやすいといえます。

制作会社や企業でのキャリアは安定していますが、ある程度伸びに限界があるため、年収アップのために独立する人も多い傾向があります。フリーランスとして独立を目指すならば、まずポートフォリオを充実させて、人脈を広げるなど顔を売る努力も必要です。

早いうちから意識して動き、SNSでの発信やポートフォリオ作成、近年ではYouTubeなども利用し、アピールする環境を整えておきましょう。

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11.フリーランスのモデラーとして働くには

フリーランスのモデラーは、必ず実務経験と技術力、即戦力を求められます。まずは数年でも制作会社などに勤めておき、3DCG制作の基本とモデラーとして求められるもののレベルを知っておくと、フリーランスとして活動しやすくなります。

フリーランスになれば自分で営業活動をしなければなりません。そのためにはまずポートフォリオを充実させて、実力をアピールできるようにしましょう。

また、近年はSNSでの作品公開やYouTubeを使った動画配信など、アピールする場は広がっており、積極的に活用して営業につなげるように心掛けることが大切です。

また、営業があまり得意でない人や、案件を抱えていて次の仕事を探すのが難しい人は、エージェントを活用することも1つの方法です。クリエイターに特化したエージェントを選べば、自身のスキルや状況に合わせて案件を提示してくれます。

フリーランス特化型のエージェントは、安定したフリーランス活動を形成する手助けとなるでしょう。

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